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柴犬オス2か月

柴犬の生態から学ぶ指圧

動物としての自然

柴犬のオスを飼っています。
ちょうど2歳になりました。

実は、この犬は2代目で、私にとってはじめて飼った犬は、1歳半の可愛い盛りのころ、交通事故で亡くなりました。

あまりにあっけなく、あまりに突然で、茫然とひと夏を過ごしましたが、その空白に耐えきれなくて、同じ血筋の仔をその秋に迎え入れました。

そういう経緯もあって、いのちということをよく考えます。

自分の子育ての頃は、若くて忙しくて、無我夢中でしたから、観察する眼も余裕もまったくありませんでしたが、いのちを育てるという過程をいまは昔よりはゆっくり味わっている感じです。

はじめの犬は庭で飼ってましたが、二代目ははじめから内飼いで、そのせいもあって、一緒にくらしているうちに、動物としての自然というものをいろいろと教えられ、考えさせられています。

だから、私の患者さんはしょっちゅう、「犬と一緒にして申し訳ないんんですけど、動物としての人間もね・・・」という話を私から聴かされることになります。

もちろん、閉口されている方もいらっしゃるでしょうが、皆さんお優しいので、たいていわかりやすいと喜んで聞いて下さいます。

一番よくお話するのは、不眠症のかたに対するお話でしょうか。

鍼灸指圧院には、さまざまなお悩みのかたがいらっしゃいますが、それが主訴でなくても、付随してお悩みになっていることに、眠れない…ということがよくあります。

基本的には、快食快眠快便のかたは、自己治癒力、修復力がしっかり働いているので、健康ということであり、私たちのもとを訪れる必要はありません。

なにかの症状にお悩みのかたは、たいていは熟睡できていないから、自分で修復できず、勝手に治っていくはずのことが、治らなくなっているのだと思います。

もちろん、何年、何十年の単位でこじれてしまっている方もいますが、眠りが整ってくると、あっという間に楽になる方もいらっしゃいます。

私自身の絶不調だった30代もそうでしたが、夜眠れないから、朝起きる時間になっても起きれない、ベッドから身をひきはがすようにして起き、身支度しながら、なんとか仕事に行かずにすむ理由がないだろうかと思いめぐらすような日々でした。

それが、いまではたいてい、枕に頭をのせた途端に意識を失うように眠りにつき、朝、目が覚めると、おふとんを蹴って起き上がり、あ~、今日も朝を迎えられた…という喜びで、朝一番から笑えてくるくらいの元気さです。

…というおはなしをすると、野蛮人をみるかのごとき目でみられます。
感心されるというよりは、あきれられている感じ。
それだけ、現代人の眠りは構造的になかなかうまくいかないものなのだと思います。


柴犬がおちている

しっかりと身体を動かすこと

わたしがよく眠れるようになったのは、からだをよく動かし、頭はしっかりと休めるようになったからです。

昔はベッドにはいってからも、えんえんと将来の不安や心配や、過去への後悔で、ああでもないこうでもないと考え、思い悩み、まんじりともせず朝を迎える…ということがよくありました。

今は仕事もある意味、肉体労働ですし、犬の散歩もあって、毎日しっかりと身体を動かしています。

その大切を犬が教えてくれるのです。

基本的に、うちでは朝晩一回づつ、一回30分から1時間の散歩をするのですが、雨が続いたり、人間が忙しいと、その散歩に行けなくなることがあります。

排泄は庭でするので、問題ないのですが、明らかに運動量が足りないとき、いつもは夜同じ時間に寝て、朝私たちが起きる時間までぐっすりと寝ているはずの犬が、夜中、起きて暴れたり、そもそも寝つきが悪く、うろうろしています。

明らかに氣が鬱滞して、発散ができていないのです。

反対に、ドッグランに連れていったり、ドライブに行ったり、一日しっかり関わって、氣の発散がすんでいると、帰ってきたら、コテン…という感じで寝てしまって、朝まで起こしても起きません。

人間も動物ですから、基本原理は同じだと思います。

一日に使うべきエネルギーを費消しつくすこと。

もっといえば、過去を振り返らず、未来を思い病まず、今を生きること。

切に生ききることができれば、コトンと寝て、スイッチを切り、スクッと起きてまた新しい生を生きる…というサイクルの中に身を置けるようになるのではないでしょうか。

不眠という症状がでてくるときは、まず、目や脳の過労、思い、煩い、悩み、考え過ぎがが原因となります。

今は、睡眠導入剤などを服用することに抵抗のない方も多いようですが、まず、私はご自分自身の自然を取り戻す方法を考えて欲しいと願います。

指圧でいうと、自律神経の通り道である首を緩めることを第一義にすることも多いですが、それよりなにより、下肢、とくにふくらはぎを温め、ゆるめます。

足底の緊張を伴っていることも多いので、掌圧で足底をゆるめ、アキレス腱を温めます。

「ここでだと眠れるのに、家に帰ると眠れない!!」と怒る方もいらっしゃるのですが、大丈夫、きっとご自分で再現できるようになります。

おしゃべりでも、推し活でもいい、ご自分のエネルギーが燃焼して発散できることを、思い切りしてください。

いのちを燃やす。

いのちを生ききる。

本犬は、なにも考えずに寝ているだけだけれど、わたしにとても豊かな知恵を教えてくれます。

最後まで読んでくださって有難うございます。読んでくださる方がいらっしゃる方がいることが大変励みになります。また時々読みに来ていただけて、なにかのお役に立てることを見つけて頂けたら、これ以上の喜びはありません。