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水に神を観るモロッコ&自然に神を観る日本/バヒア宮殿(モロッコ/マラケッシュ)

モロッコのマラケッシュでイスラム建築の傑作と言われ、19世紀に高官の邸宅として建設されたバヒア宮殿。色とりどりのモザイクタイル、漆喰の彫刻が施された壁、木彫りの壁や天井、様々な幾何学模様とアラビア文字など、初めて見る装飾に呆気にとられた中、最も心を打たれたのは、一番大きな中庭の真ん中に設置されていた「噴水」でした。

この水場は元々身を清める為にあったそうですが、最初に思ったのは、これは富、権力、豊かさの象徴で、それらを証明するために設置したのではないかということでした。しかししばらく噴水を眺めていると、これは「水の中に神様を見ている」のではとも思い始めたのです。雨量が少なく、砂漠に近いここモロッコに住む人々にとって「水」はイノチそのものであり、神様からのプレゼントです。だからこそ「水」への感謝の気持ちを忘れないために「噴水」を一番広く目立つ場所に設置したのではないかと思いました。

もしモロッコの人々が「水に神様を見ていた」としたら、それは「自然の中に八百万の神様を見る」私たち日本人にとっても馴染みの深い感覚です。宗教も習慣も風土も違うモロッコで、日本と同じような「自然の中に神様を見る」という感覚があったかもしれないこと。人種、文化、国籍など、私たちは「みな違うけれど、みな同じなんだな」と感じられたことに心を打たれました。

ArayZ11月号バヒア宮殿

噴水を中心にして、燃え上がり舞うイノチたちが水への感謝の波動を放ち、それが宇宙に響き渡っていく様を表現しました。お金と物が神様となってしまい、自然や神仏を尊ぶ感覚がなくなってきている現代だからこそ、今一度、自然への感謝を思い出し地球と仲良く生きよう、というメッセージが込められています。

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