がっかり映画 その3
ゲド戦記
がっかり度 ★★★★★★★★☆☆
ミスター度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆
目的
ロードショーのたびに、あふれんばかりの映画論評が巷では繰り広げられています。
そんな中で、クリエイター達の想いむなしく、酷評に近いレビューを受ける映画はたくさんあります。
人々は、そのような映画を観て、日々、がっかりしています。
がっかり映画は、普通に見ると、ただ、がっかりするだけです。
しかし、どこでがっかりするのかという「がっかりポイント」をしっかり押さえておけば、がっかり映画たちはすべからく楽しめる映画に変身します。
みなさんも是非、この「がっかりポイント」をつかみ取り、がっかり映画を楽しんでみてください。
今回のテーマ
今回の映画は、スタジオジブリ作品である「ゲド戦記」です。
この映画は宮崎駿さんの息子さんが監督、総指揮を執ったという事で、公開当時から現在に至るまで巷で賛否両論の大嵐が吹いています。
ここが良い、ここが悪いといった意見などは、インターネットなどで活発に意見交換されているので、ここではあえて、「ミスター度」という尺度をもってみなさんのご判断を仰ぎたいと思います。
結論から言うと、本作は「ミスター度が低い」です。以下にその代表的なポイントを挙げます。
がっかりポイント!
解説
ゲドとあまり呼ばれない
がっかり①はある意味、最もミスター度を下げています。
映画には主要人物として確かに菅原文太さん演じるゲドが出演していまが、映画内でほとんど「ゲド」と呼ばれません。
そのため、もちろん「ゲド」と呼ばれてなんだ的に振り向くシーンなど見当たらないのです。
そのせいか、前半は元気だったゲドも後半はほとんど何もしません。
一番やった事といえば「手足に縛られた鎖をパーンと割る」事ぐらいです。
これでは、ミスターさを削いでしまっても仕方がありません。(※4ポイントは加重平均点です)
変身
がっかり②は後半部分にでてくる一瞬のシーンです。一瞬ですが、これにもミスター度が下がりました。
この映画のラスト付近で「人が竜に変身してまた戻る」というシーンがあります。変身するときは非常に神々しく、かつダイナミックに変身します。
ところが、戻る時は「いつのまにか戻る」という非常にミスター的でない戻り方をします。これにはがっかりな気持ちで胸が一杯になります。
「終」表示のタイミング
ポイント3はややユニークです。
ジブリ映画では物語の最後に「終」という文字を表示する文化があります。この映画でも、例外なく「終」という文字が表示されます。
他のジブリ作品、例えば名作「風の谷のナウシカ」などにおいても、物語が終わったところで「おわり」というメッセージが表示されます。
ところが、本作では、「まだ終わっていない」という全く非ミスターなタイミングで「終」と表示されるのです。
このテクニックにより、意表を突かれた観客たちは、コツコツ貯めてきたミスター度を一気に放出してしまうほど衝撃を受けることになります。
さいごに
いかがだったでしょうか。今回ご紹介したゲド戦記の評価は、やはり必ずしも高くありません。
しかし、豊富な「がっかりポイント」により、魅力たっぷりな映画であることは、間違いのない事実です。
「ゲド戦記」はこのほかにも様々な「おちゃめポイント」が隠されています(兵士の数、砦までの距離、仲直り、など)。
そのため、映画自体が比較的「おちゃめ」に仕上がっています。
しかし、それでも「ミスター・ゲド」を演じている「彼」を是非、家族みんなで楽しんでみてください!
(次回は、劇場版ストリートファイターIIの気配がします)
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