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データミックスのビジョン・大切にしていること・組織文化・人材の話

株式会社データミックス 代表取締役の堅田です。データミックスに関心を持っていただき、ありがとうございます。

7000文字近い長文の記事ですが、データミックスの創業の経緯、目指していること、大切にしていること、組織文化や人材について包み隠さず書きました。気になる部分だけでも構いません。ぜひお読みください。


1. 創業の初期衝動

1-1. データ分析とスタートアップとの出会い

大学1年生に参加した統計学の勉強会がきっかけで、データ分析の世界に入りました。大学在学中はインターネット広告事業をしていたオプト(現デジタルホールディングス)でインターンとしてデータ分析の仕事をしていました。この経験を通じて、データ分析の魅力は、分析者自身の世界観・創造力と数理を組み合わせて新しい知見を発見することだと当時感じました。その感触は今でも変わりませんし、むしろ強まっています。同時に、ベンチャー企業であるオプトが急成長していくのを目の当たりにし、「将来は起業するか、経営者になりたい」とおぼろげながら思ったことを今でも覚えています。

1-2. 31歳からのデータサイエンス留学

大学卒業後、外資系メーカーのマース・ジャパンに入社し、その後、KPMG FASで事業再生のコンサルタントとして働きました。そして、MBA留学を計画していた2012年に「ビッグデータ」「データサイエンティスト」という言葉を見つけました。それが大きな転記になります。「自分の好きだったデータ分析を仕事にできるかもしれない」と思い、MBAからデータサイエンスの修士コースに方針転換しました。当時はアメリカでもデータサイエンスの修士コースは少なく、いくつかのコースに応募し、結果的にはサンフランシスコ大学のデータサイエンス修士コースを選びました。当時31歳で結婚して小さな子供もいる中、単身で留学するのは資金的にも家族との関係的にも、大きな決断でした。ただ、この決断は今振り返ってもとても良い決断だったと思います。修士コースでは、YoutubeやGoogleでキャリアを積んだデータサイエンティストのインストラクターたちの実務を踏まえた指導や、データサイエンスのコミュニティ"Kaggle"を作ったJeremy Howardのわかりやすくも厳しい指導は、データミックスのトレーニングにも大きな影響を与えています。

サンフランシスコ大学のM.S. in Analayticsの修了式

1-3. 帰国後に感じた「データ人材育成の課題」、そして起業へ

修士取得後は、帰国してデロイト・アナリティクス(監査法人トーマツ)とカメリオというニュースアプリを開発・運営していた白ヤギコーポレーションでデータ分析の仕事をしていました。楽しく仕事をしていましたが、「ビッグデータの時代にも関わらずデータサイエンスの学習できる環境が不足している」という課題も感じていました。また、データサイエンスへの情熱をもっと多くの人と共有したいという自分本位な思いもありました。そして、2017年、データサイエンティストを育成する会社をつくろうと決意し、データミックスを創業することになります。

半蔵門に借りた創業時の教室。20人も入らない小さな教室からスタートした。

2. 創業から今まで

データミックスは2017年に創業し、データサイエンススクール、企業向けのデータ人材育成・組織変革支援、データ人材の紹介、データ分析コンサルティングを事業としてスタートしました。順調に業績が伸びてきた2019年1月にシードラウンドの資金調達を行いました。その後、2019年にデータ分析実務スキル検定「CBAS(シーバス)」をリリースし、翌2020年、コロナ禍中にオンライン試験プラットフォーム「Excert(エクサート)」というSaaSプロダクトをリリースしました。そして、2022年1月にシリーズAラウンドの資金調達を実施しました。

