名古屋エンタメはいまだイス取りゲーム。

新番組のレギュラー、▲▲くんに決まったって。
あのイベントの司会、■■くんらしいよ。
また●●さんがやってるよ。

まぁ、エンタメ業界では日常茶飯事な会話である。

僕らが幼少期には「テレビ」「ラジオ」「新聞・雑誌(紙媒体)」が3大天下メディアだった。

芸能に憧れている人間は、この土俵に上がらなければ「芸能でメシ食っていく」なんて到底無理だった。

だから全員が目指したし、それは東京だけでなく、地方も一緒だった。

名古屋には、東海テレビ、CBC、名古屋テレビ(メ〜テレ)、中京テレビ、テレビ愛知、そしてNHK名古屋の地上波テレビ6局とZIP-FM、FM愛知、CBCラジオ、東海ラジオ、Radio-neo(最近閉局)などのFM/AM局があり、「ご当地タレント」になるには、上記のメディアに出ていることがほぼ必須だったし、それは今も変わらない。

がしかし、東京はすでに変わってきている。
いや、日本も世界ももう変わってきている。

いまさらだが、「SNS」の台頭で、我々が当時憧れていたテレビやラジオの価値が激変してしまったのだ。

当時、テレビやラジオを「マス・メディア」と呼んでいた。
「マス」とは、大多数のユーザーに届けられる…という意味でつけられた言葉。

それを考えると今のTVやラジオはもう「マス・メディア」ではなくなってしまっているのだ。
・・・とはいえ、進んでいる地域を除いては、いまだに絶大な影響力を誇っており、「マス・メディア」候な存在のままである。

さて、言わずもがな、名古屋は日本の第3都市。

・・・が、ことエンタメに関しては「魅力がない街ナンバー1」の称号を賜り、「おもしろい街」であると地元民も到底いえない。
なぜなら…エンタメが少ない。エンタメに興味が少ない。エンタメでビジネスをしようなんて考えたこともない。これこそが名古屋だからだ。

そう。名古屋は、コンテンツビジネス(権利ビジネスともいう。)に興味がなさすぎるのだ。

名古屋が日本の第3都市なのは、「工業・輸入&輸出産業」が根幹を大きく支え、経済的に潤してくれているというのは周知の事実。

工業産業とは、「ものづくり」の世界。
ひとつ作って、消費者が購入しての繰り返し。

それに比べ、エンタメはどうだ?
トーク、ネタ、パフォーマンスなど・・・「もの」ではないことが多い。
それに価値がつく。価値がつけば、100倍にも10000倍にもなる・・・が、価値がつかなきゃいつまでも「0」だ。
そう「エンタメ」とは「夢を売る商売」とも言われるほど、工業産業に比べると、「ギャンブル性が高い」のだ。
そう考えると「アニメ」は工業産業に近い存在だし、この地方に親和性は高いと思う。


要は、我々エンタメ産業は、工業とは、ほぼ真逆のところにいる産業なのだ。


ここで歴史を遡ってみよう。
戦国時代や江戸時代・・・京の都へいく道中の、まさに要衝として栄え、かの織田信長、豊臣秀吉、徳川家康が生まれた場所であり、江戸時代には、尾張徳川7代目藩主徳川宗春公が、7代目将軍徳川吉宗の質素倹約令を強いられていた日本において、仕事にあぶれてしまった芸人たちを全国から尾張に呼び寄せ、芸をさせ、「芸どころなごや」と呼ばれるまでの街に昇華させたのだ。

・・・が、いまはそんな面影もなく、「名古屋飛ばし」といわれるほどエンタメにお金を落とす個人も企業も少ない地域へと変わり果ててしまったのでした。

そうなってくると、ここ名古屋で有名になろうと思っても、根本的にエンタメの仕事の数が少なかったり、先人たちがいるおかげで若手が仕事をもらえず、経験値やスキルも上がらず、結果ベテランへ仕事が回るという・・・名古屋芸能の血の循環が非常に悪くなってしまっている。のが現状。


・・・ただそれは、当時にように3大天下メディアしか存在しなかった時代なら、救いはなかった。
・・・が、世の中は変わった。

ネットの普及で、SNSという新たな発信プラットフォームが世界規模で生まれたことで、テレビやラジオに出るだけが道ではなくなったのだ。

もちろん「テレビ・ラジオに出られるということは一種の誉れ」に似たものがある。


しかし、純粋に表現者として売れる方法は、すでに数多存在する時代となったのだ。
「Youtubeで番組」を作って、配信すればいい。
ツイッターで動画やテキストを使って表現を配信すればいい。

もっと視野を広げれば、もっと広大なエンターテインメントの海がいまは広がっている。


昔ながらのやり方が…先人たちの作ってきた当たり前が強烈すぎて、なかなかマインドチェンジできないの我々にも責任がある。
が、もう明らかに新たなエンタメの時代に突入している・・・若者はすでに、SNSやテレビ・ラジオ、その他の発信源を柔軟に取り入れ生きている。それにまずは気づかなければならない。

「名古屋のエンタメに関わる人間」が、このことにどれだけ気づいているか?
それに合わせて、次なる行動へと移っているか?


日本の第3都市ということは、田舎と違って「人」もいれば、「お金」もある。
今はそうかもしれない。
だが、この先10年後も同じ産業がこの街を同じように支えているだろうか??

時代の変化はどんどん加速している。

そんな中、「工業産業」がいままで通り、最強で、永遠でいられるのか?
また、AIが普及し、機械的なことや計算、事務作業は、人為的ミスのないロボットにとって変わられ、人は仕事を失いだす。
工業産業なんてまさにではないですか?

ならば、ロボットが生み出せない「アイディア」や「クリエイティブ」なリソースそこが、今後の産業には必要なんじゃないのでしょうか?

僕は、すごく今の名古屋は危ないと思っています。


その反面、すごい可能性とパワーを秘めた街でもあると思っています。


ただ、そのことに「気づかないと」、行く道はどんどん危険なゴールへと誘われてしまうでしょう。

タレントもそうです。
先人たちが築き上げた絶対的なシステムに当てはまろうとするだけじゃなく、新しい戦えるフィールドを増やしていかないと、いずれ大阪や東京に飲み込まれてジ・エンドです。


だから、イス取りゲームしている場合じゃないんです。
一人一人が新たなフィールドを構築し、確立し、全国、世界で戦えるパワーとマインドを備え、
そういったメンバーたちで力を合わせて、次代の名古屋を作っていくべきなんです。

僕もまだまだ脆弱です。
ボイメンをつくった谷口社長は、僕にとって憧れの存在ですし、全く敵わない方だなと、2人でお酒を酌み交わした時に痛感しましたが、なんとかして谷口社長のような存在に自分もなれたら!と、僕なりに息を吐いて励んでいます。

まずは、手を組むにふさわしいレベルにまで自分の力を高め、蓄えることをしなければ、今まで語ってきたことがただのホラ吹きであり、遠吠えでしかありません。


だから僕は自分を追い込むためにも、賛否両論あろうが、口に出していくことにしました。

「コロナ」でリモートなどが一般化してきたことで、時代の流れが加速したと僕は思いました。

だからこそ、今のこの流れに乗れなければ、取り返しのつかないことになると僕は戦々恐々としています。

名古屋、みなさんは好きですか?
ぼくは大好きです。

だからやります。がむしゃらに。

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