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みんなにとっての"当たり前"が俺にとっては"特別"で。

学ランを着始めてから、
俺は少しずつ、"当たり前"を取り戻している。

身体測定の時、
男女別出席番号順で並ばなければならなかった。

俺はいつも女子のところに並ばされてたけど、
今回は男子の1番後ろにサラッと並んでた。

何も言われなかったよ((●゚ν゚)
それが当たり前なんだけどね((●゚ν゚)



とある集会(会議?)で、
議長と書記をしてくれる子を生徒会の子が探していた。

友達が議長やるって言ってたから、
「じゃ、俺書記やるわ。」
と立候補した。

その集会、司会の子が議長と書記を紹介してくれるんだけど、

あらかじめ台本があって、
『議長、○○くん。書記、○○さんです。』
みたいな風に書いてあったんだ。

(長は男がやるもの。補佐は女がやるもの。という決めつけで書いたのかな...)

つい、そう思ってしまう。

そして思ったのが、

(俺、一応女子生徒だからさん付けで呼ばれんのかな...?
全校生徒の前で"さん"付けされたくない...)

「...あのさ、」

勇気をだして司会である生徒会の子に話しかけた。

「俺、"くん"の方で呼ばれたいな〜...てか、呼んで?」

その子には、いつも"(苗字)さん"と呼ばれていたので、どんな反応されるかな?拒否されたらどうしよう...という不安が渦巻いていた。

「全然大丈夫よ。この台本も去年は議長が男子で書記が女子だったから、こう書いてあるだけだから。」

さささっと俺の名前とその隣に"くん"と書かれた。言ってよかったなと思う。



きっとこれは俺の身体が男に生まれてくれば、決して悩まなかったことだろう。

なにも言わなくても、男に振り分けられて、
男として身体測定できる。

なにも言わなくても、"くん"付けで呼ばれて、
わざわざ"くん"で呼んでくれるか聞かなくて済む。

心と身体の性が一致している人は、
当たり前にその"特権"を手に入れている。

羨ましくて仕方ないよ。

同じ男なのに、なんで特別のようになってしまうのか。

そんなことを考えない日はない。

少しずつ、少しずつ、
"当たり前"を取り戻していけたらいいな。

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