40歳からのずぼら妊活ガイド〜サプリ編
高齢卵に優しいサプリの話
前回までの食事編に続いて、不妊治療の準備中から服用したサプリについて記しておきたいと思います。
サプリ服用のテーマは「免疫力」と「抗酸化」。今回ご紹介する5つのサプリは、アメリカで出会った妊活本や不妊治療クリニック専門医などから推薦されていたものを、自分なりに組み合わせたものです。服用される際には、それぞれの担当医の先生ともご相談の上でご判断なさってくださいね。
⑴妊婦用マルチビタミン:Prenatal Vitamins
まずは不妊治療でなくとも、妊娠を望む方ならアメリカでは誰でも服用しているPrenatal Vitamins。いろんなメーカーから出されていますが、やはり食事と同じで、母親と胎児の身体そのものになるものなので、質の良い製品を選びたいと思い、私はThorne Research(ソーンリサーチ)社のものを愛用しています。プロ仕様のサプリとして広く知られていて、添加物フリー、純度が高く、身体への吸収率を高める最新の技術と知識が商品に集結されており、アメリカでも多くの医師たちの信頼を得ているブランドです。
このThorne Researchのマルチビタミンには、妊活に欠かせない葉酸(L-5-MTHF: 5メチルテトラヒドロ葉酸)が上限量の1000μg含まれているので、これとは別に摂取する必要がないのが良かったです。
ここで注意すべきなのは、葉酸にはFolate(フォレイト)とFolic Acid(フォリックアシッド)の2種類がある、ということ。前者Folate は、食品に含まれている天然の葉酸と同じで身体に吸収されやすいものですが、後者Folic Acidは、乳ガンや大腸ガンのリスクが上昇したり、胎児の気管支の成長を妨げて先天性の喘息を発症させる可能性があると言われています。
そのため葉酸をサプリで摂る場合には、Folic Acidではなくて、5-MTHF(L-5-Methylfolate)が主成分となっているFolateであることを確認する必要があります。
⑵オメガ3系脂肪酸:Omega-3(EPA/DHA 1000mg)
妊活に必要な生殖器周辺への血流を改善してくれる効果があるオメガ3系脂肪酸。1000mgというと、サーモン一人前に相当する量ですが、毎日サーモンを食べるわけにもいきません。私が愛用しているGarden of Life (ガーデンオブライフ)社のサプリだと一日1カプセルで良いので楽チンです。逆にサーモンを食べた日には摂らないようにしていました。
なお、オメガ3系脂肪酸は、胎児の脳の発達を改善する作用があるということで、私の場合は妊娠してからもずっと継続。さらには、抗うつ作用があることから、出産後の母親のメンタルケアにも役立つということを知り、育児中の現在もまだ飲み続けています。妊活に限らず、心身ともに健康にしてくれる、まさに万能薬のようなサプリですね。
⑶コエンザイム Q-10 : CO Enzyme Q-10
細胞内でのエネルギー生成に不可欠と言われるコエンザイム Q-10。マウス実験では、卵子の年齢を若返らせることができたという研究報告があります。
38歳以上で妊娠を希望する女性だったら、一日400〜800mg くらい飲んでも大丈夫とのこと。副作用もありません。これも色々なものを試しましたが、身体への吸収率が高いフォーミュラを採用しているThorne Research社のQ-10 Plusを、私は出産後の今も毎日朝晩200mgずつ飲み続けています。
⑷ビタミンD:Vitamin D
コロナの影響もあって一気に注目度が上がったビタミンDですが、妊活においても非常に頼れる必須の栄養素。男女を問わず体外受精(IVF)の結果を好転させることが知られています。通常は5000IU程度を服用すれば良いと言われますが、妊活中はその倍の10000IU以上服用していました。コロナ予防にも免疫力を上げるため同じくらい飲んだ方が良いとこちらの医師から薦められたので、育児中の現在もずっと継続しています。私が愛用しているのは、Sports Research(スポーツリサーチ)社のD3+K2。ビタミンDの吸収と働きを助けるというビタミンK2が一緒になったタイプのサプリです。
太陽にあたることで体内で生成されるビタミンDですが、男女とも太陽への露出時間を増やすと妊娠率が上がるという研究結果も出ているそうです。女性においては、生理不順、子宮内膜症、多嚢胞性卵巣症候群、といったホルモンの異常分泌から生じる様々な問題を改善してくれます。男性においても、精子の量と質を向上させることがわかっています。
⑸ピクノジェノール:Pycnogenol(100mg/日)
40歳からの妊活には欠かせない抗酸化物質。ざくろやブラックベリー、ブルーベリーなどの食品から摂るのが一番良いのですが、私は中でも世界最強の抗酸化物質と言われているピクノジェノールを毎日服用していました。
ピクノジェノールは、フランス南西部ボルドー地方の海岸に生息する海岸松の樹皮より抽出した天然成分だそうで、40種類以上のフラボノイド(ポリフェノールの一種)が含まれているそうです。抗酸化作用、デトックス作用、アンチエイジング、ストレス緩和、がん抑制、免疫を整える効果があると言われていて、子宮内膜症、月経困難症(生理痛)など妊活のハードルとなる障害を改善する効果が報告されています。
以上、年齢的にも弱ってくる「免疫力」と「抗酸化」に重点を置いた妊活サプリのご紹介でした。サプリを飲むのと飲まないのとでは、体の調子も、採卵する卵子のクオリティにも断然違いがあると思いました。残念ながら卵子の数は決まっているので、不妊治療を始めた時点で、採卵できる卵子の数をそれ以上増やすことはできません。その代わりに、少なくてもできる限り質の高い卵を大事に育てることはできると信じて、あきらめずに継続することが大切だと思います。
次回は、ただいま育児中の絶賛睡眠不足中だからこそ改めてお伝えしたい、大切な睡眠のお話です。