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【演劇系大学紹介】現役大学生に聞いた桜美林大学!(後編)

演劇ソムリエのいとうゆうかです。

進路で悩める高校生の方へ。
演劇を学べる大学を経験した方々にお話を聞くシリーズの第1回の後編です。(前編はこちら

この記事は、私がYouTubeに投稿したインタビュー動画の書き起こしです。

宜しければこちらも併せてご覧ください。


進路を選び直すとしたら?

いとう:大学の色々を知った状態で、(高校生に)戻るとしたら、(進路は)どうする?
若尾:いや、わかんないですよ、ほんと究極、行かないかもしれないですよ。
いとう:そうそう、それも選択肢としては全然あり。
若尾:もう3年なので大学でこうしたいみたいなのもあんまりないので。だから、今の状態で高校生に戻るとしたら、行かなくてもいいかなって。
いとう:そうなんだ。
若尾:例えばもっと芸能に近いことを早めにやっておく。そっちの準備をもっとやっておくとかは、んー、まあ考えますけど。でも、おそらく同じ所に行くと思います。(大学に)行くならば桜美林で、もうちょっと大学の中の公演とかにいっぱい出て、大学の中でもっと色々やるかなって。
いとう:前から話してた時に、大学はそんなに行かなくてもいいかなみたいな話は聞いてたから、大学行かないっていう選択をするかもっていうのは正直想定内だったの。で、選ぶとしたらやっぱり桜美林っていうのは意外だった。
若尾:自由って言うか、楽なんで。行って、とりあえずいるだけいて、好きなことやろうかなって感じ。他の芸術系だともうちょっと厳しいんじゃないかなっていうイメージ。日芸行ってる人の話とか聞くと、結構厳しくて、課題とかレッスンがいっぱいあってっていうイメージなのでちょっとそういうのはいいかなって。もっと演劇じゃないところの経験をするためにとりあえず(大学に)いて、芸術学部に入らないかもしれない。桜美林の別の学科は行って、別の授業受けてっていうのはあるかもしれない。

大学生といえば、バイトの話。

いとう:ここまで大学の中身を聞いてきたんだけど、大学生になってからのプライベートも含め、学外の話も聞いていきたいと思います。まず、大学生になってバイトをし始める人が多いと思うんだけど、バイトはどんなことやってるの?
若尾:今は、母校の演劇部の外部コーチみたいなことをしてます。どう言ったらいいのかな、先生でもないし、非常勤の人でもないし、日にちも決められてないんですよ。いつ来てくださいっていうのもなくて、行ける日に行くっていう軽い感じのコーチはやってます。
いとう:それはボランティアじゃなくてバイト?
若尾:そうです。学校から「あなたを認めますよ」みたいな書類が来て、それを書いて、学校に出して。だから一応学校から言われてやってるっていう。
いとう:これは出せるのか分からないけど、対価はどれくらいもらえるの?時給制なの?
若尾:一応、30時間行ってくださいみたいな。30時間で7万ちょっとくらいかな。時給で言うと2000円ちょっとくらいなのかな。もうその30時間を消化しちゃったので、先生が学校に申請してもうちょっと時間を増やせたら増やして、また決められた時間行けばその分もらえるっていう感じ。
いとう:そういう制度があるのね~。結構珍しいよね。
若尾:いわゆるバイトとは違うかもしれないです。先生や他のもっと大人のコーチみたいな人がいなければ、顧問の先生と同じレベルで生徒を管理しなければいけないっていうのはあるんですよ。
いとう:そういう責任は伴ってくるのね。じゃあ、いわゆる普通のバイトは?
若尾:普通のバイトは、今はセブンのバイトしてて。早朝です
いとう:早朝の方がやっぱりお給料いいの?
若尾:どうだろう、夜勤よりかはそんな高くないですけど。3時間だけなんですけどね。朝だったら予定が組めるかなって。
いとう:そうだよね。授業とか稽古も被らないし。
若尾:大体夕方から夜にかけて謎に演劇系は動くじゃないですか
いとう:言われてみればそうだわ。
若尾:そうなってくると、授業終わった後に(バイトを)入れるとスケジュールを調整しないといけないから。朝だと、前の日が遅くない限り行けるので、割と安定して行けるかなって。
いとう:確かに朝稽古とかない!
若尾:でも今やってる現場は日曜とかは10時から3時くらいまでやって終わりです。そういうのは意外とありがたいっていうか、その後も(予定を)入れやすいっていうのはある。
いとう:なるほどね、そういう演劇の風潮みたいなのも関係あるかもね。
若尾:そうです。だから深夜入るか朝入るかしかない。
いとう:まあそうだね。大学卒業してからフリーターとしてやってる人もそういうの大変かもね。
若尾:舞台始まると夜は10時くらいまでは絶対拘束されて、それが1か月くらい続くとやっぱり夕方だと(バイトを)休み過ぎて良くないから、深夜入るか朝かなってなる。そういうのを見越して、朝を選んだっていう。

