見出し画像

YouCam コラム:「美容業界の未来を切り開くデジタルソリューション」vol.1

昨今AR(拡張現実)やAI(人工知能)等の導入が急速に促進され、色々な場面でテクノロジーが活用されたサービスを目にする機会が増えました。弊社のサービスも店頭での従来のフィジカルなサービスと融合させることで、消費者に寄り添い、かつ画期的な購買体験の提供を実現し、実際に顧客転換率や満足度の向上へ貢献しております。これまで蓄積されてきた興味深いデータやクライアントの事例など、個人的な見解や推察も含めて、随時皆様にシェアしていきたいと思います。

Vol. 1 「活用データから見る日本のリテール」
カラーメイクの分野では、店頭での展示サンプルを使わずとも、設置したデバイス上で自分の顔で、何十色もの色味をいとも簡単にワンタップで試すことのできる「インストアコンサルテーションモード」、ECサイト上では、エンゲージメントの創出を目的とし、購入前にユーザーがサイト上で、商品の色味を試すことを可能にした「YouCam for Web」(デモサイト)、AR 技術を活用した美容部員向け教育ツール「YouCam AR トレーニング」等が活躍し、実際のコスメメーカーによっても導入が進んでいます。

図1

他にも、アプリのカメラに映った自分の顔の肌の状態をチェックし、肌年齢をチェックする「AI肌チェック」機能や、画面上の動く髪に反応する「ヘアカラーライブシミュレーション」、更に画面上に映ったユーザーの顔を分析し、ベストマッチの商品の色味を提案する「AI スマートシェードファインダー」も導入が加速しており、カスタマージャーニーのいたるところでAI・ARを用いたサービスがオムニチャネルで展開されています。

図2

弊社サービスは、消費者に従来難しかったメイクでの冒険をリスクなく思う存分楽しんでいただけるエンゲージメントを創出し、購買選択肢を広げつつ顧客満足度を上げるという点に注力してきました。ビジネス的にも、膨大なエンゲージメントを作り出すことにより、売り上げに貢献することを目的としています。選択の幅を広げた今後その先は、膨大な選択肢の中から消費者が実際に選ぶプロセスをいかに「簡単」にしていくかが課題となります。弊社のAI技術を活用した「おススメ」機能の導入は、一人一人のお客様にパーソナルでありつつ、簡易化された購買体験の提供を可能にします。

2015年頃から、弊社の様々なYouCamサービスをコスメブランドに導入して頂いている実績から、大変興味深い数字が見えてきました。全世界で様々なコスメブランドに導入されている「YouCam for Web」の直近のトライの総数をブランド別で追ってみると、トップ5位中、2つが日本国内導入事例によるトライ数となっており、3位の日本ブランドは一週間オンライン上で消費者が37万回以上ものトライを記録しています。バーチャルメイクのみで非常に高いエンゲージメントを創出していることが言えます。

画像3

日本の化粧品EC率は2018年の時点で5.8% (引用) しか占めておらず、残りの約94%は店頭で購入をしているということになりますが、上記の通りオンラインでのエンゲージメントが高く、日本の消費者はオンラインでバーチャルトライを含め、口コミやレビューの閲覧などを多く行っていることが伺えます。実店舗購入率が高くEC購入率は低い一方で、ウェブでのエンゲージメントが高いということは、「O2O」での施策が非常に重要であると言えるでしょう。むしろ、O2O施策の効果を出しやすいマーケットであるといえるかもしれません。販売促進はオンラインだけや、ラスト1mの取り組みだけでは不十分という見方もできます。このようなデータからも、店頭での購入は消費者が望んで選択しているということが理解でき、無理やりECでのコンバージョンに躍起になるのではなく、デジタルとリアルをうまく連携させ、相互送客と、よりリッチな購買体験の環境提供が結果的に売り上げにもつながり、お客様のロイヤリティー向上にも効果が期待できます。

コスメブランド、そして小売店が消費者の進化し続ける購買体験を読み解き、寄り添ったかたちで商品提案をしたいならば、オンライン上でのリッチなコンテンツ提供からのエンゲージメント創出を意識していくことが、今後の消費者購買体験に大きな影響を与えていくのではないでしょうか。

■YouCam for Web 導入事例

コフレドール: EYE-MAKEUP TRAVELER 

コフレドール: MY毛穴チェッカー

Sofina iP:カンタン肌チェック 


パーフェクト株式会社 代表取締役社長  磯崎順信