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コミュニケーションの本質に関する考察

今なかなか興味深い本を読んでいる。

それがこの本だ。


Kindleセールで見つけて購入したのだが、読み進めると自分が実に今までセクハラやパワハラに対してふわっとした理解にとどまっていたかが分かる。

献血のポスターの件、セクハラかどうか意見が分かれてるのも、皆定義についてふわっとしているからだろう。

本書を読むと、あくまで職場においての定義は明確となる。

そして、セクハラ・パワハラの話から発展してコミュニケーションの本質についても考えてみるいい機会となった。




ハラスメントとそのグレーゾーン


セクハラやパワハラに始まり、いろいろな○○ハラスメントが提唱されている現在、誰もがやったらアウトなセクハラ・パワハラ事例については分かるだろう。

社内教育で習う内容も、さすがにこれはアウトだろうというものばかり。

ハラスメントという言葉が出てくる前には当たり前に起こっていた事例も、今現在においては極端な例という立場になるくらい、一般的に周知されてきた証だ。

そういった背景もあり、実際の実務上で起こりうるのは判断に迷うケースばかりであり、それが本書で言うグレーゾーンだ。


ハラスメントについてきちんと本質を理解するには、その言葉の定義を知り、グレーゾーンの定義についても明確にしておく必要があると著者は主張している。

ハラスメントの本質について以下に引用する。

「ハラスメントとは職場を維持していく上であってはならない言動である」

これが本質であり、職務上の地位や人間関係などの優位性を背景にした業務上の適正範囲を越えた嫌がらせがパワハラ、性的な嫌がらせがセクハラとなる。

そして、上述した誰もが一発アウトとまでは判定できない、いわゆるグレーゾーンの定義も引用する。

「行為者にはハラスメントの意図も意識もなく、その言動もハラスメントだと断定することはできないが、相手が何らかの理由によりセクハラだ、パワハラだと反応する状況。」


これ、割とよく見かけないだろうか。

”セクハラだと思われたくないから、女性社員に極力話しかけたくない。”

”すぐに部下からパワハラだと言われるから、強く指導できない。”

などなど、身に覚えのある人もいるはず。

このグレーゾーンこそ捌き方が大事で、本書にはその対策内容が詳細に記載されているが、その紹介はまた別の機会としたい。


職場におけるコミュニケーションの本質とは何か


ハラスメントの本質は「職場を維持していく上であってはならない言動」であった。

その観点からコミュニケーションの本質について考えてみると、


「業務を円滑に進めていく上で必要不可欠な意思伝達や共有」


なんじゃないかなと思う。

業務に支障をきたさないということが大事となるわけだ。

決して、昨日見たテレビの話だったりゴルフの話だったりで盛り上げればいいという問題ではないのだ。

だからコミュニケーションとは何かを誰もが一度真剣に考える必要がある。

そこを飛ばして飲み会をしても、腹を割って仕事について話すことができるだろうか。

きっと誰かの愚痴で盛り上がったり、誰かの仕事論を聞かされて終わりだろう。


コミュニケーションの本質の理解がなぜ必要か


よく業務の失敗等の振り返りで、「コミュニケーション不足が原因です」みたいな話がある。

これもコミュニケーションの本質を一度でも考えたことがあれば、少なくともコミュニケーションが不足した原因は何か?とそこから深掘りがまだできる余地があることに気づく。

部下がうまくいっていない仕事を一人で抱えこみ、上司へ相談や報告をしないのはなぜか?

それはコミュニケーション不足が真因ではないだろう。

困りごとの意思伝達を阻害する上司の言動、それに伴う心理的安全性の欠如。

もしくは上司が理解してくれない、守ってくれない、など色々考えられる。

この辺りを真因として、じゃあどうすればいいかという対策の話になる。

最低限ここまで深掘りして来て初めて有効な対策が打てるのではないか。

コミュニケーションとはあまりにも一般的すぎて、抽象化された言葉なのだ。

だから、コミュニケーションが云々語っている時点でまだ深掘りが足りないんじゃないかと最近は実感していて、もっと具体的に、解像度を上げる必要がある。

そのとっかかりが、コミュニケーションの本質を理解すること、もしくは自分なりに明確に定義することだと思う。

まとめ


・ハラスメントとは、職場を維持していく上であってはならない言動

・コミュニケーションは、業務を円滑に進めていく上で必要不可欠な意思伝達や共有(、とぼくは定義する)

・コミュニケーションという言葉は抽象的すぎるので、その本質や定義を明確にして解像度を上げよう








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