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雪が降ると(フォトギャラリー短編)

今日は、雪が降っている。
粒が細かくて、風に飛ばされる雪だ。
積もりそうにないのに、空から降りてくる。
降りるまでにも、時間がかかり、地面に着いたとたん、消えていく。

「あーーーーー、雪が降ってきたーーーー」子どもたちが声をあげた。
「雨かと思ったーーー」そんな雪だ。

ピー―――――ッと、ホイッスルが鳴って、ボールが動き出した。


選手は、半袖でハーフパンツ。蹴り出されたボールを追っていく。
応援のお母さんたちの声援が響く。

雪が降っているのに、サッカーの試合は続いている。そういえば、雨でもするなあ。ラグビーも天候は関係ないなあ。

どうして、やめないのだろう。
どうして、半袖とハーフパンツなのだろう。

「今日は寒いから、中止にしましょう」「いいですね。そうしましょう」
とは、ならないのだろう。
「半袖とハーフパンツはやめて、はんてんと長ズボンでしましょう」
「いいですね、そうしましょう」
とは、ならないのだろう。

みんなが寒いと感じながら、それを言い出さない。

「サッカーとはそういうスポーツだ。雨や雪は関係ない。軟弱者め」
「ユニフォームは半袖とハーフパンツだ。いつもそうなのだ。」
という意見があるからかもしれない。
そんな意見を恐れずに、言うべきか。
「寒いから、中止にしましょう」と。
「寒いから、はんてんと長ズボンにしましょう」と。

しかしながら、子どもたちは楽しそうに走っている。
ボールは、大きく、そして細かく蹴りだされる。
子どもたちは走る。半袖とハーフパンツで、雪の中を。

「サッカー好きなんです。寒くてもしたいんです」
「サッカーはあまり好きじゃないんです。できれば早く帰りたいです」

どちらの思いもあるのだろう。

積もらないのに降りてくる雪を見ながら、そんなことを考えていた。

「明後日は雪。平年より一段と寒くなります」
帰りの車のラジオがそう言った。


(お礼)akakurashoheiさん、素敵な写真をありがとうございました。今日は、雪が降っていて、、、すぐ止んだんですけど。これから、寒くなりそうなので、書いてみました。

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