2019年、2022年のラウンドで出資いただいた投資家の皆様

2-1. 気づいたのは、データサイエンスには社会を変える力があるということ

データサイエンススクールや企業向け研修、組織変革の支援を通じて、今後を左右する発見があります。それは、「データサイエンスは、ただの技術ではない。一人一人のビジネスパーソンが、組織のルールや論理から自由になり、個々人の課題発見力や解決力を引き出す営みだ」ということです。実際、データサイエンススクールの卒業プロジェクトを見ると、データサイエンスを学ぶビジネスパーソンは実に多種多様な課題を見つけ、解決していきます。それは、企業で行う人材育成も同様です。つまり、データサイエンスを学ぶ人が増えると、
一人一人の課題発見力・課題解決力が引き出される→
個人の集まりである企業の課題発見力・課題解決力が増大する→
多くの日本企業のビジネス課題ひいては社会課題の解決につながる
と確信しました。

データミックスの卒業生たちが取り組んだ課題の例

参考URL
データサイエンススクールで受講生が取り組んだ課題
データサイエンススクールの卒業生のインタビュー
データミックスのブランドサイト
法人企業向けのサービス

2-2. データサイエンスを学んだビジネスパーソンたちがデータミックスの財産

データサイエンスには技術以上の、課題発見力・解決力を引き出す営みであると書きましたが、データミックスのコミュニティにはデータサイエンスを学んだビジネスパーソンが約1万人います。もちろん、今後も増えていきます。データサイエンスを学んだビジネスパーソンの知見・ノウハウ・志を結集することで、日本の抱える人口減少・少子高齢化・気候変動・国際競争力の低下など課題を次々に解決できると考えています。

多種多様なバックグラウンドを持つビジネスパーソンの知見を結集すれば、たくさんの課題を解決できる。

3. データミックスが目指す世界

3-1. わたしたちが目指すデータサイエンスと"人との結びつき"による課題ドリブンな事業創造とは

上記の通り、データミックスは、「データサイエンスを学んだビジネスパーソンの知見・ノウハウ・志を結集することで、日本の抱える人口減少・少子高齢化・気候変動・国際競争力の低下など課題を次々に解決する」ことを目指しています。より具体的には、データミックスのコミュニティというソーシャルキャピタル(人と人との結びつき)を追い風に、データサイエンスやAIを活用した新規サービスやプロダクト開発を次々に行っていきます。

3-2. 社内スタートアップ

データミックスには、データサイエンススクールや企業研修を通じて、数多くの課題シーズ(事業性について未検証の課題)が持ち込まれます。それらの課題シーズから、ビジネスに昇華できる課題を見極めて、新規事業やプロダクトを生み出していきます。そのためには、社内スタートアップを立ち上げています。ここで事例を紹介しましょう。

Excert

事例:オンライン試験プラットフォーム「Excert」の立ち上げ

データミックスは2020年にコロナ禍中に、オンライン試験プラットフォーム「Excert」というプロダクトを開発しました。スタートしてから3年経過し、今では20万以上の試験にご利用いただいています。このExcertの立ち上げが、社内スタートアップです。

Excertは、「コロナ禍でせっかく作った『データ分析実務スキル検定(CBAS)』がテストセンターで受けられなくなってしまった」という困り事から、ある社員が構想し立ち上げたプロダクトです。立ち上げ当初は事業開発のメンバーとエンジニアの2名体制でしたが、その後、AIエンジニアやカスタマーサクセスのメンバーも加わり、チーム化されました。Excertチームは、事業計画はもちろん人材採用・給与水準・働き方などを自由に意思決定できるようになっており、まさに「社内スタートアップ」です。その結果、課題の仮説と検証を高速で繰り返すことができ、早い段階で「課題の手触り感」を獲得でき、高成長事業になりました。

参考URL
データ分析実務スキル検定のサービスサイト
Excertのサービス紹介サイト
導入事例紹介「東京商工会議所様」

データミックスは一見すると教育企業のように見えると思いますが、それはあくまで一面に過ぎません。コミュニティを中心とするビジネスパーソンが活躍するエコシステムであり、社内スタートアップを次々と生み出しスケールさせていく「事業創造集団」です。

