働くひとの健康ではこの10年何が起こるか
iCAREの山田です。働くひとの健康の業界もこの30年で大きく構造が変わります。私はすでに引退していると思いますが、今20代の方々はまさにその大きな課題と向き合っているでしょう。何が変わるのか一緒にみていきましょう。
2050年の人口構造と企業数
この経済産業省の資料が秀逸なのでその資料から見てみましょう。
まず2050年までの人口推移予想です。
この表を見てわかると思いますが、この30年で労働者人口は、ざっくり7,000万人が5,000万人になります。25%も減少します。15歳から64歳までの人数です。
厳密には下記の定義がありますので確認してください。
企業数も公表データから引っ張ることが出来ていませんが、地方創生の資料スライドで軽くふれられています。これも衝撃的です。「2015年末の 402.5万社から、2040年末には295.6 万社へと減少する見込みである。期間別に見ると2015年から2025年にかけて企業数は大きく減少」これも25%減少するということです。特に、大企業はこの30年でも4,000社減少しています。
※中小企業庁の2019年度の中小企業の動向資料も参考になります
このような構造の変化によってどんな問題が発生するのでしょうか。
とまあ、当たり前のことが書いてありますが、かなり整理出来るでしょう。特に、働くひとの健康で今後も活躍していく人事や専門家の立場から考えれば、決して良い環境とは言えないと言えるでしょう。表現が間違っていますね、、、これまでの当たり前をそのまま踏襲して仕事ができないので、それを考えて価値を出せる人になれれば問題ないという時代でしょう。
多様化している労働者の特徴
もうひとつ決して忘れてはいけないのは、すでに動き始めているムーブメントです。足元でもこれだけの属性の方々が日本で働きはじめています。男性だけの社会からは脱却が始まっています。労働力人口をみても男性は減少していますが、女性は増えています。明らかに日本の労働力を支えていると言って良いでしょう。
さらにパートタイマー労働者やギグワーカーという働き方も広がっていき、これらが掛け算となってひとりひとりの労働者の特徴となっていきます。
働くひとの健康:今後10年何が起こるか
生産年齢人口と企業数が「25%低下」する一方で、多様化する労働者を考えると、人事、産業医、産業保健看護職の方々は、今から何に備える必要があるでしょうか。今後10年に限定します。
働く人の健康は、比較にならないほど重要性が高まるでしょう
必要な産業医の数は減少し、法令遵守型の産業医は必要なくなるでしょう
個々の労働者の価値観に合わせた健康施策を検討する必要がより一層高まるでしょう
健康は、価値観の問題でもあります。健康を押し付ける行為には、コロナ禍でも反発が多く見られました。同様に、残業がない状況で、健康診断結果が悪いというだけで就業制限を会社が一方的に課したり、労働者の価値観を無視して保健指導を強制することにも、反発が高まるでしょう。
一方で、働くことが原因で労働者の健康が損なわれた場合、企業にとっては影響範囲が大きく、スピーディに対応する点でも厄介な問題になるでしょう。つまり、企業は、「法令遵守」が目的ではなく、従業員の体験を考慮し、労使関係の構築を目指す施策を採用する必要があります。生産性向上だけを謳う健康施策は、労働者視点が欠如しているため、受け入れられないでしょう。決まりきったことだけをやっている産業医は不要になると考えられます。
そして忘れてはならないのは、テクノロジーの急激な進化です。皆さんもGPT4を体験してみて、ここまでできるのかと思う一方で、これが限界かとも思ったことでしょう。しかし、GPT-4の発表を見て驚嘆するように、この短期間でその限界がどんどん打ち破られていくのです。
働くひとの健康は、より個別性を実現することが可能になるということは間違いないでしょう。iCAREは、働くひとの健康を世界中で創造するために、ここに最重要課題があることを認識し、これからもテクノロジーと専門的ノウハウの両輪を回していきます。
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