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見えない世界からのメッセージ/ストーンヘンジ(イギリス・ロンドン)


世界一周旅、最初の国のイギリス・ロンドンでは、前々から気になっていたストーンヘンジに行ってみました。
なだらかな大草原の丘の天辺に配置された摩訶不思議な巨大石群サークル。
何もない大草原の中でジッと佇む石たちの前に立った時、僕は大きな衝撃を受けました。

ArayZ-8月号-「ストーンヘンジ」写真

石以外、何も無いのです。この巨大な空間を埋めるにはあまりにも小さすぎる。
そうなると、「目に見える石」にではなく「目に見えない今は無き人間ドラマ」に自ずと意識が向いてしまいました。
この辺りそのものが古代から神聖な場所だったらしく、
諸説ありますが、太陽崇拝の祭壇場、天文台、礼拝堂、儀式、祝祭、などに使われていたそうです。
どれだけの人間たちが、ここで音色を奏で、舞い、祈り、歓喜し、イノチを膨らませたていったのでしょう。
今ではそれらが全くの無に介しています。
僕はここで生まれた人間ドラマの大きさと重み、そして今は何も無いという清らかさに衝撃を受けました。
この石たちの裏側に潜んでいる深く静かで透明なドラマを絵にすることで、
ここに流れるイノチのリズムを現代に呼び戻したいと思って制作したのがこの絵です。

ArayZ8月号「ストーンヘンジ」

そして改めて思ったことは、この「透明なドラマ」はここだけでなく、何処にでも有りえるということでした。
今居る場所に静かに佇む古代から続く人間ドラマ、真下の大地の中に潜む無数の生物たちのリズム、
力一杯生きる自然たちのリズム、風と共に天空を流れる人間たちの祈り、、
周りを見渡せば何処にでも透明なドラマが流れていることに気づかされます。

その透明なドラマは、今を生きる僕たちの背中を押してくれている気がします、「だからお前は頑張って生きろよ♪」と。
そんなことを思わせてくれたストーンヘンジとの出会いでした。

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