「社長になったつもりで」と言うけれど…

「自分が社長だったら…」
「経営者の視点で…」
そんなことを社員に求める社長がいかに多いことか。

でも、それは土台無理な話。
立場が全く違うから。

コピー機をたった一台リースするときでさえ、連帯保証を求められるのが
社長です。

「社長になって最初の仕事が連帯保証の押印だった。印鑑を握った手のひらにじんだ、じっとりとした汗の感触を今でも覚えている」
知り合いの社長の言葉です。

責任の重さが全く違います。
自分と自分の家族のことだけを考えていればよいのが社員。
社長は、それ掛ける社員の人数分、背負っている責任が重くなります。
協力会社まで含めるともっとです。

この立場の違いがある限り、社長と社員はどこまで行っても心底分かり合えることはありません。両社の間には深い溝が横たわっています。

経営者は孤独なのです。

だからこそ、社員には口が裂けても決して言えない本音を漏らせる相手が、経営者には必要です。
長年連れ添ったパートナーであったり、同じ経営者仲間であったり、私のような外部の人間でも構いません。

そして、その責任の重さゆえに、役員報酬だけはしっかり取るようにしてください。

業績不振のため、役員報酬を限りなくゼロに近づけている社長がいますが、それはよくないことです。
役員報酬をカットすることで業績不振の責任を取ったつもりになります。
変に満足してしまうのです。
かえって、役員報酬を下げた時期がダラダラ続いてしまいがちです。

社長の責任の取り方は業績を上げること以外にはあり得ません。

業績を上げて、がっちり役員報酬を取ってください。
社内で自分の給料を自分で自由に決めることができるのは、社長のあなただけです。
その責任の重さ故に、社長に与えられた特権なのですから。


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