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まだ旅の途中です。

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最近の記事

【book】MISSING 失われているもの 村上龍/新潮社

父が定年退職し、その後の再雇用も終え、5年ほどたったのだが、メンタルが不調だ。仕事では、輝いていた人だったと聞いている。今は、怪我で、趣味だった、というか、生きるためのルーティーンだったランニングもできなくなり、近くのコミニティもなく、気持ちが沈んでいる。酒関連で少しトラブルをおこし、母も少し疲れているようだ。 村上龍は私が20代前半のころからずっと読んできた作家だ。若い頃の作品にはとても刺激をうけ、自分を鼓舞し、ともに生きてきたように感じる。作品に登場する人物もだんだん年

    • 【book】正欲/朝井リョウ

      読んだ本メモ。 個人的な好き嫌いでいうと、嫌い。 どうも共感できない。 異常性欲者の話で、水道の水がでることに興奮する、という人種の話。 そういう人もいるだろう、ということで、それ以上の驚きはあまりなかった。 性的欲求は、だれにでもあり、それは多種多様であることも理解できる。 この小説が、個人的にすっとはいってこないのは、そういったマイノリティがいますよ、というところで終わっていて、それ以上の感動がないからだ。 あくまで個人的な見解なので、あしからず。

      • 【book】アンソーシャルディスタンス/金原ひとみ

        短編集だが、それぞれがやばい。 生き抜くために、なにかに依存する時期があって、あるいは、すべての人がそうかもしれない、と思う。 アルコール依存/整形依存/不倫依存/推し依存?/セックス依存 それぞれが、ストレスを消化するために、なにかに依存をして、そして人生の局面を生き抜いていく。著者はそれを肯定したいんだと、思った。 世の中的にみて、全うとは言えなくても、それでいい。 コロナというインパクトのもとにおいて、生き方が変わるシーンがあると思う。生産的であれ、非生産的で

        • 【movie/book】太陽は動かない

          吉田修一原作の映画化。 原作のシリーズ一作目「太陽は動かない」と二作目「森は知っている」をあわせたような内容になっている。 映画はアクション多めで、日本版ミッション・インポッシブルといったところか。産業スパイが身体を張って、情報を得たり失ったり守ったりする物語。 テーマは、一日一日を生きること。まずその日を生き延びること。映画はよりエンターテインメントを強めに仕上げているが、凄惨なバックグランドを持つスパイたちが、一日一日を生きることを、精一杯、クリアして、また次の日を

        【book】MISSING 失われているもの 村上龍/新潮社

          【book】推し、燃ゆ 宇佐見りん

          先日芥川賞を受賞した宇佐美りんさんの『推し、燃ゆ』、読みました。前作の『かか』を読んだときに、これは絶対芥川賞をとるよ、と友人に話していたので、本当にとったので、自分の”推し”が賞をとった感覚です。 タイトルや表紙の絵からすると、推しにハマった子の、淡い青春物語的な印象をうける人もいるかもしれませんが、全く違います。 近年読んだ本で、村田沙耶香さんの『コンビニ人間』にも衝撃を受けましたが、それ以上に、深く深く、心をひっかくような感覚になります。 生きづらい女の子が、推し

          【book】推し、燃ゆ 宇佐見りん

          【book】JR上野駅公園口 - 柳美里/河出書房

          全米図書賞を受賞した小説。2014年の作品。 柳美里の”生きて在ること”に対する眼差し、真摯な姿勢が伝わってくる。 懸命に生きようとして、それでも運がなかった男。絶望しても生きるべきか?という問い。長年、家を養うために出稼ぎを続け、家族とともに過ごす時間もなく、家族を失った男。 そして震災。柳美里の大きな一つのテーマになっており、他の作品にも影響を与えている。 家のために、一人で出稼ぎをし、家族と一緒に過ごさない人生など、なんのためなのか。と思う。時代なのか。境遇なの

          【book】JR上野駅公園口 - 柳美里/河出書房

          【book】飼う人

          柳美里/文春文庫 危ういバランスの上で生きる人々が、生き物を飼うことで、救いだったり、かろうじて踏みとどまったり、踏み留まれなくなる物語。 飼う生き物は、普通ではない。イボタガ、ウーパールーパー、イエアメガアル、ツマグロヒョウモン。 奇怪な、何か剥き出しな、グロテスクな。  登場人物はそれぞれ簡単には解き難い問題を抱えており、そうしたグロテスクな生き物を通じて、自分と向き合い、それと向き合っていく。 決してハッピーエンドにはならない。 残酷な現実と、ただただ向き合う。

          【book】飼う人

          【book】READING HACKS!

          積ん読やっつけシリーズ。 初版が2008年10月23日。原尻淳一氏/東洋経済。 古い本なので、情報を得る手段とか、色々アップデートされているので、そのへんは自分のソースを信じることとしよう。 基本、自分が無意識に実行していることの追認の読書となってしまったが、学びを以下に記す。 ・Zoneに入るスイッチを持っておく(場所、音楽、香り、など) ・ウエブ書評「千夜千冊」を参考にする(←未だに続いている!せいごお氏すごい) ・読書投資比率を意識する(既存エリア70%、周

          【book】READING HACKS!

