毎年恒例

毎年12月に近付くと友人のN君から「今年どうする?」と必ずLINEが来る。
これは毎年恒例の集まりの事を意味する。
この集まりと言うのは今から15年前にユウキリボルバー自身が始めた会で特に名称等は無いのだ
何故この会が始まったかと言うと15年前彼女の「か」の字も無かったユウキリボルバー本人が「周りの1軍達はクリスマスに彼女が居てイチャイチャ出来るのに俺達には彼女が居ない!こんなんじゃダメだ!」と端を発した事から始まる。
「俺達はゴミだ!来年こそは彼女の居るクリスマスを送るぞ!!」と言う決起集会的な感じで毎年執り行われている。
15年前初めて中野のガッツソウルで開催され今に至る。
ルールとしては「彼女が出来たら会を抜ける又は結婚したら会を抜ける、会が始まる当日に彼女と別れた場合の参加はOK」みたいなルールはあった
基本的なメンバーは地元の友達7人で集まる。
たまに基本メンバーでは無い地元の人間が参加するが基本的には7人である。
今日はそんな会の話をしようと思う。
まずは現在の基本メンバーの軽いプロフィール
ユウキリボルバー(売れない芸人兼この会の主催者)
N君(一流企業勤めの既婚者)
H君(介護職のギャル男風)
S君(デブハゲメガネの30歳童貞フリーター)
E君(飄々とした童貞SE)
K君(大人の雰囲気バチバチのやり手営業マン)
Y君(優しい彼女持ちメガネ男子)

1年目〜5年目
この会が発足した時はまだ高校生だった。
当時は全員バキバキの童貞で彼女なんか居なかった、この頃は「いつ童貞を卒業出来るか」や「○○彼女出来たらしい」など男子高校ならではの話をした。
結局現メンバーの中で高校時代に童貞を卒業したのはH君1人だった、彼は中学時代5軍に居たが見事高校デビューを果たし高校時代は2人の彼女と付き合った
そして俺とH以外は大学に進学し華のキャンパスライフを送る事となる。
この頃の俺は高校を卒業して解き放たれたのか毎月違う女の子と遊んでいたが童貞は卒業出来ずだった、H君他のメンバーもそんな感じだった。

5年目〜10年目
成人を迎え、ある程度みんな彼女が居たり童貞じゃなかったり人並みには経験を積んでいた為、この年は開催しないだろうと思って居たがメンバーのS君E君2人が1回も女の子と遊びに行ってない童貞だった為、クリスマス前に緊急招集しルールを改訂、初の年2回開催となる。
ルール改訂後は「結婚したら会を抜ける」のみなったが、ここら辺から彼女居る奴らは彼女居ない奴らに奢ると言う悪しき風習が出来始める。
元々は「俺達は彼女が居ない愚か者だ!来年こそは彼女作るぞ!」と始めた会がいつしか童貞を崇める会になっていた。

10年目〜現在
N君がめでたく結婚したが「毎年集まる機会なんて大人になってあんま無いから残留して大丈夫か?」と連絡があった、俺も「確かに」と思いこの会に於けるルールは事実上無くなった。
そして毎年童貞に飯を奢ると言う会になってからある日N君が「これおかしくねぇか?」と俺に言って来た、最初俺は「まぁ、あいつら2人は1年童貞と言う業を背負ってるから彼女居る俺達は余裕あるから奢るくらいいいんじゃ無い?」と言った、そして今年、会の参加の有無を取る際にS君E君に連絡したら「今年も奢りだよね?」「Nが参加するなら」と返ってきた、この瞬間俺は「あ、ダメだこいつら」と思った。
元々は決起集会的な感じで開いていた会なのにこいつらの中で「童貞の俺達を慰めろ、宜しゅう」的な会になっていた。
N君は童貞に奢ると言う悪しき風習が出来てから合計5万奢っている。
そりゃS君E君からしたら最高のカモだ、しかしこのままではこの会が童貞に蝕まれる為俺は童貞に痛い目を見せる為に今年から彼女居る奴らは財布を持たず童貞に奢らせる事がS君E君2人には秘密裏で可決された。
しかしコロナウイルスの影響もあり開催が危ぶまれている。
童貞は悪運が強いと思う今日この頃…

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