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四半期報告書が廃止される話を考える

岸田総理が四半期開示の一本化を検討していましたが、ついに四半期報告書(以下、四半報)の廃止を本格的に検討するようです。



初見の方向けに説明すると、上場企業は3ヶ月に1回決算報告をするのですが、「短信」と「四半報」というほぼ同一の書類を作成しなければなりませんでした(事務処理がかかる)

また、監査法人もそれらを3か月に1回チェックする必要があり、彼らにとっても負担でした。
(監査法人は短信をチェックする必要はないのですが、実態としては見ています)


これにより、いろんなステークホルダーに影響があります。

・会社…事務処理が大幅に減る
・監査法人…四半期レビューが不要になる(工数が削減される)

一方で想定されるデメリットもあります。

・会社…短信は監査法人にチェックされないので、資料の信頼性が落ちる。粉飾が発生する可能性が高まる
・監査法人…四半期レビューの工数が削減される結果、監査報酬が大幅に減る
・投資家…資料の正確性を担保できないため、投資に消極的になる

こんな感じでデメリットも大きいと予想しています。


個人的には、「なぜ短信ではなく四半報を廃止するのか?」と疑問ですが、その方向で進みそうです。

ヨーロッパでは任意のようですが、アメリカでは開示義務があります。

短信廃止ならWin-Win-Winだと思いますが、四半報廃止だと両手放しで喜べないような気がしています。


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