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市内RPG 59 カッパに出会う

早いもので土曜日になった。
いつもの二師鉄子郡駅前に集合した。

「大穂駅の改札にこいつが引っかかって、大変だったーー。」
戦士ヤスは、ベリービッグコンパスを担いできた。
「どんどん武器が大きくなってるから、気を付けないとね。」
魔法使いのヒラは、6色ペンの杖を振り回しながら言った。

「そう、そう、周りにも迷惑だから気を付けてよね。」
僧侶のカナも、それに同調した。

4人、そろったので、今日の行き先を決めることになった。
「もう来週が武道大会よ。装備も新しくなったし、力試しをしなくっちゃ。」
カナが、みんなに念を押すように言った。

「あいつらも出るらしいぞ。学校で話してるのを聞いたよ。」
ヤスが言った、あいつらとは同じ高校の「馬場」たちのパーティーだ。

「あいつら、装備がなかなかだからなあ。」
ヒラが言うと、カナがすぐに口をはさんだ。
「だから、力試し。」
「また、天狗なのか」とヤス。
「今度は、カッパよ。」
「カッパ???」ぼくたち3人は目を丸くした。

「ついてきて。すぐそこだから。」
カナは、もう歩き始めていた。

そうして、子郡駅から200mほども離れていない、建物に案内された。
2階建てのグレーの建物。1階は、鮮魚店。その隣に、二階に続く階段がある。
建物の正面に飾られている大きな看板には「牛縞鮮魚店」と書かれている。

「ここに、カッパがいるのか?」
「1階じゃないわ。2階のダンススタジオよ。」
カナが指差した方には「白烏ダンススタジオ」と書かれた小さな看板があった。
「白鳥?ここにカッパがいるの?」
ヒラも不安そうだ。

ぼくらは、2階に続く階段を上っていった。

「アン、ドゥ、トロワ。」
「アン、ドゥ、トロワ。」

ダンスの練習をしているのだろう。女性の高い声が聞こえてきた。
ドアを、カナが開けると、四方を鏡に囲まれたダンススタジオだった。

「こんにちは。」
「いらっしゃーーい、カナちゃん。」

そこには、カッパがいた。

おかっぱ頭の女性が4人。

(続く)

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これまではこちら。


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