不登校変化グラフ

今不登校にあるみなさんへ 不登校の対策論 本人編 1

まず落ち着こう

 もしあなたが学校に行けない(行かない)状態であったり、学校を休みがちでこの文章を読んでいるとしたら、それはとても勇気のあることだと思います。いや、少し言葉が違うかもしれない。とにかくこのページを今読んでいるあなたに何か言葉をかけたくてうずうずしてしまいます。
 そんなあなたにまず伝えたいことは、自分を責める必要はないということです。学校に行きたいのに行けないのか、行きたくないのかといったことや、不登校に何かきっかけがあるのかないのかといったことは関係ありません。重ねて言います。あなたは自分を責める必要はありません。
 なぜ自分を責める必要がないのか。それは社会や学校がどうこうという話ではなくて(それもありますが)、とても単純な理由です。なぜなら、自分を責めてもいいことはないからです。
 ひょっとしたら自分を責めることでがんばっていい方向にいけると思っている人もいるかもしれません。それは否定しません。もし、それで今いい方向にいっているのなら続けていてください。絶対の正解はないのです。基本的にはうまくいってるのならそれがあなたの正解なのです。
 おそらく大半の人はどうしたらいいか分からないという感じで苦しんでいるのではないでしょうか。
 大切なのはまず気持ちが落ち着くことです。自分を責めたり、不安になり過ぎていてはうまくいくものもうまくいきません。なので、まずは少しでも自分を責めないで気持ちをフラット(平坦)にしてみましょう。
 「そんなのムリだよ」と言うかもしれませんが、もう一度直前の文章を見てみてください。私は”少しでも”と書いています。確かに学校に行けない状態で自分を責めたり暗い気持ちにならないなんてことは難しいでしょう。どう前向きになろうとしたってそんな簡単になれるものではありません。むしろ無理に前向きにしようとすると、返って苦しくなってしまうかもしれません。
 だから、まず少しでいいから自分を責めないでいこうと思うことから始めてみてください。そのうち忘れてしまうかもしれないので、時々振り返って「そうだった、自分を責めないんだった」と思い直す習慣をつけてみてください。


何かを変えていこう

 気持ちが少し落ち着いてきたら、いや、むしろ気持ちを落ち着かせるために何か行動を起こしてみることをお勧めします。
 そんなこといわれても学校に行くとかムリだし何もできないよと思うかもしれませんが、大丈夫です。落ち着いて考えてみましょう。何か大きなことをする必要はありません。小さな変化でいいので、何か自分がいいと思う方向へ変えていきましょう。
 大事なことはこの小さなことを無視しないことです。ひょっとしたら小さく変わることも難しいかもしれません。でも、少しでも何か変えられるものがあるはずです。あまり意味がないと思うかもしれません。でも、少しは意味があります。この考え方の変化が大事になります。 
 いや、私は大きなチャレンジがしたいという人もいるでしょう。それはそれで大歓迎です。何をするのも決めるのはあなたです。
 ただ、一つ注意をさせてもらいます。それは失敗した時についてです。大きなチャレンジはいいのですが、失敗した時に大きく傷ついてしまうと次のチャレンジに響いてしまいます。大きさに限らずですが、挑戦する時は成功しないとダメなんだ、成功して普通なんだと考えないでください。失敗するかもしれない。でも自分がショックを受けなければそんなに大きな損失はない。そう考えてみてください。
 大切なのは成功することでなく、挑戦を続けられることにあります。
 それでは具体的に見ていきましょう。


