LiBが「Techとヒト」で挑む10兆円市場のゲームチェンジ
こんにちは。個人と企業のワークシフトで「新しい仕事のカタチ」を実現したいLiB松本です。
前回投稿した「会社が潰れかけた話」は想像を超えた反響を頂きました。
特に、多くのスタートアップ起業家から「実はうちも似た状況で・・・」と相談をいただく機会が増え、どこも遠からず近からず似たような経験をするのだなぁと、改めてゼロから企業を立ち上げる難しさを痛感しました。
さて、前回のnoteにて
とお伝えしました。ただ、これだけだとLiBが何を実現しようとしているのかは伝わらないので、今回は具体的に言語化したいと思います。
まだ社会実装されていない仕組み、行き届いていない価値提供を実現してこそのスタートアップです。LiBが世に数多ある人材系企業と似たような会社、いわゆる車輪の再発明ではなく「何が違うのか?、なぜ違うのか?」について記載したいと思います。
この記事では主に
・人材業界ってつまらないでしょ?(他社と似たようなサービスでしょ)
・どうせ労働集約型のエージェント業以外、やってないでしょ?
・転職マッチングなんて技術の貢献余地が低いでしょ?
と思っているモノづくり人材(エンジニア、デザイナー、PdM)の方々に「その観点だと少し面白いかも・・・」と思って頂けることを目指して書きたいと思います。
時間のない方は、このサマリーだけでもお目通しください。
転職サービスにおける負の側面
問題提起① 負の体験を生み出すリボン図問題
まず、世の中の転職サービスは企業側からお金を頂くモデルです。
結果、収益=採用決定数(以下、決定数)となるため、どこも例外なく企業情報(求人募集)を集め、そこに応募する転職したい個人を集め、決定数の増大を目指します。
よってサービス規模を拡大するためには
という、いわゆるリクルートさんが発明したリボン図型の事業構造の中で競っています(1つの時代をつくった偉大な発明とリスペクトしています)。
よって転職系サービスと言えば、技術もロードマップも
企業から採用に必要な情報(企業、求人)を収集する
個人から転職に必要な情報(経歴、スキル)を収集する
収集した両方が繋がるためのアクショントリガーを作る
この3つを作り込んでいるケースがほとんどです。だからこそエンジニアやPdMの方からすると、転職系サービスと言っても「あぁ、またあれね」とあまりウケがよろしくないのだと思っています。
要するに、世の転職サービスの99%は
個人には「もっとたくさん応募しませんか?」(いいね!を押して企業と会いませんか?)
企業には「もっと会いませんか?」(たくさんスカウトを送りませんか?)
と双方に量的アプローチを加速させる力学設計になっています。
「収益=決定数」なので、事業者側がこちらに傾倒していくのはビジネスとしてはわかりやすいのですが
1つのマッチングを生み出すために、その背景には何百通ものスパム化したスカウトを受け取るユーザー体験や、そのスカウトを送信するために投下される企業側の工数、、、という負が犠牲となっています。
ただでさえ情報過多の時代に、双方がとにかく量と量でぶつかり合う、という設計は最適なのでしょうか?(現時点ではLiBもこの構造から脱却できていない点が残っており他人事ではありません)
問題提起② 手段が目的化している転職活動
そもそも「転職活動の成功」自体は目的でもゴールでもありませんよね。転職というアクションは「より良い未来を実現するための手段」であるべきです。
であれば、本来は考える順番として
インプットによって自分の視界や価値観を広げる(自己認知の獲得)
よりワクワクする未来図へアップデートする(未来の解像度を高める)
その未来図と現状のギャップを埋めるために、より良い環境を獲得する
というステップであるべきで転職は3の具体アクションです。よってまずは1&2が大切であり、それを叶えるための3であるべきです。
しかし収益=決定数なので、ステップ1&2に時間を割きたくても割けないのが転職ビジネスの辛いところで、この構造的な問題は人材サービス業界全体として解決できていません。
1.客観視&情報のインプット
2.自己認識と価値観のアップデート
3.叶えるためのアクション
・・・と言うとちょっと難しく聞こえるかもしれませんが
など似たような経験が誰しもあるのではないでしょうか?これは個人のみならず企業も全く同じ構造です。
など、多くの企業では当たり前のようにフィードバックを経営に活かしているはずです。
LiBの考えているアプローチ(他と何が違うのか?)
