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世界チャンピオンと五輪メダリストの考え。

こんにちは中谷です!
アメリカ編ついに完結しましたね!
思っていたよりも多くの人から読んだよ!などと言った感想をいただけて本当に嬉しいです!

今回のノートを見れば世界チャンピオンや五輪メダリストの方の考え方にほんの少しだけ触れれます。

今回は僕の同期の松見一希(仙台大出身)が経験したある出来事について感じた事などを綴っていきたいと思います。松見一希のプチ紹介は誰得情報なので興味のない人は目次から飛ばして読んでください。

松見一希のプチ紹介

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出身は僕と同じ大阪府。体操開始年齢は2歳という驚異の早さ。一希の経歴は大阪の名門クラブ四天王寺スポーツクラブから全国屈指の強さを誇る清風高校に進学し、仙台大学でキャプテンを務め、現在徳洲会体操クラブに至ります。

得意種目はゆか!一希のゆかはとにかくひねりまくる。ひねる感覚が桁外れに優れており、難しい高難度の技もバシバシ着地を止められる。
日本の中でも彼ほどひねれる選手はあまりいないと思う。

そんな一希の凄いところは圧倒的な練習量だと感じる。
一緒に練習し始めてからまだ半年しか経っていないが彼の練習量の多さには驚かされる。
だいたい最後まで練習しているのが一希と岡慎之介、石澤ひろとの3人である。
いつも彼らが体育館を出るのは9時半くらいだ。朝も9時半くらいにくるから体育館に12時間滞在していることになる。もはや彼らにとっては家かもしれない。

松見

興味がない人が多いかもしれないがそんな一希にも趣味がある。
徳洲会体操クラブのホームページの一希のプロフィール欄には映画鑑賞と書いてあったが、多分そんなに見ていない。
本当の一希の趣味はラーメン巡りである。またはグルメ好き。いつもこれ美味しそう。これ食べたい。と言っている。
この間なんか江ノ島のかき氷が食べたかったのに雨でめんどくさくて行けなかったから絶対に来週の日曜日食べにいくねん!と練習中に僕に言ってくるほどの美味しいもの好きである。

そんなのほほんとしている松見選手にも不調な時期はあったのだ。

松見不調

あれは確か徳洲会に来てから間もない頃だったかな。
ゆかの着地の足首の捻挫から始まり、平行棒の前方ダブルハーフで横落ちして肘を痛め、なぜか分からないけど、腰と手首も痛くなり体のキレも落ちて思うように練習できなかった時期があった。

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環境の変化、慣れない2部練(朝からと昼から休憩を挟んで2回する練習のこと)理想と現実のギャップなどなどたくさんあったと思う(勝手な僕の想像です笑)

それでも妥協することなく練習に打ち込んでいました。

そんな努力家な一希ですが、頑なに譲りたくない部分がたくさんあります。
例えば跳馬のドリックスという技を飛んでいるのですが、アップではいつも立つのでギリギリなアカピアンをとんでおり、どう見てもドリックスをとべるアカピアンじゃないんです。でも通しになったら別人のようなドリックスをとびます。
いや、通しでできるんだったらアップでももうちょっとちゃんととぼうよ。って話になると「いや、通しになったらとべるから別にいいやん」的な感じなのです。

僕も一希とそういうところは似ている部分がたくさんあるのでめっちゃ共感できます笑
(ちなみに今はアップからドリックスを行えるようになっています)

良い、悪いではなくてしっかりと自分の中で考えがあって決めていることはぶらしたくないと考えているのだと思います。

人間の2つのタイプ

僕が入社直後尊敬する先輩である亀山耕平さんに言われたのが、ビジネスで言えば売り上げを100万目指すのと1000万目指すのではスタートの時点でやり方が全然変わってくる(金額の大きさは詳しく覚えてないので少し適当です笑)。何を売るか、どこで売るか、誰に売るか、いくらで売るかなど、、、

これを体操で置き換えると85点目指すのと83点目指すのと81点目指すのでは選択する技、練習方法、考え方が変わるということです。
Dスコア31しかないのに85点目指すというようなものです。

僕的な見解ですが、人が何かを頑張る時って大きく分けて2種類に分かれると思います。

1、トップダウンタイプ

2、ボトムアップタイプ

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トップダウンとは目標を明確に設定し、その目標から現在地までを逆算し出てきた課題を徹底的にこなしていくタイプ。必要最小限のことだけを行い、ゴールまで最短ルートで進む感じ。
ボトムアップとは今の自分より少しでも前に進む、成長しようとすることに貪欲で目の前に面白そうなことがあったらすぐに飛びつくタイプ。木の幹に葉っぱをつけていくようなイメージ。

