単色無地の世界
今回はファッション、服飾に関する話題である。
2024年6月にこの記事を書いている。私が住む仙台では最高気温が25度以上となる夏日が増え、街なかでは薄着で歩く人が目立つ。街をゆく人の服装を見ると老若男女を問わず、トップスで1色、ボトムスで1色でそのどちらも無地の服装が目立つ。真っ白で柄が何も入っていない厚手のTシャツのみをトップスに着ている人も多い。GUやユニクロでよく見かける、単色無地で安価で、何度も洗濯しても耐える頑丈な衣料品だ。
仙台は政令指定都市で市内中心部のアーケードは曜日を問わず多くの人々でにぎわうのだが、眺めていると過半数が前述のような単色無地の世界の住人たちだ。白のTシャツにデニムパンツ、ベージュのアウターに白のスカート、上下とも黒か紺の背広、ほとんどの住人がトップスとボトムスの色の組み合わせが奇抜にならないようにのみ配慮していて、無難で目立たない色を選んでいるように見える。
とまあ文学作品みたいな前置きを並べたけど、要は日本人って服で遊ばないよねって話である。
かくいう私が最近買った衣料品がこちら。
そして私の夏用の帽子を並べたのがこちら。
「夏用の帽子」という通り、上記の写真は私が持っている帽子のうち主に夏にかぶるもののみである。この他にもキャップやバケットハット、ニット帽も写真に写っていないところに転がっている。
また私は自宅から自転車で移動することが多いのだが、乗車時に使っているヘルメットをまとめた動画がこちら。
最近の私は街なかの量販店で衣料品を買うことはほとんどなく、主にAliExpressやTEMUで気に入った商品を注文している。AliExpressで買った商品は下記のブログに詳しく載せているので、併せて参照いただきたい。
AliExpressやTEMUで衣料品を買っているのは
・量販店で見かけないような奇抜なデザインの衣料品を扱っているから。ここで詳細を説明するより、実際にAliExpressやTEMUを見てもらった方がわかりやすいと思う。
・中国からの送料を除いた商品単価は量販店で買うより安いから。シャツも帽子も1個300~1,000円程度で買える。
AliExpressやTEMUについては日本ではネガティブな噂も時折見かける。注文した商品が送られなかったり別の商品が送られてきたり、個人情報やクレジットカードを中国に悪用されたり、という噂だ。実際のところAliExpressでは注文した商品と異なるものが届いて業者と紛争になったこともある。そういったリスクへの対策としては高額商品には手を出さず、紛争になって泣き寝入りすることになっても被害が少ない金額で買い物する、そんなところだろう。
それで、今回の記事はAliExpressやTEMUの宣伝をしたいわけではなくて、私が言いたいのは日本の服飾メーカーが無難で地味な、日本国民を単色無地の世界に誘導するような商品ばかり量販店に並べているのではないか、という危惧と嘆きである。日本人は総じて公共の場で個性を出したがらない傾向で、日本の教育システムも児童や生徒の個性をつぶして集団の枠に押し込めてはみ出さない人間を量産することに注力している感はあるが、服飾メーカーもその流れに加担しているのではないか、と思うのである。
一方でAliExpressやTEMUを眺めていると、日本の服飾メーカーにはない勢いを感じる。中にはアニメやゲームのキャラクターを無断転用していると思われる著作権的に大丈夫なのかと言いたくなるものもあるが、全体的に独自性を出してとにかく目立つ服を売るのだ、という強い意志があるように思える。
日本は不景気だの失われた30年だの物価高騰だの、経済に関して悲観的な言葉が並んでいる。貧しくなった日本国民は「周囲から注目されず、より安価で、より丈夫な服」を求めているのだろうと思う。その点で消費者と服飾メーカーは足並みが揃っており、日本の服飾、ファッションはゆっくりと衰退していくのだろう、と悲観的に将来を予想するのである。
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