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写真を撮るってなんだっけ?~『「いい写真」はどうすれば撮れるのか? 』

きょうは超久しぶりに、古い一眼レフカメラを持って出かけました。
が、不測の事態から計画が狂ってそれどころじゃなくなり、ほとんど撮れないまま帰ってきてしました。

きょうの海の景色

なんとも残念……そんな状況を踏まえて次の機会に備えようかと、こちらの本を取り出しました。そもそもなんで撮りたかったんだっけ?と。

『「いい写真」はどうすれば撮れるのか? 』
(中西祐介 著/技術評論社)

サブタイトルは、「プロが機材やテクニック以前に考えること」。
わたしは機材やテクニックを極める柄ではないことは、地域で活動する写真サークルに出入りしてたころに、気づきました。でも写真を撮ることは大好きです。
この本は、テクニック以前の心がまえの部分から、参考にさせてもらえるのです。

自分の写真を言葉にする

写真を撮るのは、自分の世界を追求する行為だと、著者の中西さんはおっしゃいます。だから、多くの人にとって、写真だけで相手に伝わりきらない悩みがつきものなのだそう。

そこで、「自分の写真を言葉にしてみませんか?」と提案しています。

表現手段としての写真をつうじて、「自分がなぜその写真を撮ったのか」を整理できていると、自分もすこし冷静になって、相手の立場に近い状態で見ることができるからです。

たとえ誰かに伝えるために撮っていないとしても、自分がなぜその写真を撮ったのかを理解することは、気が付けていなかった自分自身を見つけることにもつながるのだと。

「言葉にできないから写真にする」ではなく、「言葉から写真が生まれる」こともあるのではないか。今ではそう感じています。

きょう撮ったこの写真。

わたしの、やり場のない感情を猫が沈めてくれたものです。
見知らぬ猫さんが、車の下から、じっと見つめて癒してくれました。
「なにイライラしてんの? たいしたことないのに」てな感じで。
わたしだけが出会った瞬間と気づきを、残しておきたいと思ったんですね。

なるほど、1枚の写真だけでも、言葉にすると、きょうの日を振り返れる気がしました。自分がどうありたいか、自分と向き合うツールとして写真が機能しています。

「うれしい」を撮る

本書では、「きれい」「かっこいい」「おいしそう」「かわいい」「うれしい」の感情別に、被写体やシーンの事例をふんだんにつかって、どう見せたいかを実現するテクニックの数々が、レクチャーがされています。

なかでも「うれしい」の感情は、著者にとっても「なぜ写真を撮るのか」の原点だと語られていました。

◎人とつながる魅力
◎いつもの1日を生きる喜び
◎被写体との心が通い合う瞬間

表紙の写真はそんな、「うれしい」の気持ちをあらわす象徴的な1枚、ご両親を撮った写真です。

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テクニックでは片付けられない、気持ちが伝わる写真ですよね。

「うれしい気持ちを、写真として残す」ためのアドバイスのなかに、「自分のために撮る」という提案もありました。

「絵になる瞬間」ではなく、「心が動いた瞬間」を撮りましょう。

この言葉も、SNS映え時代を長く経験してしまったわたしに、ぐさっと刺さりましたよね。

忙しい毎日を生きるなかで、あっという間に時は過ぎ、同じ瞬間は二度と訪れません。「1日1枚、今日見た光景を写真で残してみませんか?」との提案に、乗っかってみたい気持ちです。

撮る前の準備が9割

プロカメラマンにとって、写真を撮るうえで一番大事なことは、「シャッターを押す前にどれぐらいの準備ができているか?」だとおっしゃいます。
カメラを構え、シャッターを押す前の9割が、写真の出来映えを左右するのだと。

本の「まえがき」で書かれていたことは、写真に限らず、どんな仕事にも通じる姿勢ではないでしょうか。

先日、行政書士の先輩にも、お客さまと対峙するまえの、事前準備の重要性をせつせつと教えられたところです。

お客さまを取る以前の段階ではありますが、こうしたプロとしての姿勢をお手本にするためにも、とても有益で、心が動いた本でした。
……と、心のなかでパシャリ。
noteも自分を表現する手段として、心が動いたことを書いていきたいですね。


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