2023 プロ野球パ・リーグ順位予想
こんにちは。今回は各球団の戦力分析を基軸に順位予想を行ってみたいと思います。
●順位予想
●戦力分析の基準
①スターター 質/層
②リリーフ 質/層
③捕手 質/層
④内野手 質/層 (二遊間重視)
⑤外野手 質/層
⑥打線
⑦監督
以上の各ポジションごとに比較分析を行っていきたいと思います。
また、個人的にスターター、リリーフ、打線にコア(核)プレイヤーが『3人以上』いるチームほど安定すると考えているので、コアプレイヤーの質/量に着目したいと思います。いわゆる先発に3人2桁勝てる投手がいれば優勝できるってアレですね。
●戦力分析
【1位】福岡ソフトバンクホークス
①【スターター】質:5位 層:4位 (総合5位)
千賀の穴埋めとして先発転向した藤井に期待が掛かる陣容。その藤井含めたコアスターターの質は悪くはないものの、オリックスや西武に比べるとスケールダウンするのは否めない。先発転向した藤井はリリーフの時と変わらずオープン戦で高い奪三振率を誇っているものの、シーズン通したらどうなるのか読めない怖さはある。また、新戦力の有原とガンケルは現状戦力になり得ていない。全体的に奪三振率が低めであるため、野手の守備次第で左右されそうな面もある。層も薄めでスターターはSBの明確なウィークポイントであると言える。
②【リリーフ】質:2位 層:3位 (総合2位)
コアリリーバーの質はオリックスより上。8回以降に逆転するのはほぼ無理ゲー。Bチームも上質で比較的層も厚い。この中継ぎ陣が先発陣をどこまでサポートできるのかも鍵になりそう。
③【捕手】質:4位 層:4位 (総合4位)
メイン捕手の甲斐はキャッチング、ストレート偏重なリードに不安はあるものの、スローイング、ブロッキングは優秀。打撃の復調が待たれる。今シーズンはサブとして嶺井が控えており、負担は軽減されるはず。
④【内野手】質:3位 層:2位 二遊間:2位
(総合3位)
昨シーズンはWAR3.5と今宮が大きく野手陣のプラスを稼いでいたことがわかる。SB野手陣の生命線と言っても過言ではないため、今宮のケアはしっかりと行いたい。今宮・牧原の二遊間は守備でも打撃でもアドを取れそう。コーナーは栗原が打撃でプラスを稼いでくれそう。サブに一軍である程度結果を残している三森、W野村、増田ら若手が控えており、層も厚め。
⑤【外野手】質:1位 層:1位 (総合1位)
近藤・柳田という絶対的レギュラーを擁し、周東、正木、柳町、佐藤、上林といったアスリートタイプの外野手が控えている層も厚い。
⑥【打線】2位
コアプレイヤーの質は12球団でもトップクラス。脇を固める打者の質も高く、近藤の加入、栗原の復活でデスパグラシの穴埋めどころかプラスを生み出せるだろう。しかし、打線に左打者が多く左偏重になっている点、近藤・牧原以外の打者の150km以上の速球に対する打率が低いという点はマイナスポイント。
⑦【監督】5位
SBは首脳陣のマネジメントが良くなくとも勝てるほど余裕のある戦力ではないため、監督によって左右される面は少なからずある。藤本監督はインタビュー記事を読む限り、2番近藤の有用性に気づいていなかったり、理想としてスモールベースボールにこだわりすぎている節が見られたりと戦力を適切に運用できるのか不安はある。
【総括】
野手陣は層が厚く、昨シーズン得点数1位の打線も単純な数字上ではパワーアップが期待できる。しかし、左偏重であったり、速球対応が悪いといった不安要素もある。また、千賀というスーパーコアが抜けたスターター陣の不安定さと時折疑問符が付く監督の采配・マネジメントも不安要素。それでも、投打のバランスの良さ、昨シーズン得失点数はオリックスを大きく上回る1位で首位とも僅差だったことを踏まえ、優勝予想。
【2位】東北楽天ゴールデンイーグルス
①【スターター】質:6位 層:6位 (総合6位)
コアだけでなく全体的な質が低く、層も薄い。ただ、フォーム改造に着手したことで田中将大はコマンドと球威が改善しており成績の向上が期待できたり、藤平や荘司といった若手投手の台頭も見られ、決してポジティブな材料がないわけでもない。いずれにせよこの大きなウィークポイントをどれだけカバーできるのかが重要になる。
②【リリーフ】質:4位 層:4位 (総合4位)
