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サッカーは”何だった”のか?

1.サッカー不要論

コロナウイルスの影響を受け、サッカーは今、世間的に不要不急の部類に該当しています。

他のスポーツ同様、活動を自粛し、リーグの再開のメドももちろん立っていない状況です。

ブラジルでマラカナンスタジアムの駐車場に仮設病院がつくられたり、イギリスでは給与カットが税収に影響を及ぼすとして話題になったり、部活動も自粛になったりと、今まであたりまえに存在していたサッカーの姿はどこにもありません。

今は一時的にサッカーできない状況であることには間違いありませんが、捉え方によっては、私たちの生活からサッカーが今後無くなる、ということも十分考えられる状況でもあります。

人間社会にとってスポーツ、サッカーは不要、今後も要らないと考える人も現状で間違いなくいると思います。

そのなかで、サッカーをずっとやってきた人間としては、そんな悲しいことは受け入れがたいことだと思います。

サッカーが日常からなくなった今だからこそ、なぜサッカーが無くなることは受け入れがたいのか、どんな価値がサッカーにはあるのかを考える必要があります。

2.自分にとってサッカーは何だったか

そのためには、サッカーが人間社会にとって何か?ということを突き詰めて考えていく必要があります。

しかし、プロや代表として高い景色からサッカーというものをみていない自分が、社会という大きい枠組みで考えることはなかなかハードルが高い。

そこで、まずは個人レベルでどんなところに価値を見いだしていたのか考えてみるのが良いのではないかと考え、大学サッカー部のチームメイトと3人で、自分にとってサッカーは何だったのか、何を求めていたのかを話し合いました。(今アツいZoom会議!笑)


キャプテンだったN君は、「誰かと一緒にやること、相互作用の楽しさ」を求めていたと話していました。

自分と相手という2人の関係から始まり、それがチーム、学校、スタジアム、テレビの前の人たち…と規模が広がっていくのもまた、良い経験だったと話してくれました。

ユース年代の時にJリーグの下部組織ではなく高校サッカーを選び、3年次には選手権の決勝に出場したからこその言葉の重みがありました。


キーパーだったZ君は、「憧れや理想をカタチにすること、自己実現」を求めていたと話していました。

ドイツのノイヤーや西川周作といった憧れの選手を参考に、試行錯誤を繰り返すなかで上達であったり結果を残していくことを求めていたと話してくれました。

私もどちらかというとこの考え方に近く、自分の外ひいては自分の目で見えない部分に対する認知が足りなかったことが、キャプテンの彼との違いだったのではないかと2人で反省しました。笑


私にとっては、「目の前の相手との精神的・存在的なふれあい、関係性を肌で感じること」を求めていたと思います。

自分がサッカーをしているなかで最もゾクゾクする瞬間は、自分のスルーパスを受けた選手が得点したときです。

相手の「ここにパスをほしい」というメッセージを受け取り、相手も「ここに走ってほしい、ここに出すよ」というメッセージを受け取る、”同じ絵を描く”作業が一瞬のうちに行われるあの瞬間がたまりません。

その他にも、個人的なライバル視や上下関係意識などが人一倍強かった自分は、一方的ではあったものの、目の前の相手との何かしらの関係性を強く望んでいたのだと思います。(承認欲求の類)

3.結局、自分のため

何のためにサッカーをするのか、誰のためにサッカーをするのか、という問いに、競争やプロというガチガチの舞台から離れた大学サッカーで初めて向き合い、いまだに明確な答えを持っていません。



ZISO TALK #2「誰のためにフットボールするのか?」で、山田大記選手が以下のような内容を述べていました。

「自分の喜びのためにサッカーをする。しかし、1人で得られる喜びの大きさには限界があり、チームメイトやサポーターの存在が必要不可欠。」

また、「何のためにサッカーをやっているかわからない」という悩みに対し、

「自分のためがない段階でチームのためを押し付けられて、その悩みがあるとしたら、サッカーやらなくていいんじゃないかなと思っちゃう。」

と述べていました。

大前提として、自分のためがないならやる必要もないというのは、忘れてはならないことだといえます。

人のためだけで終わってしまっては、きれいごとどまりだし人の人生を生きることにほかなりません。なぜ人のためなのか、それは自分にとって何なのか、というレベルまで深掘る必要があるといえます。

私自身、まだまだ言語化できていない部分が多いですし、今回の山田選手の発言にもろに影響を受けてしまうくらい自分の価値基準がブレブレなので、もっと考えます。

明日からまた一週間頑張っていきましょう。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。