4.大切にしていること

改めて「事業創造集団」を経営していく中で、強調しておくべき「大切にしていること」を書きたいと思います。それは、以下の3点です。

  1. 圧倒的に顧客と顧客の課題に寄り添う

  2. 手触り感のある顧客理解と事業理解をベースに仮説立案・検証の高速サイクルを回す。

  3. 成果に応じた報酬と抜擢人事を行う。

4-1. 圧倒的に顧客と顧客の課題に寄り添う

データミックスは創業以来、数多くの受講生やクライアント企業に支えられて、成長してきました。上述した通り、創業時は、20人も入ればいっぱいになる小さな教室に通ってもらった受講生の皆さん、創業間もない当社に仕事を出してくださったクライアント企業には感謝してもしきれません。

そのため受講生・卒業生、クライアント企業は言葉にできないほど大切で、片思いかもしれませんが「愛情」と表現すべきものだと思います。そのため、顧客の課題や困り事に対しては親身に寄り添うことを大切にしています。この姿勢は、データミックスの存在意義でもあるので、データミックスの1番目のバリューとして「相手よりも相手を理解する」と明記しています。

4-2. 顧客理解・事業理解をベースに仮説立案・検証の高速サイクルを回す

次に「仮説立案・検証を高速サイクルで回す」と一見、当然だと思えるステートメントですが、大事なのは「顧客理解や事業理解」の部分です。デスクトップリサーチや数名の顧客と会ったりして話を聞く「知ったかぶり」のレベルではありません。数えきれないほど顧客と会い、顧客でも言語できない課題を整理し、泥臭く課題解決に向い続けるという意味です。そして、顧客と向き合い続けた本人にしか語れない「ドロドロした手触り感のある顧客理解や事業理解」を大事にします。そして、仮説を月次でも週次でもなく日次で修正するスピード感で物事を進行させることを大事にしています。逆に言えば、日次で判断していくためには、「圧倒的な顧客理解と事業理解」が不可欠であるとも言えます。

上記を実践すると、経営陣よりも現場で顧客と向き合う社員のほうが当然、顧客理解や事業理解が深くなります。そのため、圧倒的な顧客理解と事業理解を達成している社員の判断は優先されます。ここで事例を見てみましょう。

事例:タイへの海外展開

タイの名門チュラロンコン大学と提携し、データミックスのデータサイエンス講座を垂直立ち上げしました。このプロジェクトを推進しているリーダーは、まさに顧客理解も事業理解も深く、大きな裁量を持って仕事を進めています。まさに仮説検証の高速サイクルの実例です。詳細はこちらのプレスリリースをご覧ください。

2024年3月にタイの名門大学チュラロンコン大学で、データミックスのデータサイエンス講座を開講。仮説検証を繰り返しながら、海外展開を素早く行う。

4-3. 成果に応じた報酬と抜擢人事を行う

データミックスの扱う課題は多種多様であり、また無形サービスですから個々人の努力や工夫で成果が大きく変わります。そのため、役割をによる固定給の他に成果に応じたインセンティブを組み合わせた報酬制度になっています。高い成果を出した社員は、社長である私よりもはるかに高い給与水準の社員も実在するほどです。その逆で、成果が出ない場合は、当然報酬・給与は減ります。成果をもってフェアな報酬制度を目指して、制度もブラッシュアップし続けています。

報酬だけでなく、ポジションについても同様です。年齢・学歴・バックグラウンドは一切関係なく、成果を出し、より高みを目指す人には大きな裁量と責任を担ってもらえるよう抜擢人事を行う仕組みがあります。例えば、執行役員は自ら立候補し取締役会でプレゼンテーションを行い、常勤取締役と社外取締役全員がOKすれば、執行役員になることができます。挑戦した結果、残念ながらうまくいかなったとしても再挑戦できますし、挑戦したこと自体も評価されます。