昨シーズンは防御率4位だったが、鈴木、宮森、ルーキーの小孫、伊藤ら高出力で奪三振率が高い若手投手が台頭しているポジションで、伸び代がある。オリックス西武SBに比べて安定感は無いが、若手次第では上位3球団のリリーフを下手したら上回る可能性もある。先日の開幕戦では田中将大を6回のピンチの場面で早々に降ろしたように、今シーズンは工藤ホークス式で早めの継投をすると予想される。スターター以上にリリーフの働きが重要になるかもしれない。
③【捕手】質:2位 層:1位 (総合2位)
打撃が強みの安田、攻守のバランスに優れた太田、経験が豊富な炭谷と一軍主力級の捕手が3人揃ってるのは大きい。
④【内野手】質:2位 層:1位 二遊間:3位 (総合2位)
山崎/小深田/茂木&浅村の二遊間はディフェンスは脆いがオフェンスは優秀。また、コーナーにはフランコとギッテンスの右の長距離打者コンビがおり、阿部・鈴木大・銀次ら実績あるベテランや伊藤裕・黒川・渡邉といった結果を残している若手が控えており、層はかなり厚い。
⑤【外野手】質:2位 層:2位 (総合2位)
トップバッターとして覚醒した辰己、昨シーズンの最多安打のタイトルホルダーである島内を始め、西川や岡島といった実績ある選手が二軍に控えており、武藤や小郷といった若手の台頭もあり、層はそこそこ厚い。
⑥【打線】1位
昨シーズンは外国人の稼働率が低かった中でもリーグ2位の得点数。今年は稼働率が高くオープン戦でも結果を残したフランコや阿部寿樹ら右の強打者が加わる。更に、スタッツ的にギッテンスも万全な状態であれば結果を残す可能性が高い。開幕戦で加藤を攻略したように、右の打てる打者の頭数が増えており、苦手な左腕克服に期待できる。SB打線と大きな差は無いが、左右のバランスや速球対応の良さを考慮して楽天打線が上だと判断した。
⑦【監督】3位
昨シーズンは選手起用に固さがありマネジメント能力の低さを露呈。しかし、今シーズンは高津方式の先発ローテーション運用を示唆、実績ある鈴木や西川を二軍待機させ、状態の良い若手を優先して起用したりと選手起用や打順の組み方に柔軟性が見られる。今年は『打ち勝つ野球』を掲げていることからも戦力分析が冷静にできていることが読み取れ、今シーズンは采配やマネジメントに期待ができる。
【総括】
高津ヤクルトや山賊打線時代の西武のように野手陣が強いチームは上位に浮上しているケースが多いことから、2位予想。対抗馬であるオリックスとの相性の良さも考慮した。投手陣の出来次第で順位が大きく変わるだろう。
【3位】オリックス・バファローズ
①【スターター】質:2位 層:1位 (総合1位)
他チームのコアスターター2人分に相当する貢献値を残せる『球界最強のエース』山本と宮城、田嶋の両サウスポーを軸に盤石な布陣。また、開幕投手を任された山下舜平大も3人のコアスターターに劣らない好成績を残す可能性がある。サブに東、黒木、ニックスといった谷間として計算出来る投手も控えており、層は厚いと言える。
②【リリーフ】質:1位 層:1位 (総合1位)
侍JAPANにも招集された宇田川・山崎の本格派右腕コンビに守護神の平野が揃ったAチームのクオリティは球界トップクラス。Bチームも阿部やワゲスパックといったAチーム並の高出力投手が揃っており、質は良い。二軍にも高出力でマネーピッチを持っている投手が複数名おり、リリーフ層は厚いと考えられる。
③【捕手】質:1位 層:3位 (総合1位)
森友哉が加入したことで対西武戦において好相性になる可能性がありそうだ。森・若月の両輪は強力だが、打撃面では昨年の森以上の貢献値を残している伏見の移籍で森の加入が大きなプラスになるかは未知数。少なくとも吉田正尚の穴は森だけでは埋めれないだろう。また、森・若月以外の捕手の名前が挙がらないという層の薄さも不安要素。
④【内野手】質:4位 層:4位 二遊間:4位(総合4位)
全体的にパワーレス。まず二遊間は紅林が不調で開幕二軍、太田も伸び悩んでいる。安達の健康面を考慮すると、野口と西野で回していくのがベースになるだろうか。コーナーは3Bに宗を固定するとして1Bは外国人や頓宮を併用する形になると思われるが、外国人はオープン戦の段階から成績振るわず。ここで頓宮が覚醒するとパワーレス問題は解決されそう。とはいえ、宗以外の選手が計算できないのは懸念。
