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レッジョ・エミリアアプローチとアトリエの文化

 レッジョ・エミリア・アプローチとは、子どもたちは他者との関係の中で学び成長する可能性を持っているという「子ども観」、または「人間観」に基づいた教育哲学です。
 アトリエは、行動を通じて概念を可視化する場所です。
アトリエは、人々がデザインし、探求し、創り出すためのツールや材料を備える物理的な場でもあります。それは、頭、手、感受性、合理性、感情が密接に協同する学びの方法を可能にし、目に見えるようにする場でもあります。
 アトリエは、私たちの種に深く生来している審美的感覚が、さまざまな学習分野を横断し、全ての分野を織りなす場です。それは、アートにつながるだけでなく、探求の方法、解釈の鍵、体験の場にもなります。
     引用『もざいくー描くこと、言葉、素材が紡ぐ物語りー』展覧会

 会場内にはアトリエが再現されており、家族連れで見に来ていた子どもが、カップルが、私のようなオジサンまでもが、思わず手を伸ばしたくなるモノ・素材があえて整然とはいえない状態であふれていた。
 このような環境の中で、自由に素材を選び、時間を忘れて没頭し、楽しんで試そうとする。そのような世界観のもとで、子どもの内から発せられた言葉や感情を、傍にいる大人が紡ぎだし、子どもに返しながら、互いに織りなす物語りをつくっていける。そんな環境で幼児期を過ごせることがどれほど有意義なことか。そこでは、大人の審美性も豊かにされるのだ。
 『無知な教師~知性の解放について~』という本を偶然にも読んでいた今、このタイミングとシンクロしたような気がする。【皆が整然とすること・していること】が求められる?求められてきた教育観では、ごみにしか見えない環境が、宝の山だということを私たち大人は気づいていない。いや、集合無意識の中では気づいていたのかもしれないが、上書きして消し去ってしまっているのかもしれない



 

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