さよなら2021年

“毎月決まった日 振り込まれてくるお給料のように平和はもう僕らの前に当たり前に存在してくれないけど”

大好きなミスチルがこんな歌を歌っていたのはもう20年も前のこと。
当時はアメリカ同時多発テロからのイラク戦争が世界を席巻するニュースだったのだけれど、20年経ったの今の方が、この歌詞をより鋭利に実感として感じています。個人的にも、昨年よりも今年の方がよりコロナ禍を感じた1年でした。

と同時に「このままではいけない」と世間に対しても自分に対しても強烈に思い知らされ、一歩踏み出せたような気がする1年でした。

かなり衝動的に動き始めたのが動画の撮影と編集です。
『ミュージックビデオをいつか作ってみたい』
そんな野望を密かに持っているのですが、まだ知識もないし、ましてや機材やそれを買うお金も時間もない。でもいつか、きっといつかと誰にも言わず胸に閉まってのうのうと生きておりました。

ある3月のこと。何かきっかけがあったわけではなかったのですが。同じような1日、1週間、1ヶ月と過ごしていく中でいつかいつかと何も始まらない夢物語。
そんな中、当たり前のようにテレビで見ていた人が急に亡くなる。
コロナが落ち着いたら飲もうねなんて言ってた人たちとどんどん距離が広がっていく。
そんな現実にふと立ち止まって「やばい、このままだと、”いつか”の前に死ぬ」と思い立ち、気がついたらスマホ片手に加茂山公園を目指していました。
(なぜそこだったのかも特に理由はありません)

ただただYouTubeで見た手法を真似しながら、動画作りに熱中していた期間がありました。不甲斐ないことに秋頃までにはその勢いは止まったままでいるのですが、新しいPCを購入した今、動画編集の幅を広げようと画策中です。
とにもかくにも、久しぶりに自分で新しい何かを開拓した感じがしました。


5月には、前職で知り合ったSouer+のお二人に誘われて新潟劇王に参戦し、ありがたいことに初代劇王チームとして表彰いただきました。
その中でも感じたのは、新潟演劇の場において
「自分はもう後輩から見られる立場にある」ということ。

何の経験もなくノリと勢いだけで始めた演劇。
2〜3年目は何をやっても良いねと言ってもらえて調子に乗っていた演劇。
4〜5年経って、良く見せようとすればするほど良くないと言われ続け、ああもう絶対向いていないやめちまおうと思った演劇。
恥を見せ散らかすくらいヤケクソにやってみて、ようやく「ちょっと良いじゃん」と言われてなんだそれ?ってなった演劇。

そして今、演劇を始めて10年くらいが経ち、劇団にも所属し、ようやく自分で自分のいい時と悪い時が少しわかり始めた演劇。
気がつくと自分より年下の人たちと作品に関わるようになり、それぞれが自分と似たような踠き足掻きや苦しみを持っていることを知り、少しでも踏み台にしてくれればと、自分の経験や考え方を伝えるようになりました。

そんな風に、演出としてではなく同じ役者の立場から一緒に悩める立ち位置に少しずつシフトしていることを知れたのも今年の大きな収穫でした。

そして年明けすぐ、1月末にはまた一つ舞台に出させていただきます。
そしてそして、所属のAccendereも悔し涙を飲んだ今年の本公演を実現させるべく密かに動き出しています。(主に代表と岡田が)

稽古場がポジティブな実験場になるような、そして周りの恥を上回る恥を撒き散らかして良い意味で力を抜いてもらえるような俳優になっていけたらと思います。


仕事面でも、個人的には大きく取り組みが変わったような気がしています。
今までもどんな仕事も基本業務をこなすくらいにはやれていた自覚があります。
しかしいつも1〜2年経つくらいのタイミングで”自分の価値観を大きく変えないと乗り越えられなさそうなビジネスの壁”みたいなのにぶち当たって、その度に「ここに向いてない」と決めて次の職場を求めて生きてきました。

今の職場でも、いよいよそこにぶつかったような感覚がありました。
しかし私も次で35歳。そろそろ「いい奴そう」で採用が決まるような年齢でないことは自分も痛感していましたし、ここで成果を上げられないようならどこに行ってもまた同じことの繰り返しだと思うようになりました。
そこから、今まで目を背けてきたビジネスマインドと数値に向き合うようになりました。

ポジティブな「変わろう」ではなく、ネガティブな「このままだとやばい」という切羽詰まった心境だからこそ動けたのだろうと思います。12〜1月にかけての売上に関しては、会社目標の140%という成果を出すことができました。

ただ、これは自分一人の力量ではなく、同じ職場のメンバーの支えがあってこそのものだということも感じることができました。
これからは営業や経営と同時に、チームワークやマネジメントにも本気で取り組んでいく次第です。

そして最後に。
こうして色々なことに一歩なりとも前進できたのも、いつも安らぎと英気を与えてくれる新居、そしてそこで一緒に過ごしてくれる妻の存在がとてつもなく大きいです。

新居はほんと良い家です(自慢ばかりですみません笑)。
でもやはり妻がいなくなった途端、なんてことのない、普通の住宅になってしまいます。

彼女にとっても初めての転職をして、大きな転機の1年でした。
にもかかわらず、いつも穏やかに前向きに私の側にいてくれたからこそ今年を健やかな気持ちで振り返れているのだと思います。

酔った勢いで長々と書いてしまいました。
来年は、今年以上にあっという間に過ぎてしまう気がしています。
それでもまた「今のままじゃやばい」という危機感だけはいつもどこかに忍ばせながら、楽しく、懸命に、そして穏やかに日々を紡いでいけたらと思います。

そして、会えていなかった大切な人たちとの距離がもう少し縮められるよう過ごしていけたらと願うばかりです。

それでは皆様。良いお年をお迎えください。

”今年こそはきっとあなたにたくさんのいいことがありますように”

さよなら2001年/Mr.Children


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