          【book】カンブリア宮殿 村上龍 x 変革者

          積ん読やっつけシリーズ。 積ん読の発行日を見ると2015年くらい発行のものが多く、いかにここ数年本の消費が滞っていたかがわかります。反省。 村上龍の小説は昔から好きで、だいたい読んできているが、経済とかに目を向けだした感覚、感情が言葉のレベルだけじゃなくて、血肉のレベルでこういうことかな、というのがようやくわかりだしたの最近。 学びは以下。 ・中小企業は局地戦の一番を狙う、小さなトップになることをみんなでする(黒川健太 生産者直売のれん会) ・伝わっていないという前

          【book】カンブリア宮殿 村上龍 x 変革者

          【book】ゆるめる力 骨ストレッチ

          積ん読やっつけシリーズ。 いつ買ったかのかも覚えていない本をざっとななめ読み。 要点としては、 ・古武術の所作を取り入れて、体をもっと自然に、スムーズに動かすべし ・骨のストレッチが、よりスムーズな体の所作につながる ざっと書いてあるストレッチをやってみたが、鍼灸院での針の治療の押すところやマッサージのポイントに似ている気がしている。 とはいえ、現時点ではよりスポーツ科学的な方式に興味をひかれる。 今は頭の片隅に入れといて、もっと歳をとったときに思い出せば、縁が

          【book】ゆるめる力 骨ストレッチ

          【book】HEALTH HACKS!

          積ん読解消シリーズ。ちょっと古めの本。2009年の本。 情報はちょっと古いかな。今はもっと新しいエビデンスが出てきているので、そっちを読んだほうがいい。こういった情報系は旬を逃しちゃうと大きく価値がさがっちゃうな。 学びとしては、 ・目標設定をすることが大事(いつまでもモテたいとか) ・食事のカロリーを抑えて、タンパク質を効率的にとり、筋トレを続ける ・清潔でいよう(ホワイトニング、あぶらとりがみ) ・食生活の改善(アルコールのとり方の改善、良い油をとる) ・脳

          【book】HEALTH HACKS!

          【book】SDGs見るだけノート

          読んだ本メモ。 積ん読の量がひどく、その解消を少しずつ。SDGsって言葉をよく聞くようになって久しいが、その内容は雰囲気でしかわからなかった。 要点はこんな感じ。 ・SDGs = Susteinable Development Goal s ・地球規模の視点で、今後の人類が破綻することなく、ともに生き延びていく、継続的に発展していくためのゴールを設定している ・企業活動、投資家、消費者のそれぞれでの視点での活動が重要 ・企業は、価値を産む過程、および産んだ価値がS

          【book】SDGs見るだけノート

          外に出てみれば

          こんなご時世なので、通常はテレワークだがやはり外の感覚が鈍る。 そして、たまに外に出ると美味しいランチをたべたくなる。むしろ美味しいものを食べることのみが目的のような。 今日は八丁堀のさ和鳥で親子丼。 ふんわりたまごにさらに追い黄身! 美味しいものを食べると幸せ。 どちらかに振れるのではなくて、ベストミックスがあるはず。過度に恐れず、甘くみず。 どうしても生きていかなきゃいけないから。 だれも頼りにならないから。 物事の切り口はひとつではないので、それぞれの選択を尊重し

          外に出てみれば

          【Movie】シャンドライの恋/ベルナルド・ベルトルッチ

          ずっと映画のタイトルを思い出せなかった。 彼女のことが好きだった。学生のころ知り合った彼女に恋心を寄せていたが、彼女は友人の彼女だった。それでも、ちょっとした会話でのピントや、映画の趣味があったりして、どんどん惹かれていった。 そんなとき、この映画を観たはずだった。 映画は、夫が政治活動で国家に逮捕され生きるためにイタリアに渡ったアフリカの女性が、音楽家の家で使用人として働く。音楽家はその女性にひかれていくが、女性は、あえないけれども夫があり、その間で揺れ動く。 結局

          【Movie】シャンドライの恋/ベルナルド・ベルトルッチ

          【book】 春、バーニーズで 吉田修一

          コロナの影響で在宅ワークとなり、家にいる時間が増えた。 ふと本棚を見渡すと、昔読んだ本が。 「春、バーニーズで」 吉田修一はずっと読んでいて、最近だと「悪人」とか「太陽は動かない」とか、映画化されるような売れている本ばかりだけど、初期の、危ういバランスの小説が、ずっと心のどこかに残っていることに気づく。 学生のころは、ほんと不安定だった。 うまく表現するすべを持たず、かといってかっこたる自我を持っているわけでもなく、ふらふらと、ダークサイドにいつでも落ちそうな。

          【book】 春、バーニーズで 吉田修一