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1死者と物


5年前に祖母が亡くなり、
翌年母が亡くなったとき

それぞれの家に残ったのは

物・物・物・・・

数日前までその物たちは、所有者の名前をつけて

そう、私からしたら

おばあちゃんの湯飲み

だったり

おばあちゃんの靴

だったり

お母さんのエプロン

お母さんの本

だったわけですが、

所有者が旅立ち

残されたのは

ただの

でした。

でも、中には私の見覚えのある物だったり
懐かしい彼女たちを思い出す物が

家の中のそこここで

それはそれは静かに

あったのです

そこに

ただ 

ありました


2片付けられない

母がまさかそれほど早くに逝くとは

思ってもみなかったので

悲しくて、

無意識に、

せめて母の残したものを
少しでも自分の手元に置きたくて

自宅に次々と運びいれていきました

するとその瞬間から

物に思いがくっついてしまったのです

物についた思いはなかなか手強くて

思いのついた物は次々と 
 
増えて行き

家の中は

魔界と化していきました


3好きを選ぶ

魔界とは
つまり家がごちゃごちゃしていったということです

きたないし
散らかっていて落ち着かない

でも自分では、
そっか、わたし
片付けられないんだ
とか

これは遺伝かな
とか

いわゆる 
「片付けられない女」なのだ

などと決めつけて
半ば諦めかけていました


そこへ知り合いの紹介で

こころとおうちの片付け塾
なるものに入塾しました

片付けにお金払うなんて、
は?って最初は抵抗がありました

💓💓💓

作業は
好きを選ぶ片付けでした

が、

それができないんです

好きなものを選べない

子どもの頃からケーキすら
選べなかった私なのです

半世紀近く生きてきて今さら無理!と
思っていました

4思い込みを手放す

3ヶ月ひたすら好きを選ぶための

こころの片付けをしまして

分かったことは

全ての物に 

思いという重い鍵がかかっていて

その鍵をあけていく必要があるということ

物一つ一つに対して

何でそれをとっておくの?

大事だから?

高価だから?

母の物だから?

伝統工芸だから?

懐かしいから?

丁寧に一個一個やっていくと

だんだんうまくなってきて

少なくとも好きじゃない
持っていたくない物は
選べるようになりました

それは断捨離ではなく

選び方を学ぶ片付けだったのです。

物についた鍵だと思ったのは

実は「思い込み」でした

一度思い込みを手放すと

次から次へと選んで行く事が楽になり

このとしで初めて
好きなものを選べるようになりました

好きなものを選べることほど
幸せなことはありません

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