この2つのタイプの行動基準はトップダウンはその人の「価値観の関連度」(自分の目標にどれだけ関係があるか)ボトムアップは「ワクワクするかどうか」です。

これを体操選手に例えると技練をやたらとやりたがって新しいことに挑戦するのが大好きな人などがボトムアップに当てはまると思います。
次にトップダウンタイプで言うと、練習計画ない練習はあまりやりたがらず、出来るだけ無駄を嫌う、演技構成を作る時に味のある捌きや流れよりもコストパフォーマンスを重視して、セオリー通りの演技のクオリティーを高めようとする人に当てはまると思います。

僕が今までいろんな体操選手を見てきて、また自身もやってきて感じることは

成果を出すのは圧倒的にトップダウンタイプだ

そもそもボトムアップタイプはやらないといけないことよりもやりたいことを優先にしがちなんですよね。そこの優先順位を間違えてしまうとやっぱり成果は出しにくいと思います。
例えばトレーニングや基礎練習、反復練習などが顕著な例だと思います。長い期間同じことをやり続けなければならず、また成果も見えにくい。だからやってる感がなく面白くない。しかし、そこをやらずにトップまではなかなかいけないです。

だからと言ってボトムアップタイプのことを全否定してるわけじゃありません。

と言うと僕も圧倒的にボトムアップ人間だったからです。

こっちのタイプの人は目の前のことに対する集中力や没頭する力、またやりきる力って言うのが計り知れないくらいあるんだと思います。
ゲームを一生本気でできるやつとかもこっちのタイプに近いと思いますね笑
トップダウンだと「このゲームしたところで俺に何の得があるんだろう?」って思うんじゃないですかね笑

だから大事なのはどちらの考え方を持つことだと思います。元々のタイプは根本から変えるのは難しいと思うので自分とは違う考えを取り入れてみよう!また考えを取り入れるって言うのはよくわからなくてイメージがわかないって人は自分とは逆のタイプの人で成果を出している人をモデルにやってみるって言うのが良いと思います。

ただただ楽しいのはボトムアップだと思います。でも僕は結果が欲しかったし、目標を達成する喜びを味わいたかったからトップダウンのやり方を大学時代に実践しました。その時は前野風哉(現セントラルスポーツ)さんを手本に恩師である村田先生の指導のもとやりたいことよりも勝つためにやるべきことを淡々とやっていたら高校時代全国大会の予選で負けていたのに、鹿屋で全国3位に貢献できるくらいになりました。

僕自身まだまだやりきれていない部分や、考えが足らないからこそ日本代表やナショナル選手になれていないと思うので常に試行錯誤しながらこれからも頑張っていきます。

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刀狩り

途中から僕の話になりかけたので話を戻します。

先ほども書いていた通り、一希はゆかを武器に戦う選手です。一希自身6種目で点数を取るためにも種目別で戦っていくのもゆかにかかっている部分が大きいです。

しかし、その時期は一希も調子があまり良くなく、得点源のゆかで全然点数が取れずに6種目で全然目標点数に届いていないと言う状況でした。

その時の一希の目標点数が83点。普通にやれば全然取れる点数です。そしてゆかのDスコアが6.3〜6.4でした。去年まで普通に通っていたのに思うように通らなくて14点後半を取れるはずなのに12点代なんてこともありました。

そう言う状況が続いたためスタッフで多分話合いがありそして田中和仁さん(めっちゃ優しくて大好きな体操をしてた。)が「とりあえずまずは83点取れるように戻そうよ」と言う話になり、その時によく一希が失敗していた4節目の後方三回半ひねり(いやそもそも4節目でする技じゃない。ちなみに技名がゴンザレスって言うんだって。みんな知ってた?笑)E難度を2回ひねりにしようと提案をしてくれました。


これに対して一希は反対の意を示しました笑
「俺はゆかの選手なんだ」「そこでDスコアを下げても何の意味もない」
しかし、目標点数を先に取りたいんじゃない?と言う問いに対して彼自身もたくさん葛藤していました。

