【エッセー】あなたって何色?
福岡で親友と会った。
大学一年生から、18歳からの仲なのでもうちょうど18年前。これからはその親友との時間の方が長くなってゆく~。よろしゅうに(笑)
さて。
福岡にはもう何度も行っているので特に見たいものもなく、食べたい店だけピックアップしておいて、夜はひとりではしご酒。ハッピーな気持ちに浸り、しっかり夜遊びして(笑)、翌朝には案の定二日酔いになって、ふらふらしながら親友と約束しておいた水炊き屋さんに向かう。
呑み明けに飲むあの水炊きのスープ。あれが飲みたくて…!!予定通り(?)二日酔いになれたので、物凄く美味しかった。
名古屋に住んでた頃も二日酔いで食べる味噌煮込みうどんが最高に染みた。シェフには失礼かもしれないけど、こうしてヘロヘロになりながら起き、その”汁物”にありつけたときの「生きてる~!」感が僕はいつもクセになりそうなのである。
夜に飲んで食べてしている時間ももちろんいい時間だけど、翌朝に少し生命の危機を感じながら(※よいこは真似しないように)、ありつく汁のほうが身に染みる・・・かも?
そこで色んな話をした。
水炊きの準備をする店員さんが「観光ですか?」と聞いてきたのですかさず『彼女はここに住んでるんですけど僕は京都からです。僕たち大親友なんです。』と言ってしまった。でも、人を紹介するときに『この人、僕の”大”親友なんです。』とかあんまり言わないよなとか思って、また世間離れしたことを言ってしまったかなあ、と一瞬思った。店員さんも親友もクスクスと少し可笑しそうだったけど、僕はそんなことより目の前の水炊きを早く摂取したかったのと溜まりに溜まっていたお喋りに夢中で、そんなことどうでもよかった。
食後にコーヒーを飲もうといい、天気もいいし公園に行こうとなり、また喋る。(二人ともカフェより公園派)
僕がそのうちキッチンカーをやりたいという話をしたら、いいね、旅好きのあんたっぽい、と言ってくれた。
そこで親友が『キッチンカーするならテーマカラーが必要ね。そういえばあんたって何色?』と聞いてきた。
思えば変な質問である。人に「好きな色」は聞いても「あなたって自分のこと何色だと思いますか?」という質問はなかなか聞かない。自分の色を気にするのは何とかレンジャーぐらいである。
僕は「黄色!」と即答!あー、ぽいね、と言われる。
『好きな色は緑だけど、自分の色は黄色!青でも赤でもない黄色。男子色でも女子色でもない色。でも明るい色、でありたい。でも黄色と黒になれば工事現場の警告色!危険人物!』とか言って(笑)
変な質問ほど回答のしがいがある。そう、ちゃんと「僕の色」には『コンセプト』と『理由』があるのである。
持ち物の全てが勝手に「青」と「赤」に分けられる幼稚園の頃から、僕はそれに違和感を感じ自分の色について考えていた。本当よ?だって、ランドセルは?そう、「黒」と「赤」。そんな時代ってついついこの前だからね。
二人で昔のギャグを復習したり、コロナで何を欲した?という会話になり、僕は会話!といい、親友はお笑い!と答えた。お互い「ぽいね」と言う。つまりは全然変わってないのである。天変地異が起きても欲するものが「お笑い」や「お喋り」なんて、人間って寡欲なんだかなんなんだか。(笑)
結局、「ぽいね」で始まり、「ぽいね」で終わってしまった。
もしお互いに「ぽくない」色が出てきたら、それは少し危険信号だと思っている。でも今は大丈夫みたいで、それが確認できただけでも来てよかった。