✳︎堕天使 ニース✳︎(3)
✳︎心が温かくなる堕天使と少年の物語です✳︎
3ページ✳︎
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おやつを食べ終わった子供たちが席を外れ、みんなバラバラになりはじめた。
自由な時間らしいな。
数人で集まってお喋りしている子たち…。
夢中に本を読んでいる子…。
テレビを見ている子…。
そう、ここは親と離れて暮らす子供たちが、一緒に暮らしている施設だったのです。
少しの間子供達を見て楽しんでいたが、ニースが気になっていた男の子に目を向けると、無表情のままスッと立ち上がり大部屋を静かに出たので、ニースはその後をついて行った。
男の子は二段ベットが二つ並んである小部屋に入り、片方のベッドの上の段に登った。
ずっと下ばかり見ていた男の子、
二段ベットの上に登ったので、宙から見ていたニースに男の子の顔がやっとはっきりと見えた。
(けっこう、カワイイ顔しているな…。)
そう思いながら、宙に浮いている自分と同じ高さに来た男の子に、顔を近づけ覗きこむと、男の子が驚き慌てて後ろにとびはねた。
天使も堕天使も、異世界の人間には見えないはず…、
何故?
ニースも驚いた。
「お前…俺が見えるのか?」 大きな声で聞いた。
ニースは神様から聞いた話を思い出した。
天使には神様に創られた天使と、
心優しくけがれのない人間の子が、 まれに天使になる事もあると…、
そして天使となりうる人間の子には、天使が見えるのだと…。
「お前…。天使になるのか…?」
男の子は、突然目の前に現れたニースに怯えて声も出ない様子だった。
ニースは男の子から少し離れると、小さく優しい声で言った。
「おい、怖がらなくていいぞ…。俺は天使…、いや正確に言うと堕天使だ。」
普通、そんな事言われると余計に怖い。
だけど、男の子には堕天使の優しさが見えたのか、
「堕天使って…?」と聞き返してきた。
男の子と会話ができて、ニースは嬉しくなった。
「堕天使はな、いたずらばかりして神様のお世話が出来なくなって、地上に落ちた天使さ」
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✳︎ここまでお読み頂きありがとうございます✳︎
堕天使ニースは、2014年頃に執筆をしたものです^^。
noteで読みやすいように、少しづつ校正を加えながら、
アップしていこうと思っています。
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