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悲しみのナンパ師たち

全わたし統計からいうと、渋谷のナンパ師たちは、1日に5万人の女性に声をかけている。そして5万人に断られている。
うまくいってるところは見たことがない。ナンパ師にとっては悲しい事実(わたし統計)だが、女性たちがさらりとナンパをかわす姿は大変頼もしい。

ナンパ師たちのあの打たれ強さは、ほんとうに立派だと思う。ぜひナンパ以外にその気概を発揮してほしいものである。

私は、一人でウィンドウショッピングのためにフラフラ歩いていると、しょっちゅう声をかけられる。それもそのはず、ナンパ師たちは5万人に声をかけている。人を選んでいる暇がないのである。
そう思う一方、あんまり声をかけられるので、自分が安っぽくすぐついていっちゃうような女性に見えているのでは?と少し残念な気持ちにもなる。いやでも、普段からナンパ師以外にもよく声をかけられる。
あんまり気にしないでおこう。

ナンパ師は迷惑なことも多いが、彼らの戦術にはパターンがあることが最近わかってきて、彼らのトークもへんてこりんでなんだか面白いような気がしてきた。
そこで、彼らのヘンテコトーク(誘い文句)をどなたかに共有したいと思い立ち、実際に受けたヘンテコトークをまとめてみた。少し多くなったし、思ったよりもヘンテコなまとめになった。

ちなみに、この話にはオチも教訓もないので注意してほしい。

①ウヴアピールをしてくるナンパ師たち

「すみません、今すごく勇気を出して声かけたんですけど…、僕自身こんなこと初めてでびっくりしてて…つい、タイプだったので…怪しいですよね?!でも、あの、もしよかったら連絡先教えてもらえませんか?僕はこういうものです。(学生証提示)」

「あの!すいません!ごめんなさい急に声かけて。すごく素敵だなと思ってしまって、とっさに声かけちゃいました。あ!こういうことしょっちゅうしているわけじゃないですよ?!ほんと、こんなこと言うの初めてなんですけど、もしよかったら一緒に恋バナしませんか」

初めてこのパターンで声をかけられたときは、え?!この私が一目惚れさせてしまった?!と思ったが、その後も何度かこういったパターンにでくわしてナンパの一種のテクニックなのだとやっと気がついた。
冷静になれば、通りすがりの女性に突然話しかけるなんて、やるぞ!と心算がないとできるわけがない。
そして急に出会った人と恋バナはしない。
このパターンを実践されているのは、大学生ぐらいの男の子に多い印象です。

②よく喋るナンパ師たち

「お姉さん、こんにちは。急に話しかけてごめんね。怪しいよね。お姉さんと話してみたいなと思って話しかけちゃったんだ。僕見ての通り、自己肯定感高めのタイプなんだけど、お姉さんのこと絶対にネガティブな気持ちにさせたりしないから。まだ怪しいと思ってるかもしれないけど、ほんとに今度お茶してみたいだけ。話してみるチャンスがほしいから、LINE交換しない?LINEってブロックすればもう僕から話しかけられないし、消しちゃえば知り合う前同然になるから。ほんとにチャンスだけもらいたいの。」

見ての通り自己肯定感高めっていうのが全然良くわからないが、でもこれからもそのまま、ぜひナンパ以外で頑張ってほしいなと思った。

「こんにちは!お姉さん。えー、何食べたらそんなに綺麗になるんですか?俺なんか顔へちゃむくれなんで羨ましいですよ。母親にへちゃむくれって言われるんです。あ、今『ほんとにへちゃむくれだ』って思ったでしょ?傷つくなー、あなた僕の母親そっくりですよ。いや冗談です。
その洋服素敵ですね、自分で作ったんですか?実は僕のこのジャケットは自分で作ったんすよ。や、嘘だよ。間に受けないでよ。
僕これから友だちと会うんだけど、そいつすごく大きな身体したやつで、マツコデラックスって知ってる?あんな感じ。まあ、マツコって呼んでるんだけど、どこにいるか探しててさー。なんかそんな大きな男の人転がってるの見なかった?見ればすぐわかると思うんだけど。
ねえお姉さん3分だけお茶しない?いや30分だけ。俺のことへんなスカウトだと思ってない?違うのよ、ちゃんとIT企業の社長してんの(名刺提示)シンプルにお茶したいだけ。え、3時間だけ、だめ?ねえねえお願い」

なんといっても、シンプルに冗談がおもしろくなくて泣きたくなる。どうでもいい冗談ばかり言われてあんまり面白くなかったので、絶対に誰かにあとで報告したいと思って、何を話されたのかしっかりとおぼえていた。そしてここに克明に記録することができたわけだが、私だって、記憶力をもっと別のところで発揮したい。

IT社長はこちらが無視しているのについてくるのをやめなくて困ったので、仕方なく電車に乗る羽目になった。

こういった言葉を尽くして誘ってくる人は割と40〜50代ぐらいの男性に多い印象。

③場所が悪いナンパ師たち

「ちょっと止まって、おねえさん!」@交差点の真ん中 

目の前で仁王立ちされたが、待たない。

「こんにちは!なんだか晴れやかな表情で歩いてるね、お買い物したの?へー、友だちの誕生日プレゼントなんだ!それでそんな表情浮かべられるなんてめっちゃいい人だね!そんないい人はこんな通り歩いてちゃだめだよ!」@渋谷センター街

なぜか私が注意された。

④日本語が流暢な海外からきたナンパ師

「わたしいま、ナンパしています。あなたはとても綺麗です。彼氏はいますか?」

わたしいま、ナンパしていますって、誰にそんな日本語習ったのか?イタリアの人かなーと、見た目からなんとなく想像した。

「こんばんは、脅かしてごめんね。綺麗だから声かけちゃった、スタイルよくない?」

日本語は上手だが、ナンパ師に日本語を習っちゃったのか?ナイジェリアの方とのことだった。私のスタイルは普通だし、お茶はしない。

海外の方に話しかけられるとその語学力が気になってしまう。勉強熱心で立派だ。お茶はしない。


以上、パターンのネタが尽きたのでもうこのぐらいにしておこうと思う。

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