なぜ葛藤するかと言うと冒頭の亀さんの話と一緒で一希自身の目標は83点で終わりじゃないからです。日本代表になって世界で戦うためにとりあえず今は83点取っておきたいなって言うステップだからこそその先をみるとDスコアを下げることに意味はないと感じているのです。

これも人によるんですけど、85とか86取るって言う前に先に83取ってからだろって考えもあるのも確かで、と言うかその考えの方が現実的でセオリーなんだけど。
いつも僕は思うんだけどオリンピックなどといった非現実的な舞台にいくのに現実的でセオリーな当たり前の行動だけを取っていていけるのかなって。

この徳洲会には世界戦で金メダルを取った亀さんやオリンピックで金メダルや銀メダルを取った米田監督や和仁さんがいるので本当に勉強になるし、正解は1つじゃないって気がしました。

・当たり前のなことを誰にもできないレベルで行うか
・自分に有利なマーケットで勝てる勝負を探すか

このどちらかだとは思いますけどね。
体操で言えば和仁さんや田中佑典さんのように同じ技でも目を見張るような美しく流れるような見せ方を行うか
宮地さんのように誰にもできない技で圧倒的さを出すのか、またはみんなはやらないけど減点が少ない技(最近は増えてきたけどチェコ式車輪とか)などかな。

話を戻します。そのやりとりと葛藤を聞いていた亀さんが和仁さんと話しているのを聞きました。

亀さんは絶対に3回半を抜かない方がいいと思うと言うことを言っていました。なぜかと言うと一希自身が抜くことに対して納得していないからよくないって言っていました。

人は説得ではなく納得で動く

そう言っていたのを聞いて、あぁー確かに。って思っちゃいました。
和仁さんはとりあえず中期目標を達成して調子を上げてあげたい、だからこそ調子を上げるための手段として一回引くのもありなんじゃないかと言う趣旨でした。

メンタルトレーニングの話でも触れましたが頑張った感と達成感は全然違います。自己肯定感を上げるためにも達成感が必要不可欠なのだと思います。気になる方は読んでみてください。https://note.com/yossynote001/n/nf9741f677443

僕が亀さんのすごいな、面白いなって思うところの一つに例え話や比喩表現がめっちゃ上手でわかりやすいんですよね。これって抽象化→転用能力が高くないとできないことでめっちゃ強いんですよね。

この時に亀さんが言っていたのは一希は平民だ。でもゆかという刀を手に入れてその刃を研いで研いで武士に、侍になり、何者かになろうとしているところなのにその刀を取り上げちゃうのはあまりいい選択とは思えないんですよねー。と言っていた。ゆかを取り上げたら武器を失い平凡に戻ってしまうように感じる、そのせいで魅力が消えてしまうんじゃないかと考えたんだと思う。

元々の能力が高くてスーパーレアガチャを引いたような人は順当に歩めば高みに行けるかもしれないが、そうでない人はレアアイテムの熟練度をあげて勝負すべきじゃないのかみたいな話だったと思う。

これを聞いて一希で平民ならば俺は農民か。
一希は磨けばエクスカリバーや鬼哭斬破刀真打になるような剣を持っているのにも関わらず俺は棍棒を数本持っているだけ、ガチャ度で言ってもその辺に出てくるスライムベスくらいかなどとちょこっと卑屈になったりしました笑

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まぁだからこそ人よりも頭を使ったり、何を武器にするか考え、広い視野を持ち、努力量でカバーするしかないんだなと改めた感じましたね。

これからも心の素質を磨いて何者かになります!

後日談

結局一希はどうしたの?というと一旦は3回半を抜いて2回ひねりにして3週間ほどやっていました。
結果的に言えば速攻で83点とって3回半を戻したということです。

僕予想では一希自身も負けず嫌いだし、ゆかで戦うっていうプライドもあるからそこを刺激されて、絶対に次のチェックで83点取って3回半をやるのに文句言わせない!くらいの気持ちになったのではないかなーって思います笑
その辺のことをどこまで考えて提案をしていたのかは僕には分からないけど、この一連の出来事で色々な考えに触れれて、やっぱりみんな色々な考えを持っていて面白いなって思いました。

ちなみに一希は今では調子も上がってミスすることもあまりなく得意のゆかにも磨きがかかってエクスカリバーまであと少しでなりそうな勢いです。(←さっきから誰目線よ笑)

これからも一緒に頑張っていきます。

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ps
彼は卵が苦手なのでプレゼントにゆで卵とか上げると発狂してしまうよ!

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