⑤【外野手】質:3位 層:4位 (総合3位)
杉本・福田・中川と外野は内野に比べて計算できるレギュラーがいる。また、来田、元、池田、杉澤ら若手有望株も多いポジションで層はそこそこ厚い。野手はここで攻撃のプラスを稼ぎたいところ。ただ、守備力という面では不安も。
⑥【打線】3位
吉田正尚の穴は現状埋めきれていないように見える。それでもコアプレイヤーはある程度計算出来る。森友哉や杉本の完全復活、若手の台頭によっては化ける可能性がありそう。1~5番の上位打線はしっかり得点を取れる形が成っており、2連覇した勝負強さや速球への強さがある打線なので相対的に見てリーグでも強い方なのではないだろうか。
⑦【監督】1位
腹を括った大胆な采配、柔軟性のある選手起用、選手からの信頼度の高さ、2連覇してるだけあってオリックスの戦力を存分に活かせていると思う。
【総括】
攻撃力と守備力の低さ、全体的な野手層の厚みに不安はあるが、投手陣にクオリティと物量があることから、安定した強さを発揮できると考えられる。少なくともAクラスは固いのではないだろうか。しかし、オリックス打線を牽引してきた吉田正尚の打力、勝負強さ、チームの精神的支柱を失った影響は大きいと見て3位予想。
【4位】埼玉西武ライオンズ
①【スターター】質:1位 層:2位 (総合2位)
昨シーズンQS数などで山本由伸に次ぐ好成績を残した高橋に加え、先発転向した平良や今井も山本に追随する成績を残すことが期待できる。松本やエンス、與座といった裏ローテの投手も安定感があり、オリックスに比肩する先発陣であると言える。層の厚みという点ではオリックスに比べてやや薄いが、主力投手の稼働率は高いため問題なさそうだ。
②【リリーフ】質:3位 層:2位 (総合3位)
平良の穴は痛いが、昨シーズンは救援防御率1位と全体的に好成績を残している投手が多い。頭数は十分揃っているし、先発平良がリリーフ平良よりも大きいプラスを生み出す可能性も高いため、平良の先発転向は許容範囲だろう。懸念点としては、奪三振率が低く被ゴロ率が高い投手が大半であるため、全体的に野手の守備に依存しているということ。源田か外崎が長期離脱すると一気に成績悪化する可能性はある。
③【捕手】質:5位 層:5位 (総合5位)
長らく森で蓋をしてきたポジションなだけに、メインで起用されるだろう柘植の経験不足は不安。単純に打撃でアドバンテージも取れなくなった。ただし、キャッチングやスローイングといった面では良化する可能性も。
④【内野手】質:1位 層:3位 二遊間:1位 (総合1位)
強力投手陣+源田&外崎の二遊間によるディフェンスは強固。コーナーの山川、中村により打力も担保されている。滝澤、呉、山村、長谷川、川野と二遊間の層は厚いため、源田の離脱も2ヶ月程度なら何とかなりそう。
⑤【外野手】質:6位 層:6位 (総合6位)
内野に比べて外野は質・層ともに低い。昨年から課題は変わらず、若手の台頭が求められる。一軍である程度結果を残しつつある愛斗、川越に期待が掛かる。
⑥【打線】4位
山川次第。現状は外国人野手も結果を残しておらず厳しい。とは言え、一発のある打者が並んでおり、投手陣のクオリティの高さを考慮すれば怖さは少なからずある。
⑦【監督】4位
新人監督で未知数。今のところ采配やマネジメントで大きな失敗の匂いはしない。
【総括】
強力投手陣、ディフェンス面で充実した内野陣、一発のある打線。優勝できる要素はあるように思える。オリックスとどっちを3位予想にするかかなり悩んだ。ただ、投手陣の総合的なクオリティの高さ、打線の安定感はオリックスが上だと判断、また、直近で2連覇している勝負強さや経験がある点も考慮してオリックスを3位予想した。
【5位】北海道日本ハムファイターズ
①【スターター】質:3位 層:5位 (総合3位)
加藤と伊藤の二本柱が安定感抜群。上沢、ポンセ、根本、金村ら計算の立つ投手がローテーションに揃っている。ただし、全体として層が厚いとは考えにくい。
②【リリーフ】質:6位 層:6位 (総合6位)
実績的にも能力的にもコアリリーフが不安定と言える。ただし、若手投手の台頭も少なからずあり、昨年よりは成績の良化が期待できる。層が厚くないだけに、首脳陣の投手管理は鍵となってくる。
