不登校変化グラフ

今不登校にあるみなさんへ 不登校の対策論 本人編 4

学校復帰について

 本来ならここから書き始めるべきことかもしれませんが、あえて最後の方に持ってきました。それは学校への戻り方についてです。え?と構えずに落ち着いてこの先も読んでみてください。
 まず、あなたにとって学校は必要です。「えー、今までさんざん学校に行くだけが正しい道じゃないみたいに言ってたじゃんかよー」と思うかもしれませんが、最後まで読んでください。
 現在の日本では、子どもにとって学校は高校などの次の進路や相談などの様々な行政サービスの窓口になっています。なので、学校と全くつながらずにやっていくというのはあまり現実的ではありません。学校とはある程度の距離でつながっている必要があります。その距離というのがある人にとっては毎日学校に通うことになるし、ある人にはたまに先生と親が会うだけの距離だったりする。そう考えてみてください。
 もう一点。私は学校は行けるのであれば行った方がトータルでは楽だと思っています。不登校でいるのは色々な面倒がついてまわります。みなさんの大半は学校に行けないと感じているでしょうから、「何言ってんだ!」と思うかもしれませんが、この学校に行った方が楽という言葉は心の片隅に置いておいてください。
 さて、あなたはどれくらいの学校との距離を望むでしょうか。この答えは一つだけにせず、色々と考えてみてください。まずはどれくらいを目指すか。次の学期や学年の最初はどれくらいにしたいか。その学校の最後、次の学校へはどんな感じにしたいか。色々と考えてみましょう。
 それだけではありません。学校の行き方もさまざまな形があります。といっても分かりにくいかもしれないので実例をあげましょう。遅刻や早退、時々欠席しながら登校を続けるというスタイルがあります。さらに、ずっと教室にいるわけでなく、保健室や相談室を居場所として学校へ行く別室登校というスタイルがあります。これには別室を拠点に教室へ行く形から基本ずっと別室で過ごすという形まで幅があります。他の生徒がいるといけないという人にはみんなが帰った後に学校へ行く放課後登校という形もあります。
 学校ごとに事情があるので、これらの手が全て使えるわけではありません。担任の先生と話し合って自分の登校スタイルを決めていきましょう。
 そうしてやってみると、うまくいったりうまくいかずに何かの問題が起きたりします。やっぱり行けなかったということもあるでしょう。こういったことは失敗といえば失敗ですが、別に大きな失敗ではありません。
 その時は次の目標設定をしてみましょう。やってみて分かったことがあれば、その情報を活かしましょう。例えば、すごく疲れてしまったのならしばらくペースを落としてみるとか、そんな感じです。何かすごく嫌なことがあったらその対策を考えてみましょう。大きな目で見れば失敗はありません。ただ次の課題があるだけです。
 もう一つ、学期の切れ目は大きな転換点、チャンスです。思い切って大胆な目標を立てて実行するチャンスです。学年の替わり、学校の切り替わりはさらに大きなチャンスになります。
 やっぱダメだとなっても気にする必要はありません。その時は自分と学校との距離をまた修正するだけのことですから。色々なことを試してみましょう。


調子が悪い部分について

 学校にいけなくなった頃や今のあなたには何か調子の悪い部分があるかもしれません。勉強が分からないとこがあった。みんなとうまくコミュニケーションが取れなかった。みんなといるとつらかった。食欲がなかった。眠れなくなった。すごくだるくなった。あげればキリがありません。
 そいういった時には親や先生など、身近な大人に伝えてみましょう。学校に関わることなら先生が力になってくれることもあります。まずは話してみることです。
 調子が悪い部分によっては病院等に行くことを勧められることもあります。病院!と構えてしまうかもしれないので、どんな感じかここで書いておきたいと思います。
 病院に行くとだいたいはお医者さんや心理士さんと会って話すことになります。場合によってはいくつかの心理検査をすることもあるでしょう。質問に答えたり、問題を解いたり、絵を描いたりします。そういったことを経て、お医者さんからあなたの困っていることに対して何らかの対策が出されます。
 少し補足します。まず「あなたが困っていること」と書きましたが、必ずしもそうとは限りません。あなたが気づいていないあなたの困っていることという場合もあります。あなたは困っていないけど、実はあなたの周りが困っているということもあるかもしれません。なので、お医者さんや心理士さんの説明を聞いてすぐ「え?」と思わずに、じっくり説明を聞いてみてください。
 ひょっとしたらこの時、何かの診断のようなものを告げられるかもしれません。ただ、本人に診断を伝えることは少ないように思います。診断以上に大事なのは、あなたがどんな状態でどんな対策があるのかという話の方です。診断はなくてもこのへんのことは話してくれるはずですからよく聞いてください。分からないことがあれば質問しましょう。
 この後、何度か通院を続けたり学校の方で何かの変化があるかもしれません。病院や学校とは別にどこかに通うよう勧められるかもしれません。これらはあなたの困っていることへのこれからの対策です。分からないことがあればぜひ周りの人に聞いてください。あなたは受け身で何かをされる人ではなく、自分をいい方向へ帰るチームの一員なのです。そのチームにはさまざまな大人がいますが、その中心はあなたなのです。

 ここまで色々と書いてきましたが、不登校になって考えた方がいいことはまだまだたくさんあります。そして、それは人それぞれ違います。
 ただ、一つだけ大事なことがあります。
 それは、あなたの不登校の、という言い方はよくないですね。あなたの人生の主役はあなただということです。
 あなたが中心になって、どうしていくかを周囲の人と決めて動いてみてください。


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