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仕事の役割が変わり、専門家になるのを諦め、短時間で大枠を掴む勉強をはじめた

私はサイエンスをじっくり学ぶのが好きだ。
数式や物理法則で記述される自然現象を解読するのはとても難しい。

だけど理解できた瞬間や仮説を立証できたときの快感は他には代えがたい。
なんというか難しいパズルを解いた瞬間に似ている。

そのため自分が研究開発の現場にいたときはひたすら学び、ひたすら実験するという日々を過ごしていた。

だけど今はデータサイエンスのプロジェクトマネージャーをしている。
自ら実験をすることはないし、データ分析やプログラミングを自分でやるわけでもない。

しかもデータサイエンスやAIの業界はものすごいスピードで進歩する。
ChatGPTが話題になったのは約1年前。
だけど今は当たり前のようにみんな使っている。

本当はデータサイエンスも基本的なアルゴリズムからじっくり学びたい。
だけどじっくりコツコツ学ぶ時間がないのもまた事実。
なので最近は「短時間で大枠を掴めること」を心がけている。

技術の概要を知らないとプロジェクトが分からない

私はメーカーで複数のデータサイエンス活用テーマを管理している。
各テーマで使われる技術は様々。
もちろん詳細は話せないのだけど、データサイエンスから情報通信まで様々な技術が使われている。

そして私はもともとデータサイエンスの専門家ではない。
あくまで化学メーカーでデータサイエンスを「道具」として使ってきただけだ。
そのため最新技術の詳細を理解しているわけではない。

だけど会社で仕事を進めるためには幹部への報告や他部署への説明が必要。
そんなときはプロマネの私が報告役になることが多い。
だから「最近の技術は全くわかりません」というわけにもいかない。

一方で「イチからじっくりデータサイエンスを学んでスペシャリストになろう!」という時間もない。
イキって分厚い教科書を買ったところで、読み終わる頃にはプロジェクトも終わってる。

大事なのは「今まさに進んでいるテーマに使われている技術」を知ることだ。
だから私はその分野の入門書をサーっと読む。
1冊読むだけでも基本的な単語や考え方を学べるのでだいぶ話しやすくなる。

とにかく短時間で学ぶことが大事なんだ。

実務者のほうが技術に詳しいと認める

短時間で概要を学び、専門性を深めることは一旦諦める。
この考え方は正直受け入れたくなかった。

だけど自分の立場と状況を考えたらそうも言ってられない。
テーマは毎日進んでいくし、自分がトンチンカンな報告をしてテーマがポシャったら目も当てられない。

だから素早く概要を掴むことを優先する。
本当に学びたいことは長期連休にじっくり学んだらいいんだ。

そして「自分が専門家ではない」と認めるならば「実務者のほうが詳しい技術もある」と認める必要がある。
昔だと「地位が上の自分のほうが全てにおいて詳しくないといけない」と思っていた。

だけどそうじゃない。
「現場に任せる」必要がある。
だって自分が最新の技術を知らないのは事実なのだから。

むしろ自分にとっては特定の技術を極めるよりも「分かりやすいパワポを作る」スキルのほうが重要かもしれない。
パワポのおかげで会議が前に進んだり予算を取れるのならば、そっちを学んだほうが良い。

正直に言うと、自分が技術の現場から離れるのはさみしい。
そもそも私はパワポの資料を作るのが好きじゃない。

だけど結果的にプロジェクトが前に進んでいるのならば、自分も貢献できているはず。
以前に「好きなことと得意なことは違う」という記事を書いた。

今の私にとっては「プログラミング」や「データサイエンス」は「好きだけど得意じゃない」かもしれない。
だけど「資料作り」は「嫌いだけど得意」なのかもしれない。

そうやって自分をなぐさめつつ、今日も資料の構成を考えるのであった。
まだ終わらない。

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