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【百年ニュース】1921(大正10)6月22日(水) パリ訪問中の皇太子裕仁親王が市内に出かけ買い物。サンタントワーヌ通り100番地の有名な家具店メルシエ・フレールで絵画を2枚購入。また洋服店では裕仁親王自らネクタイを選択し,また自らフランス語で店員に価格等を尋ねて購入した。

パリを訪問中の皇太子裕仁親王は比較的自由な行動を楽しんでいました。この日はパリ市内で買い物。家具商「メルシエ・フレール」で絵画を二枚購入しました。1枚はターデ・スティカ《獅子の出立》、もう1枚はムニエ《ル・パストゥール》。それほど著名な画家ではありませんが、特にライオンの凛々しい姿を描いた《獅子の出立》は大いに気に入り、帰国後も自らの手元に留めました。また同じ店でマホガニー製の遊戯台も購入しました。続いて市内の商店においては裕仁親王自らネクタイを選択し、店員にフランス語で価格等を尋ね購入しました。

御自身の選定にてターデ・スティカ作の油絵「獅子の出立」ムニエ作の油絵「ル・パストゥール」及びマホガニー製遊戯台を購入される。ムニエ作は宣仁親王へのお土産とされスティカ作は御帰朝後手元に留められ,昭和8年侍従武官長退任の奈良武次に下賜される。

『昭和天皇実録第3』324頁

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吉塚康一 Koichi Yoshizuka
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