ここまで書いたように、現状の転職系サービスの多くは最終的なアクションの量を個人と企業に強いる構造となっています。
ですが、この流れに「ちょっと待った!」というアンチテーゼを唱えたい。
とは言え、「どう在りたいのか?」という部分にフォーカスして「コーチング」や「有料型の個人キャリアカウンセリング」に特化していく方向では考えていません。
なぜなら「どう在りたいのか?」と「それを叶えるためアクション」は切っても切り離せないぐらい密接に繋がっているのでワンストップなUXとしてサービス提供されるべきであると考えるからです。
この2つを切り離してしまうと
・在りたい姿は見つかったが、具体的に手に入れる方法は担保されなかった
・転職は叶ったが、それが本当に自分の未来につながっているか確信が無い
とサポートの断絶による不都合な体験が発生します。
LiBが理想とするのは客観視&情報のインプット、自己認識と価値観のアップデート、叶えるためのアクションが1つの体験として繋がる、本当の自己実現サポートです(※自己実現を叶えるための最適なアクションは転職に限りません)
よって、適切なインプットによって認識がアップデートされることで、はじめて適切なアクションが生まれると考えているLiB発明のコアは「組織と個人の行動変容が生まれる仕組みをつくる」という一言に集約できます。
※「組織と個人の行動変容が生まれる仕組み」についてはLiB取締役(近藤)が書いた上記のnoteに詳しく書かれています
なぜ技術が必要なのか?
転職サービスを使ったことがある人なら分かると思いますが、とにかく入力項目が多い。
それは量的アプローチのためには、企業と個人の情報量が必要だからです。
しかもその入力の大部分が職務経歴書に代表されるフリーテキストです。フリーテキストという存在がどれだけ厄介なのかはエンジニアで無くても分かると思います。
各社どこも口を揃えて「我が社の資産はデータです!」と言いますが、雑な言い方をすればフリーテキストで集めた情報がどれだけあっても、有効に活用できない物であれば事業優位性になり得ません。適切な収集方法・蓄積方法・活用方法の3つが統一されてこそのデータ資産です。
その為には「全てが既定値化された状態での情報収集」と「既定値情報を効率よく収集するための仕組み」が必要となります。
LiBがコア発明と掲げる「組織と個人の行動変容が生まれる仕組みをつくる」は言い換えると以下のように整理ができます。
一番詳しい人が、自分で手を動かす世界
ちょっと話が脇道にそれるのですが、仕事において伝言ゲームほど生産性を下げる物はないと思っています。
本当なら、UXはPdMが自ら手を動かすことで高速PDCAを実現、エンジニアも自分が掘り下げるべき設計や開発に没入する、が理想ですよね。
LiBはこのような思想から「一番考えている人(詳しい人)が、直接手を動かせる仕組み」にこだわっています。
LiBでは、自身で実装まではできないPdM、エンジニアリングの知見が薄いPdMでも短期間で自ら企画→設計→仕様変更までエンジニアの手を借りずに直接プロダクトのPDCAを回せる仕組みがあります。
お世辞抜きに見ても、成長したいPdMと、業務に集中したいエンジニアにとって良き環境が出来つつあると自負しています。
なぜ急に伝言ゲームについて言及したかと言うと、「一番考えている人(詳しい人)が、直接手を動かせる仕組み」という思想は、LiB社内に閉じた話ではなくLiBのサービス思想そのものだからです。
例えば、採用においても「欲しいエンジニアのスペックが一番わかっているのは、上司となるエンジニア」じゃないですか?
