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読書日記 科学 哲学

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科学と哲学の本について紹介します。
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記事一覧

「時間」はなぜ存在するのか」 #吉田伸夫 著 SB新書

時間は、過去から未来へ「流れるもの」ではなく、過去から未来に至るまで、広がって存在してい…

向後善之
2週間前
3

「天才の光と影」 高橋昌一郎 著 PHP研究所

研究者や大学の先生が人格者であるとは限りません(もちろん、自分も含めて)。 ノーベル賞や…

向後善之
1か月前

がん「エセ医療」の罠 岩澤倫彦 著 文春文庫

この本には、がんに対するさまざまな「療法」が紹介されていますが、それらは、著者に言わせれ…

向後善之
1か月前

「方丈記」 鴨長明 著 簗瀬一雄 訳注 角川ソフィア文庫

鴨長明は、晩年、60歳をすぎてから、一丈(約3m)四方の小さな家に住み、「方丈記」を書きま…

向後善之
1か月前
2

「首都直下 南海トラフ地震に備えよ」 鎌田浩毅 著 SB新書

著者の鎌田浩毅 さんは、京大で長年地球科学、火山学の研究をしてきた人です。そして、科学者…

向後善之
1か月前
4

「なぜヒトだけが老いるのか」 小林武彦 著 講談社現代新書

生物にとって、死は、必然です。生物は、変化する地球の環境に適応するため、自分たちも変化し…

向後善之
1か月前
4

「直観脳」 岩立康男 著 朝日新書

もし、僕が椅子にもたれかかって、ボケーっとしているように見えても、どうかサボっていると思わないでほしい。 僕の脳の分散系が働いていて、無意識の中で、「環境から新しい情報を得て、それを自分の意味記憶ネットワークに落とし込み、新たな結びつき・ネットワークを作り上げる(p.159)」という「考える」作業を行っている最中なのです。 やがて、直観が、Aha!体験と共に表出するでしょう。実は、「直観こそゆっくりと形成されるものであって、私たちはその無意識の中での過程を意識できていない

「墨子よみがえる」 半藤一利 著 平凡社新書

春秋時代が終わり、戦国時代に入った頃、紀元前5世紀後半に活躍した墨子は、徹底した非戦論、…

向後善之
4か月前
5

「失敗の科学」 マシュー・サイド 著 ディスカバートゥエンティーワン

車輪のトラブルに対応しているうちに燃料が無くなって墜落した飛行機のパイロットは、「信じら…

向後善之
4か月前
3

「反オカルト論」 高橋昌一郎 著 光文社新書

コナン・ドイルも、原子タリウムを発見したウィリアム・クルックスも、ノーベル生物学・医学賞…

向後善之
4か月前
7

「がん 生と死の謎に挑む」 立花隆 著 文春文庫

がんに罹ったらどうしよう・・・と思いました。 がんは、この治療法で完全に制圧できるという…

向後善之
3か月前
3

「「科学的」は武器になる」 早野龍五著 新潮社

著者は、著名な物理学者ですが、それ以外に、福島原発事故以降、Twitterでの独自の情報分析に…

向後善之
3か月前
4

「ぼくらの戦争なんだぜ」 高橋源一郎 著 朝日新書

僕は、幼少期、神奈川県川崎市に住んでいました。川崎駅に行くと、駅前に両足を失った傷痍軍人…

向後善之
3か月前
7

「ストーリーが世界を滅ぼす」 ジョナサン・ゴットシャル 著 東洋経済新報社

暴力が集合的に暴走していくことがあります。 これは僕の考えですが、 段階1:被害者Aの発生→段階2:被害者Aの救済、加害者はBと特定→段階3:加害者とされたBへの過度な攻撃→段階4:Aが加害者に転じる→段階5:被害者Bの発生→段階6:被害者Bの救済、加害者はAと特定→段階6:加害者とされたAへの過度な攻撃→・・・ というようなコースをたどることが少なくないように思います。 段階2、6で、あまりに0−100のジャッジメントをしてしまうと、段階3、7に進んでしまうのかなと