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ミケとトラの事。③

前回の↓続きです。

奥さまとはやはりお別れしたようだった。はっきりしないニュアンスではあったが、そのように聞こえた。


帰りの車は、とても重苦しい空気で、旦那も私もなかなか口を開けなかった。

が、

一度 口を開くと 止められず


「なんで?」

「どうしよう?」

「あれじゃミケトラの健康に問題がおきるかも」

「こんな事になるなんて」

「どうしよう…??」

同じような事を延々喋りつづけ、

喋りながらも互いに自分の驚きや悲しさに沈みこんで行き、現実感がないような、喋っているけど意識は沈みこんでいて、なんだか、よくわからなかった。

一時間にも満たない短さだったのに

家に着く頃には、ぐったりしていた。


ミケトラちゃんの事が頭から離れず、私にできることってなんだろう?と考えた。

里親さんとの関係も親しい訳ではなく、気分を害されたら二度とミケトラに会えなくなるかもと遠慮して来たけど、

年上の男性に何か直接言うなんて、どう思われるか怖いし、何も言えなかったけど、

保身よりもミケトラの健康の事を考えて言うべきだったと後悔したし、自分を守ってミケトラを見捨てた自分が恥ずかしかった。


ミケトラのトイレだけでも綺麗にしてほしい。


里子に出した子だけど、

愛してる、かわいいミケトラ。

私にできる事は少ないけど、

やれることを。


次の日、いつもお世話になっている保護猫の活動をしているTさんや仲良しの友達に、どんな風に言えば嫌な気持ちにならずミケトラのトイレ掃除だけでもしてもらえるか相談して、アドバイスをもらい、考えながらLINEした。


考える中で、

里親さんご夫婦はもともと奥さまが猫と暮らしていて、旦那さまは猫初心者だったのに、今、ミケトラのお世話を一人でして一緒に暮らしてくれていること、

もともとお仕事がとても忙しい旦那さまは疲れきっていたこと、

そんな中でもLINEすれば返事をくれ、今回再会を実現させれてくれたこと、

家に入れてくれたこと を、

改めて思い ありがたかった。


なかでも、

どんな理由があったりせよ、奥さまはミケトラを置いて行き、

旦那さまはミケトラと一緒にいてくれて、旦那さまが送ってくれる写真のミケトラは安心しきっていて、旦那さまを愛しているのがわかる。それが重要だと思った。

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旦那さまが起きたら両脇で寝ていたミケトラ↑

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旦那さまだってミケトラを愛してるから、2匹がここまで大きくなったんだと。



私からの、いろいろ書いたLINEに、余計なお世話だとかそんな事はいっさい言わず、

『心配してくれて、ありがとう』とお返事をくれた。

トイレは全自動のものを導入予定だった。


今後お1人で2匹のお世話は大変じゃないか?苦じゃないか、とも聞いた。もしも大変だったら、ミケトラを引き取ることも、それが難しければ新しい里親さんを探すこともできると。

『まったく苦じゃないし、2匹と楽しんで暮らしてる。』とおっしゃっていた。


トイレが清潔でご飯が食べれてキレイなお水があれば、猫なりに、そこで暮らす中での楽しさをみつけられるんだといいな とおもった。

私の価値観で、ほっとかれてるミケトラ と思ってしまったけど、旦那さまは疲れてる中でもミケトラと遊んであげていたし、ミケトラはミケトラで猫だけの時間を悠々自適に感じているのかもしれない。猫の幸せは猫にしかわからないし、なんなら、個体によっても違うもんな。と、また、いろいろ考えるきっかけになった。



旦那さまは11月に新居にうつる。『引っ越しが終わったらまたミケトラに会いに 遊びに来てください』と言ってくれた。


実現するといいな。

その時は、

トラちゃんにも会えるといいな。(^^)


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