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教養が「免疫」になる

昨年、突然難病に襲われました。詳しくはこちらに書きましたが、「特発性後天性全身性無汗症」という汗が出なくなる珍しい病気になり、半年間仕事を休んでいました(今はほぼ回復)。

ショックはあったものの、「ピンチはチャンス」と前向きに捉え、療養中は歴史の本を大量に読むことにしました。経営者の方々が、折に触れて歴史の知識を絡めて話す様子に憧れを持ち、きっと歴史を知ることで人生の深みは増すのだろうなあと感じたからです。

まずは紀元前の中国から知ろうと、『三国志』『史記』『項羽と劉邦』など、計100冊以上の小説や漫画を読みました。

戦国時代の偉人の話や、漢による中国統一の話を知ったとて、プレゼンが上手くなるわけではないし、売上が伸びるわけでもありません。しかし数分で読めるネット記事では得られない、深い学びがありました。

人はどう生きるべきか、リーダーはどうあるべきか、人望とは何か。物語を通して描かれていたのは、人間の本質でした。二千年以上経った今、たしかにテクノロジーや社会制度は進歩しましたが、人間そのものは何も進化していないことに気付かされました。だからこそ歴史には、時代に左右されない普遍性があり、このような変化の激しい時代においても価値を発揮するのでしょう。今年は塩野七生さんの著作集でギリシア・ローマ時代を毎日学んでいます。

「人生において大切なことは『免疫』をつけること。教養が免疫となって、将来受けるダメージから逃れることができる。人の一生は短いから、自分の経験だけで免疫を作るのでは不十分」

コロナウイルスの影響で先行き不透明な今、余計に塩野さんの言葉が重く響きます。

(地域情報紙『はまかぜ』横須賀・三浦・湘南版 2020年04月10日号)

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