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蝉しぐれの頃

遠く近くで蝉が鳴く
小鳥も負けじと合いの手を入れる

濡れたアスファルトは
朝陽を浴びた所から乾いていく

建物の影はいつまでも
雨を抱きしめて
なごりを惜しむ

川面はこれ以上ない位に盛り上って
海を目指している

雑木林に行き着くと
蝉は大合唱で迎えてくれた

今確かに
ここにある命に

声に出さずとも
声援を贈る

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