［80］ 星々の歩み

白い吐息の行き先
見あげると
星空は　胸のときめき
冬のダイヤモンド
さまざまな想いが　詰まっています
おおいぬ
こいぬ
オリオンと
感じられる者には感じられるのです

あなたの声を聴かせてください
あなたの声にならない声を聴かせてください

ひとつ　選べるのなら
あのほしです
あのほしに惹かれます
シリウスでも
プロキオンでも
リゲルでもなく
名前もわからない　あのちいさなほしです

ひかりが望めば
となりのほしともつながれるでしょう
うつくしい輪だってできあがるでしょう
深い愛情で
手を伸ばしひろげれば

星空は　胸のときめき
冬のダイヤモンド
さまざまな表現で　満ちています
ぎょしゃ
ふたご
おうしと
感じられる者には感じられるのです

あなたの抱えるものを込めてください
あなたの抱えきれないものを込めてください

ひとつ　選べるのなら
あのほしです
あのほしに惹かれます
カペラでも
ポルックスでも
アルデバランでもなく
名前もわからない　あのちいさなほしです
詩とともに歩むひとたちが
こぞって見惚れてしまうという
あの歩詩（ほし）の光彩が
たまらなく
愛おしいのです


※幻想宇宙でうたう星々
（胸がときめく星の声　後編）【了】