5. データミックスの組織文化とフィットする人材

ここからは組織文化や、フィットする人材について書いていきたいと思います。

5-1. 心理的安全性ではなく、知的探索安全性を重視

データミックスは創業以来、好奇心・実験・学習・挑戦を大事にしてきた会社です。特にIntellectual safety(知的探求安全性)を重視しています。知的探求安全性とは、「なぜ?どうして?と健全な好奇心を持って相手の意見やアイディアを深堀りすることを奨励し、論理的に相手の意見に反論することも良しとし、お互いに学び合い刺激し合う環境」です。

知的探求安全性と似た言葉で、Psychological safety(心理的安全性)という言葉があります。もともとの心理的安全性とは「アイデア、質問、懸念、間違いを率直に話しても罰されたり屈辱を受けたりしないという信念」とwikipediaにありますが、ご覧いただいた通り、知的探求安全性ととても近い意味です。

しかし、最近では心理的安全性が曲解されているケースも見られます。例えば、それを「お互いに反論や意見しあって傷つけないことを重視する文化」だったり、「楽しく和やかな、(場合によっては緩い)雰囲気」であると勘違いしている人もいます。

知的探求安全性がなぜ重要かというと、データミックスはデータサイエンス・AIやビジネスの知識・ノウハウ、顧客の深い課題と向き合って勝負している会社ですので、意見やアイディアをお互いに戦わせられなければ存続できません。そのため、あえて誤解を招きかねない「心理的安全性」という言葉を使わずに、あえて「知的探索安全性」を大事にしています。

5-2. 全社員に求められる学習俊敏性と言語力

繰り返しになりますが、データミックスは、データサイエンスやAIが事業の中心で、最新の知識・ノウハウを中心に回っている会社です。知識やノウハウなしでは仕事になりません。そのため、全ての社員が学習・インプットに前向きであり、素早く知識やノウハウを吸収しなくてはなりません。その際に、大事になるのが、学習俊敏性(Learning Agility)です。

加えて、言語力も働く社員全員にとって重要なスキルです。なぜなら、データミックスのアセットは、コンサルティングの成果物であるレポート、研修で活用している教材といった文字で書かれたものです。知識・ノウハウを共有する際に、抽象的な文章を読み解き正しく解釈すること、また自身の考えを正確に文章で書ける「言語力」が必須になります。

データサイエンスの勉強会をしたり、バースペースで月1回パーティーを開催しています

5-2.どのような人に向いているのか?

ここまで読んで、読者の皆さんは、データミックスの組織文化は、万人にとって居心地が良いものではなさそうだと感じていると思います。その通り、評論ばかりで行動に移さない人、成果ではなく社内政治で生きていきたい人、現状維持で満足してしまう人、新しいことを学習したくない人にとってはとても働きにくい会社でしょう。

一方、データミックスで仕事をすることが、将来の目標に近づく早道になる人もいると思います。例えば、以下の条件のうち、半分以上当てはまる人は、データミックスが、自身のキャリアにつながり、かつやりがいと刺激に溢れるフィールドになると考えます。

  1. 日本や世界の課題を解決したい思っている人。

  2. ビジネスの話題やディスカッションが好きな人。

  3. データサイエンスやAIの可能性を信じている人

  4. 立場ではなく、論理や創造力を大事にしたい人。

  5. 大きな裁量と責任を求めている人。

  6. 仕事の幅を短期間で広げたい人。

  7. 泥臭く、かつ素早く行動する人。

  8. 新しいことを次々にインプットし、アウトプットしたい人。

  9. 将来、起業したい人

  10. 経営人材になりたい人。

6. 最後に

データミックスでは、日本の抱える課題を、データミックスのコミュニティと共に解決していきたい方を募集しています。少しでも興味を持っていただいた方は、カジュアル面談にて詳細な会社紹介やポジションについてお話しさせていただく機会をいただければ幸いです。募集職種は以下のURLからご覧ください。

株式会社データミックスの募集職種
ご興味があれば、下記の弊社HPよりお問い合わせください。
https://datamix.co.jp/corp/recruit/


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