NPS/CX調査はGoogleフォームとスプレッドだけで、回答回収・集計・分析・報告までできる
GoogleドライブでNPSをやってみようとしたわけ
このところ数年間、仕事の中で最も耳にした言葉は”CX=顧客体験”だろう。自分自身の仕事としても、年に20本以上のアンケート調査票と報告書を作っている。
昨年の夏、地元の恵比寿新聞経由で「小学生インターン制度」に協力してほしいという話があり、2名の小学6年生を受け持った。どんなプロジェクトにするか悩んだ末に「恵比寿の街のNPS調査」をやってみることにした。
インターン制度には地元の飲食店やサービス業も多く参加していて、顧客体験系のネタはどこかで役に立つのではないかと思ったからだ。
NPS×CX調査の基本は、型が決まっていて「やり方」そのものは難しくない。最低限の調査を小さな商店でも実施できるようになれば、それはよい世の中の進化だろう。そう思って、Googleフォーム・Googleスプレッド・Googleスライドの連携で、NPS調査のすべてが自動化できるか挑戦してみた。
小学生にきちんとやってもらう
設問計画・設計から、アンケートの依頼、QRコードからGoogleフォームへ誘導しての実査、Googleスプレッドでの集計とグラフ作成、Googleスライドでの報告。インターンの小学生2名にすべてを見て体験してもらうためにも、Googleドライブは非常によかった。その成果をようやくまとめることができたので、多くの方に小さなのノウハウとしてお伝えできたらと思ってこれを書いている。(下記は本業でも使っている調査基本情報のフォーマット。実際に小学生が入力)
アンケートフォームの作成と回答の依頼作業
調査テーマの「恵比寿の暮らしについてのアンケート」は、雇い主である弊社で決めた。インターンの最初の仕事は「タッチポイント」の特定である。恵比寿に暮らす自分たちや親たちの生活の要となる体験を書き出してもらう。総統に悩んでいたが、朝起きて夜中に寝ているまでの体験を住民ジャーニーしてもらい16の調査項目を抽出した。
次に、Googleフォームへの設問の入力。彼らはPC入力が苦手でなく、また、頭を使うよりもPCを触っている方が好きなので、あっという間に進む。
出来上がったフォームにテスト回答し、その結果がGoogleフォームにたまっていく様子を見て、ようやくこの後どんなメカニズムでアンケート調査が行われるのかを理解したようだ。
集計とグラフ作成の関数作業が楽しい
Googleフォームからの回答をGoogleスプレッドに蓄積できることは多くの人が知っているが、そのまま集計したりグラフ作成までを自動化する人はあまり知らなかった。
NPS調査では、NPSと体験評価の相関を計算したり、回答別の平均NPSを計算するなど、少しだけ面倒くさい。それでもきこつこつやればできる。この作業は”おじさん”の仕事だ。
スプレッドの関数は、エクセルに準じているので集計そのものは手間ではあるが、ややこしくはない。それとは逆に”グラフ”は、Googleスプレッド独自のお点前みたいなものがあり、きれいに仕上げるのが難しかった。ただ、ここまでやると回答がたまるたびに表情を変えていくスプレッドーシートを見るのが、小学生もおじさんも楽しみになる。
Googleスライドという非力なパワポ
仕上げは報告書。これはGoogleスライドを使って、スマホ用報告書とPC用報告書を作った。スマホ用の縦長の画面作りはややてこずったが、なんとかグラフのレイアウトを行い、報告コメントはインターンが考えて入力。黒バックのオシャレな感じにしてみた。
これで、報告コメント以外はすべて自動でやってくれるNPS調査システムは完成。注意点としては、スプレッドの集計やグラフは自動で更新されるが、スライドのグラフは公開時に再読み込みを人為的に行う必要があること。それでもなかなか立派だと思う。
恵比寿小学生インターンプロジェクト成果物リンク集
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