その他、学外の活動

いとう:バイト以外で自分がやってるちょっと変わったことってある?
若尾:福島のふたば未来学園高校っていうのがあって。国が建てた学校で、いろんな環境の子たちが集まった学校で。そこに演劇の授業があるんですって。そのワークショップのファシリテーターの一員として行って、演劇をするっていうのは仕事でやってます。
いとう:すごいよね。そんなに若いのに。演劇の人って色んな人がいる訳じゃん。その中で颯太くんが行く人になるって結構すごいよね。
若尾:原点が高校なんですよね。高校の先生がアクティブな人で、他との交流とか大人との交流とかが好きな人で、結構そういうのがあったんですよ。で、その高校の時に来てくれてた外部指導員の人がそういうのをやってて。今母校のコーチも一緒にやってるので、そういう流れで経験も踏まえてやってみませんかって言われて行ってます。
いとう:じゃあ繋がってるんだね。高校の時から。
若尾:だんだんと年齢も上がってきて任されてやることができてきたっていう感じ。
いとう:年齢重ねることに私はネガティブなイメージを持っちゃうんだけど、その年その年でやれること増やしていけて素晴らしいと思う。
若尾:この3年で1年1年やってることが全然違うっていうのは自分でも驚きですね。自分で予想してなかったことが起こっているので面白いですね。
いとう:それって自分が種蒔いて育ててきた結果だと思うし、本当に努力の人だなって思う。
若尾:ありがとうございます!

交友関係について

いとう:交友関係はどう?
若尾:同期にそんなに友達がいないんですよ。1年の時に謎に尖って。自己紹介するじゃないですか。色んな状況の人がいて、今までどれくらいやってきたかみたいなことをいちいち喋んなきゃいけない訳ですよ。「私これくらいやってました」みたいなことを言われると、今いる自分がこれくらいかって思うと、とりあえずこのクラスで1番を取ろうと思って。何かで1番を取りたくて、だから仲良くしてる暇なんかねえなって。1年生の頃はほんとバチバチで、こういう感じでした。

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いとう:(笑)
若尾:同期に対してはこういう感じで挑んでて、授業とか。だからあんまり大学の中で活動してなかったんですよ。大学の中だと、先輩とばっかり遊んでました。今も割と先輩たちと遊ぶ方が多いかな。
いとう:可愛がられる後輩ではあると思う。
若尾:1年生の時に考えて、どっちが有益なんだろうと思って。今同い年の友達と一緒にいても今後何か有益になるかと言われたらそんなでもないなと。大人とか年上の人の方が何かに呼ばれるとか、ついて行くとかいう方が今後に繋がるんじゃないかっていう意味も込めてそういう状況に行くっていう方が多かったです。
いとう:結構戦略的にやってたのね。
若尾:ちゃんと考えました。で、2年になって初めていっぱい同期がいる企画みたいなのやったんですけど、ほぼ知らなくて全然喋れないって言うのはありましたけど。遊ぶのは大学の人ですけどね。
いとう:遊ぶのと自分を高めるためのっていうのは分けて考えてたんだ。そういうのは見習いたいかも。私もそんなに交友関係が広くないから、時には戦略的に「どうやって自分の人脈作っていこう」とかって考えるのも生きる上で大事かもね。

恋愛について

いとう:これはどこまで踏み込めるか分からないけど、恋愛とかってどう?
若尾:いやだから~~全然してないですよ
いとう:お、ほんとに?
若尾:ほんとに。彼女もいないですし。大学入ってから…まああるじゃないですか、めんどくさいやつは。そういうやつはありましたけど!そうですね、あんまりしてない。っていうことにしましょう。それでいきましょ。
いとう:大学生そんなのありがちよね。