③【捕手】質:3位 層:2位 (総合3位)
オリックスから打力、守備力ともに優秀な伏見が加入したのは大きい。清水、宇佐見もある程度実績を残しており、サブとしては十分。
④【内野手】質:5位 層:5位 二遊間:5位
(総合5位)
粗さはあるが、上川畑と石井の二遊間は攻守でそこそこ計算できそう。ベテランで守備技術が高い中島や二軍で結果を残している阪口や水野、新加入の山田らも控える。打撃は清宮に覚醒の兆しがあり、野村とプラスを作ってくれそうだ。ただし、頼みの野村はスペりがちで今年も離脱されるようだと厳しい。
⑤【外野手】質:5位 層:3位 (総合4位)
昨シーズン首位打者の松本剛を中心に、アルカンタラ、今川、淺間、万波、江越、五十幡、矢澤とタレントは何枚も揃っている。
⑥【打線】5位
近藤が抜けたことで単純な打力以上に安定感に欠けると言える。それでも昨シーズン首位打者の松本、覚醒しつつある清宮、野村がおりコアの質は悪くない。本拠地が本塁打数トップで長打力のある日ハム打線に有利なのも味方して得点力はけっこう高いかもしれない。
⑦【監督】6位
傍から見ていて新庄監督は『火薬庫』という印象。いつ采配が暴走するかわからない危なかっしい面がある。事実、オープン戦では一時期ポジションで打順を決めると言う昭和の価値観で打順を組んだりしていた。とは言え、昨シーズンに比べてインタビューなどではまともなことを言っているようではある。
【総括】
世代交代中で十分な戦力は無く、安定感に欠けるチームと思われる。それでも時の運や勢い次第ではAクラス入りするポテンシャルも十分にある。
【6位】千葉ロッテマリーンズ
①【スターター】質:4位 層:3位 (総合4位)
佐々木朗希というスーパーエースを擁するも石川、美馬らベテランの稼働率が高い状況で、若手の突き上げが欲しい。ただ、トミージョンから昨シーズン復活した種市や打線による援護が極端に無く下振れしていた小島らの成績が良化する可能性はある。いずれにせよ佐々木朗希がチームの命運を握っていると言っても過言ではない。
②【リリーフ】質:5位 層:5位 (総合5位)
澤村が復帰も益田の成績が年々劣化傾向にあり、絶対的守護神として君臨したオスナも移籍し守護神不在、コアの質は低いと言わざるおえない。それでも監督が球界トップクラスの投手管理術を持っている吉井監督であるのは救い。レバレッジ方式の採用を明言しており、吉井監督の投手管理である程度は計算が立ちそうだ。
③【捕手】質:6位 層:6位 (総合6位)
昨シーズン前に里崎氏も言っていたが、高卒1年目の松川が易々とスタメンマスクを勝ち取れる時点で層は相当薄い。また、松川も守備技術は一軍で見れるレベルにあるがやはり本来なら二軍で経験を積ませたい選手。
④【内野手】質:6位 層:6位 二遊間:6位 (総合6位)
二遊間はディフェンス面で中村頼りで中村の負担が大きく、打撃にも響いていると考えられる。課題の"守れる遊撃手"は今年も不在でレギュラーは確立できていない。覚醒が待たれる安田もパワーレス感は否めず、打撃でプラスを稼げるかどうか。層も薄くなかなか厳しい。
⑤【外野手】質:4位 層:5位 (総合5位)
山口に覚醒の兆し。1番荻野、4番山口と要所を抑えてる打者の質は高い。藤原、高部の飛躍次第では外野陣のクオリティはかなり上質になる。だが、全体として層は薄い。
⑥【打線】6位
全体的に荻野、山口以外に得点源が無いのが厳しい。安田、藤原辺りが覚醒すると話は変わってくるのだが…。
⑦【監督】2位
もともと投手陣のマネジメント能力の高さには定評があり、レバレッジ方式によるリリーフ運用やデータに基づく打順の効率化など選手起用や采配で優秀な結果を残しそう。
【総括】
各ポジションで層が薄く、コアの質と量が低いので戦力的には厳しいと判断し、最下位予想。監督は有能そうだが、どれだけマネジメントが優れてても難しそう。
●戦力比較
【まとめ】
今シーズンはソ楽オ西¦ロ日の4強2弱の様相になると予想します。
以上、戦力分析と順位予想でした。ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
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