でも量的アプローチによって、スカウトをエンジニアに任せられない=人事担当が社内外注(伝言ゲーム)することで、この広告のような非効率が発生するんですよね。。
これって人事の方も大変だし、スカウト受け取る個人側から見ても精度の低いスパムが増えるだけなので、本当に誰得でも無いと思います。
よってLiBは解像度高く既定値化された情報を武器とした「質的アプローチ」で伝言ゲーム撲滅を目指したいと思っています。
Techとヒトの共存
LiBが提供したい顧客体験の実現は、ヒトだけが頑張る「ザ・労働集約」では叶いません。
一方で、転職という局面は人が丁寧に寄り添い確認し、意思決定をサポートすることも重要な価値提供となります。
LiBの基本思想はTechかヒトかの極論では無く、まずはTechだけで成立するプロダクトを作り、空いた時間でヒトはプラスアルファの価値創造に集中することで、Techとヒトのハイブリッドでしか出せない価値を生み出す、です。
「人間が人間でしか出来ない価値提供に集中できる」という状態が実現されてはじめて、他社と差を生むリッチなユーザー体験につながると考えています。
逆に言えば「人間が人間で無くても良い仕事に手が取られている状態」では本当に価値あるサービス提供はできないのだと思います。
どんな市場にアプローチするのか?
航空業界でも昔は「予約業務というTechで完結可能な仕事」に人の時間が割かれていたが、DXが進んだことで「カスタマーサービス」というヒトでしか提供できない仕事の割合が増えた、と。
LiBもつまらない言い方をすれば、真の意味で人材サービス市場をDXしようとしています。
パーソル総合研究所さんの資料によれば、人材サービス市場は約10兆円にも迫る巨大市場であり、今後、フリーランス/副業/兼業/リモートワークの普及などにより一層の拡大が予想される超有望マーケットです。
しかし現在、人材サービス市場の事業者はどこも漏れなくリボン図型の量的アプローチです。
ここにLiBは
・異なる切り口での価値提供(マッチングそのものではなく行動変容部分)
・異なる切り口でのゲーム設計(質的アプローチ)
という全く違うゲームルールを持ち込むことで本気でジャイアントキリングを狙っています。
なぜLiBはココにフォーカスすると決めたのか?
それは「7年間に積み重ねた失敗」によるものです。
LiBは創業から7年間、女性のキャリア支援に特化して事業を展開してきました。
当初、LiBも例外なくリボン図の量的アプローチで事業を組み立てていましたが、私たちがターゲットとしていた働く女性たちは、この図のように転職活動前の解像度(当時はモヤモヤフェーズと呼んでいました)を上げないとアクションが生まれづらいという特性がありました。
要するにリボン図型の量的アプローチが通用しない領域でした。
そんな難しい領域で、ポジティブに言えば誰よりも早く、多く失敗することで量的アプローチの限界に気づけたとも言えます。
急速に個の時代へと価値観が変化する現在において「自分にとっての幸せは何か?」「自分が必要な選択は何か?」という問いは、誰しもにとって時代の命題とすら言えます。
しかし、消費者に選択肢を提供するマッチング事業者側のアプローチは、転職のみならず恋愛でも家探しでも、業界を問わず未だ「リボン図」が主流であり、言い換えるとLiBが苦しんだ構造は、今後、多くの事業領域で顕在化すると思っています。
LiBは、Techとヒトの掛け合わせによって「組織と個人の行動変容が生まれる仕組みをつくる」ことで、この国にLiBのvisionでもある「生きるをもっとポジティブに」を実現しようと本気で考えています。
長くなりましたが、これがおこがましくも身分不相応にLiBが抱える野望です。
力を貸してください。
いかがでしたでしょうか?
このnoteを読んでくださった方に「LiBって単なる労働集約的なエージェントじゃないんだな」、「データ思想、プロダクト思想でゲームチェンジを狙っているんだな」という2点だけでも伝われば、書き手冥利に尽きる思いです。
現在、プロダクト人材の転職においてはバーティカルSaaSが大人気です。
一方で「転職系」というと古臭い匂いがすると思いますが、特定領域の効率性を高めるソフトウェアも素晴らしいですが、問いや課題の広さとして「ちょっと狭いな・・・」と感じる方もいるのではないでしょうか?
そんな中「人と組織の行動を仕組みで変容させ、双方にポジティブなアクションを生み出す →それによって日本を進化させる」という大きなテーマと愚直に向き合う弊社に
少しでも興味を持ってくださった方に力を貸して欲しいと願っています。まずはカジュアルにお話からさせてください。
ここまでお読み頂きありがとうございました!
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