将来について

いとう:大学生活はあと1年半くらいだけど、どういう展望?
若尾:うーん、残ってる単位もそんなにないので(全部)取ったらこのままやっていくつもりです。4年になったらそういう仕事の方に時間を取れるかな。形式上どこかで働くっていうのは親とかに提示した方がいいのかなと。(俳優業が)ダメっては言われてないんですけど、大々的にいいよとは言われてないんで。
いとう:まあ心配はするよね。
若尾;だからまあ1個(就職先が)あれば安心かなって。
いとう:芸能方面に所属するってこと?
若尾:それとは別で会社とか。
いとう:私も演劇学専攻だから、周りに演出家とか俳優になりたい人とかはいた。私の回りは結構いわゆる普通の就活をした人が多かったけど、そういう(演劇を生業としたい)人たちはそういう人たちでやり方があるじゃない?だから親を安心させるっていうのは大事なのかなって思う。
若尾:昔の考え方で、役者はバイトしながら芽が出るまで頑張るっていうのがあると思いますけど、今はもう知り合いとか大人の人に聞くと、俳優活動も支援してくれる会社があるらしくて。たとえば、起業したい人はどこかで資金を集めなきゃいけないから、会社に入って、(企業の)準備ができたらそっちをメインにやれるみたいなのがあるらしくて。
いとう:ほんとにね。私は今はパラレルキャリア当たり前だと思う。
若尾:だからそういう所に入れれば1番いいかなって。社会的にもちゃんと経験が出来るし、自分がやりたいことも続けられるし。お金の問題とかで続けたくても続けられない状況だったらどうしようもないので。それを探してるって感じですね。
いとう:すごく考えてるのね。今後が楽しみ。このコロナ禍の状況でもやれることを見つけてやってるなっていうのは今日の話を聞いて分かったから。

高校生へのメッセージ

若尾:僕はそもそも別に大学に行かなくてもいいと思ってて。よくいるじゃないですか。「なんで大学行ったの?って言われて「あの…」って答えられない人。それは行かなくていいと思ってて。周りが行ってるから行くのが普通だと思われてる状況に呑まれないで。行きたくないっていうか行く目的がなければ行かなくていいと思います。無理して行って「何してんだろう」ってなって遊ぶだけ遊んで人並みに就活して大学生活を終えて、だと(良くない)。授業料を自分で払うならいいですよ。払ってもらってそれをするならおすすめしないかな。
いとう:何か学び取るものがないと。
若尾:1個でもいいと思うんですよ。1個でも刺されば、それをやりたいと思えばそれでいいと思うんです。でもとりあえず行こうっていうのは止めた方がいい。目的がないと勉強にも熱が入らないし。あと、この状況だから大学も行けてないんですよ、みんな。だから余計に目的がなかったら行かなくていいと思うんですよ。休学しようかなっていう子もいるので。そこはちゃんと考えた方がいいかな。でも結局、自分が思ってたよりも色んなことが起こるんで、いいことも悪いことも。自分が思い描いてなかったことが来るのでそれはそれで楽しいなって。行かなくていいって言いましたけど、行けば色んなスキルが身に着くのかなって思います。
いとう:思ってなかった方向に花開いたりもするから、行ったら行ったで道は開けるぞと。
若尾:例えば自分が今まで興味持ってなかったことに関心が向いて、そのことを 勉強し始めたりとか。そしたらそれは(大学に)行った意味にはなると思う。こんな感じでいいんすかね。
いとう:全然いい!高校生にって言ったけど大学卒業した私にも「そうだよな」って思わされることが何個もあった。
若尾:ファイト!みたいなのじゃなくていいんすか。頑張れ!みたいな。大学生活は華があってみたいな。
いとう:でもね、そういうプロモーションではそういうのあるじゃない。
若尾:そうそう。そういうのは大学のHP見れば言ってますからね。死ぬほど。
いとう:そう。だから、私がここでお伝えしたいのは、本当の所っていうか。大学生とか大学を卒業した人が大学生活を経てこう思ってますよってこと。だから、(颯太くんの話は)ほんとにありがたいし、私も勉強になりました。颯太くん、今日はありがとうございました!


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https://twitter.com/choco_galU
【演劇ソムリエのYouTubeチャンネル】https://www.youtube.com/channel/UC8gPO2nquR3EwSMqK62WE8w



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