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「ゲームクリエイター」とは何ぞや

このノートの第1回目の投稿にも書きましたけど、2020年の”小学生のなりたい職業ランキング”。
男児のトップは「ゲーム・クリエイター」でした。
業界に身を置く私たちからすると、ホントにうれしい限り。


”医師”、”ユーチューバー”、”芸能人”、
"パティシエ"、”サッカー選手”、”学校の先生”・・・
これら非常にキラキラしている職業を抑えてトップが”自分たちの職業”。

・・・しかしなんだろう
何かこのランキングの「ゲームクリエイター」っていうワードには何か違和感を感じるんですよね。
「ゲームクリエイター」という言葉、職業を表す言葉として間違っていない。”ゲームを作ることを仕事にしている人たち”。

でも小学生クンよ。
君はそのゲームクリエイターという職種の中でいったいどういう役割の仕事がしたいんだい?

つまり違和感の正体は、「ゲームクリエイター」という言葉の定義が広すぎること。

例えばカノジョに「来週の旅行、行先どこにする?」と問いかけて「景色がきれいなとこ(にっこりww)」っていう答えが返ってくるのに近いものを感じるのです(いや、それどこだよ?答えの範囲が広過ぎでしょww)。

この場合、「ゲームクリエイター」っていう職業が漠然とし過ぎていて、実際にはそれらを構成する各役割が存在していることを、たぶん小学生たちは職業としてあまりイメージできていないんだろうな、ということ。

いやいや、それをいうなら「サッカー選手」という答えも”キーパー”とか”ボランチ”とか様々な役割で構成されているでしょ?サッカー選手を目指す人はそういう細かいとこまでイメージしておかなきゃダメなのかっ?
・・・いえいえダメじゃないですww。

ただ「ゲームクリエイター」を構成する各役割・・・つまりプログラマ、CGアーティスト、作曲家、プランナーとか本当に広域にわたる各役割が、今ではもうとんでもなく”専門的過ぎる”状態になっていて、職業として考える場合、それらは全く違う仕事なんだってことは理解しておく必要があるかな、と。

ゲーム業界も数十年前の黎明期は、一本のゲームを作るのにチーム員はせいぜい5~6名。その中に企画者もプログラマもアーティストもサウンドもいるような状態でした。担当なんていうものは今考えるとその垣根はモヤッとした感じで、プログラマが企画を考えたり、サウンドデータを打ち込んだり…みたいな一人で何役もこなす感じ(笑) つまり、ごった煮状態。それで何とかゲーム完成していたので、すごい時代でしたね。

今はというともちろんそんなことはなく、プログラマ、アーティスト、サウンドなどしっかり職種が分かれているのはもちろん。さらに最近はそのアーティストの中がまたいくつも細かく分かれていて、背景アーティスト、キャラクターアーティスト、アニメーター・・・などという風にさらなる分業化が進んでいます。

この流れには、業界の進化や技術革新がとてつもない速さで進行しているということに理由があります。つまり各々の”役割の人々”は脇目も振らずに、その役割のことだけを、来る日も来る日も徹底研究して専門家になろうとしなければ、作品のクオリティで他のプロジェクトに勝てず、生き残っていけなかったという歴史があるのですね。

なので漠然と「私は幅広くゲーム制作の”すべてに”興味があるんです」という人(たまに入社希望でこういう方おられます)は、専門的にただそれだけを突き詰めている人には絶対に勝てないっていうことです。
(いっぽうで、こういう専門性だけを突き詰めることの弊害もあるのですが、そのお話はまた今度)

とはいえ、これらの事情を小学生の段階から理解しろっっていうのはちょっと無理がある話。だから小学生なりたい職業ランキングは「”ゲームクリエイター”になりたい」で十分なのですが... ホントのところは、

ゲームのプログラマーになりたい」
ゲームの音楽を作曲したい」

という感じに、早く自分の興味の矛先がゲーム制作の中のどこにあるのかに気が付いてほしいし、それに気づけた小学生はその時点で確実に一歩抜きんでている状態と言えるかなと思います。

うむ、このブログ、誰に向けたブログなんだろ?小学生これ読んでるの?
っていうよくわからない感じになりましたが、詰まるところ「ゲームクリエイター」っていう職業の括りはいまや広過ぎるんですよ、ってお話でした。

では、また次回!

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