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メンターの話#15 【「大人になる」ということ」】

先日、成人式で着る振袖の前撮りをした。
4月1日から成人年齢が18歳に引き下げられたが、冬に誕生日を迎える自分は現在19歳。
正直なところ、気持ち的には18歳成人をまだ受け入れられておらず、未成年気分でいる。

この辺りの心の持ちようは自分の判断に委ねても良いのではないかと、最近はそう思うようになった。無理に成人を意識しすぎる必要もないし、焦って大人にならなくても、と。

逆に一刻も早く大人になりたい!と思う人もいると思う。
私のように、大人になるのってめんどくさい、と思う人も中にはいるだろう。

あまりにも曖昧な「大人」という枠組みについて、時々思いを馳せることがある。
家族は私に「もう子供じゃないんだから口は出さないよ」と言って物事の判断を一任することがここ数年で増えた。
とは言え、生きていく上で自分一人でできることにはまだまだ限りがあるのも現状だ。

そんなことを考えていると、私の脳内には「責任」という言葉がいつも必ず浮かんでくる。

今まで学校生活で言われてきたような「連帯責任」(あまり好きな言葉ではないけれど)や「本校の生徒としての責任を持って」という意味とは大きく異なる、「人生をかけた責任」
少し大袈裟かもしれないが、大人になれば必ずそれを負うことになる時が来る。

こう考えると、詰まるところ私はまだ自分や他人の人生に責任を負う覚悟、その心の準備ができていないのかもしれない。
「今日から大人だ!責任を持って気を引き締めて頑張るぞ!」と思えるようになるのは、社会人1日目の朝だろうか。そのスタート地点を通過してきた人生の先輩たちはどうやって大人になったんだろう。

いちいち意識するようなことではないけれど、私は気になってしまうタイプなのだ。


では、「自分が理想とする大人」とはどんな姿なのか?

考えてみると、いくつかイメージが湧いてきた。

・仕事をしっかりこなしている人
・好きなことを仕事にしている人
・仕事と趣味を同じくらいのバランスで楽しんでいる人
・人付き合いが上手な人
・リフレッシュの仕方が上手い人
・家事もしっかり毎日こなしている人
・将来設計ができている人
・だけど、張り詰めた生活をしているのではなく余裕がある人

最後の一つを書きながらふと気付いた。

私に足りない大きなものの一つは「余裕」かもしれない。

もっとドーンと構えて、視野を広げてみる必要がありそうだ。

学生生活は想像の何倍も短い。
昨日大学に入学したと思ったのに、もう2年生の夏を迎えようとしている。
課題やレポート、テストをこなし、秋が過ぎて冬が巡り来れば大学生活も折り返しだ。

都合よく「まだ大人と子供の中間でいられる」この貴重な時期を、一日一日大切に悔いなく過ごしていきたいなと思う。
大学生は実際「人生の夏休み」と言われるほど暇ではないが、時間はある方だ。
挑戦してみたいことが沢山ある。

例えば、私は将来、音楽により近くで携わり、“エンタテインメントを創る・届ける・支える”ことができるような仕事がしたい。
そのためには音楽の知見を一層深める必要があり、生のライブイベントにできる限り足を運んで、「自分はどんなエンタテイメントを追求したいのか」「どこを目指したいのか」を考えながら適性を探っていかなければならない。


では、そのために今は何をするべきか。

自分が得意な文章作成と組み合わせて、音楽についての記事を書いてみるのはどうだろう。

そう考えて始めたのが、現在インターンでお世話になっている音楽ライターの仕事だ。

「エンタテインメントから自分が受けた素直な感情を客観的に書く」という難しい仕事ではあるが、現在の音楽業界がどう動いているのか、それに対して運営会社やファンの方々はどう感じているのか、どのように反応するのかを考察したり、ライブ会場に足を運ぶことが叶わないファンの方にも臨場感あるレポートを「言葉」を通じて届けたりすることは非常に大きな学びであり、今後の糧になっていく、そんな気がしている。

そして何よりも、「プロとして社会で働くこと」、そのリアルな現場で揉まれることで、少しずつ社会の一員として、大人としての自覚や意識が高まることにも繋がっている。


人生にはいくつものターニングポイントが存在するが、その時期をいつに設定するかは自分次第だ。

好きな時に、自分の直感の向く方にまっすぐ進めば良いと思う。
もちろん周囲のアドバイスはある程度聞いておいた方が良いが、最終的な人生の選択の舵を握っているのは自分。

大学生活を当たり障りなく過ごすか、色んなことに挑戦して大学生のうちに経験値を増やしてみるか、思い切って休学して自分探しの旅に出るか。それもアリだと思う。
(コロナ禍に「休学のすゝめ」のようなブログが沢山執筆されていたのが記憶に新しい)

とにかく、何事もやってみないと始まらない。


「大人になる」ということは、

自分の人生をどう歩んでいくかを自分で決めること。
そのための道筋を自分の目で見つめ、自分の足で歩いて行くこと。

これが今現在考えうる私の答えだ。

これから大学受験も夏に差し掛かり、「天王山」と呼ばれる時期がやって来る。
本当にこの選択でいいのか、この大学や学部に進むことが正解なのか、はたまた自分が本当にしたいことは何なのか。親御さんや先生に相談しにくいからこそ悩んでいる方もいることだろう。

高校生の段階で自分の将来選択をすることはとても難しいことだ。
でも、安心して欲しい。

大学は入口こそ星の数ほどあるものの、大事なのは「4年間何をするのか」だ。
それを少しずつ、焦らずに一歩一歩、これから探していけばいい。

だから、まずは自分とじっくり向き合うことが何よりの近道だ。

趣味や興味関心から広げていくも良し。
得意不得意から絞っていくも良し。

今、この瞬間もまっすぐ自分と向き合うこと。
それ自体が、「大人になる」ということに繋がっていく。

皆様の夏が有意義なものになるよう心から願っている。
今できる最大限の努力で突き進もう!


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