ゲームについて

 ゲームやネットについて、これを単純に減らした方がいいのか、私には良い答えが見つかっていません。
 ゲームが心のエネルギーになる。ネットが世界を広げてくれる。そういった点もあります。外の世界の関わりが乏しかった人にとってはむしろ見逃せない効用といってもいいかもしれません。
 一方でみなさんの保護者はゲームなどをしてることにいい印象を抱かないでしょう。そりゃそうです。不登校じゃなくたって子どもがゲームやパソコンを長時間やってれば親は心配になります。たとえ。自分が子どもの頃にかなりやっていたとしてもです。
 みなさんにとって親となるべく摩擦を少なくすることはとても大事なことです。ゲームをどうするべきか、しっかり考えてみましょう。
 まず、改めてゲームやネットについてじっくり考えてみてください。あなたはこれらをどれくらいの気持ちでやっているでしょうか? 楽しくてやりたくてやっているのか、他にすることがなくて何となくやっているのか。一つ一つのことでこれらを整理してみましょう。もちろん、簡単にどっちかに割り切れないものがほとんどでしょう。楽しさ何割、暇つぶし何割みたいな感じで考えてみましょう。
 次に考えるのは時間です。あなたがどんなに好きで熱意を持っていても、ゲームを一日やり続けていては体に毒です。世界にはコール・オブ・デューティーを何十時間もぶっ続けでプレイして死んだ人もいるそうですから。
 昔のゲーム名人の高橋名人は言っていました。「ゲームは一日一時間」 今のゲーム名人であるプロ格闘ゲーマーのウメハラさんは一日八時間くらい練習をしているそうですが、これはそのゲームの試合で生活しているプロだからです。今のあなたがそれくらいやるのは無理があります。もしあなたが将来プロゲーマーになりたいと真剣にゲームに打ち込んでいたとしても、今のあなたには多少の時間のコントロールが必要になるはずです。
 さて、ではゲームは一日何時間がいいのでしょうか。これについてはっきりした答えはありません。個人個人が答えを出し、やってみて修正を重ねていくことだと思います。
 大事なのは自己コントロールと割合です。
 今のあなたは生活が乱れがちになっていて、時間のコントロールもしづらい状態です。ゲーム時間についてはその点を考慮すべきです。
 ゲームで食べていきたいと思うかもしれません。あなたがプロゲーマーになれる可能性は否定しません。しかし、仮にあなたが既にプロに匹敵する腕前だったとしても、プロと同様のゲーム時間をすることはお勧めできません。
 プロ野球選手を例に考えてみましょう。仮にあなたがプロ野球選手になれる素質があったとしても、時間のほぼ全てを野球にかけることは極めてリスキーです。プロになれなかったら目も当てられません。何事もバランスが必要です。
 ゲームについてはもう一点見逃せない点があります。全てのゲームがではありませんが、長い時間やればやるほど成果が出るゲームがあります。ソーシャルゲームといわれるスマホなどのゲームでは課金することで色々なものが手に入りますが、それは長時間ゲームすることや定期的にゲームすることでも得られます。お金を払うことと長くプレイすることが同じ価値になってしまうので、どうしてももったいないとゲームをする方向に流れがちです。自分がどれくらいゲームをするか決める上では見逃せない点です。
 ゲームをする際には、自分がなぜそのゲームをするのか整理してみましょう。


 
 
ネットやテレビについて

 ネットやテレビはゲームに比べて基本的には見るという受け身なものです(ネットには書くという作業がありますが、これはまた後で書きます)。
 これについては積極的に時間のコントロールをすべきだと思います。何を見るのか(何を見ないのか)を考えて、自分の時間をコントロールしましょう。何もしないでダラダラとそんなに見たいわけでもないテレビを見てる時間はあまり多くない方がいいでしょう。全くというわけにもいかないでしょうが、なるべく減らすべきです。どうしてもしっかり見たいものはそういったダラダラと分けて考えてみましょう。その上で、自分がどれくらいダラダラで見てる時間があるか考え、そこを減らしてみましょう。
 いわゆるネットサーフィンもそういうダラダラの傾向があるものです。ユーチューブなどもそうでしょう。確かに面白いですが、いわゆるついつい見てしまう系のものです。趣味やストレス解消として楽しみたいという気持ちは分かりますが、それに見合った時間設定をするべきでしょう。
 ここでみなさんが知りたいのは”ながら”なら時間は損しないんじゃないの?ということではないでしょうか。テレビを見ながらでも勉強とかできるじゃないかと。
 私はこれは否定しません。あまり効率はよくはありませんが、そういう時間があってもいいでしょう。
 ただ、同時にそのことだけに集中する時間も必要です。テレビを消して、ネットも見ずに作業をする時間もつくってみてください。大人の中にはネットにつながらないパソコンをわざわざ用意して作業をする人がいるくらいです。
 また、テレビやパソコン、スマホなどは光刺激が強く、夜寝る前の時間に行うと寝入りが悪くなったり、睡眠の質が下がることがあるのでその点も注意が必要です。
 ゲームやテレビ、ネット等は自分だけでやる時間を決めれるものではないでしょう。保護者の方としっかり話し合ってみましょう。

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