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敷布団又はマットレスを決めるポイント

はじめに

寝具は、睡眠の質を向上させるのに大切です。
睡眠を改善するための行動に加えて、寝具も自分に適したものにするとより睡眠の質を高めてくれます。

寝具とは?

・掛け布団
敷布団 又は マットレス
・枕
・毛布
・タオルケット
・カバー
などがあります。

寝具には、様々な種類があり役割が異なります。
しかし、寝具全体で求められる役割も存在します。

では、寝具全体に求められる役割について整理していきます。

寝具の役割

①「保温性」 大切な温度を保つ
②「吸透湿性」 適切な湿度を保つ
③「放湿性」 吸った湿気を空気中に発散させる


①保温性

睡眠により、脳温や直腸温の低下、皮膚温の上昇などの温度の変化が生じます。この生理反応を邪魔しないことが、睡眠の質を高めるには大切です。

②吸透湿性

睡眠中、皮膚の血管拡張による発汗量の増加が生じます。
約350mℓの汗が出るとされています。
この汗を吸うのは、寝具の重要な役目になります。汗が吸われずに湿度が高まると睡眠の質が低下する恐れがあります。
寝具が役目を果たすことで、睡眠の質が保たれるわけです。

③放湿性

先ほど述べた通り、睡眠中に多くの汗をかきます。
寝具は吸った汗を空気中に放出する役割も必要です。
空気中に放出できないと、接触部の温度が高まってしまい、睡眠の質を低下させます。
睡眠の質を低下させないためにも、放湿性は重要になります。

参考までに、汗についてもう少し深堀していこうと思います。
睡眠の時期に応じて汗の量が異なるのです。

睡眠時期による発汗量の違い

レム睡眠 < ノンレム睡眠(1,2段階) < ノンレム睡眠(3,4段階)

寝具は、多くありますが、睡眠の質に大きく影響するのは、敷布団又はマットレスです。

敷布団又はマットレスを決めるポイント

①背骨のカーブに沿った姿勢になっているか

睡眠の質を高めるには、寝姿勢では身体がリラックスしている必要があります。
人間の背骨はS字のカーブをしています。
これが、身体にとって一番リラックスした姿勢になります。
つまり、睡眠の質が高まりやすい寝姿勢です。
逆に、逸脱すると身体の不調を招く可能性が高まります。
例えば、マットレスが硬くて腰が丸くなっているとします。すると、腰の負担が強くなり腰痛を招く恐れがあります。

一般的には、S字カーブの姿勢が良いのですが、S字カーブに近づけようとすると痛みが出るケースもあります。

例えば、腰が丸く変形している人は、柔らかいマットレスを使うと腰が反る方向に力が働いて腰痛を招く恐れがあります。

多くの人にとっては、S字カーブが楽な姿勢になると思います。
しかし、S字カーブが楽な姿勢でない人もいるので、その方に合ったマットレスを選択することが重要となります。

②寝返りがしやすいか

寝返りが効率的にできることは、睡眠の質向上につながります。
逆に寝返りが努力的になると、余計な力を使うことになり、中途覚醒につながります。結果、睡眠の質低下を招きます。

このような理由から、寝返りをしやすい寝具を使うことが大切なのです。

まずは、寝返りをなぜするのかをみていきましょう。

大きく3つの理由があります。

●睡眠段階を移行するスイッチ
寝返りが出現するといわれているタイミングが3つあります。
1、睡眠段階3もしくは4の終了時
2、レム睡眠に移行するノンレム睡眠時
3、レム睡眠の終了時
このように睡眠の期が変わる時に、寝返りをします。

●血流の循環パターンを変化
寝返りをせずに同じ姿勢でいると、接触して圧力のかかっている部位の血液の循環が悪くなったり、重力のかかり方が一定であるため、身体の一定部位に血液や体液が滞留しやすくなります。
これらの現象を回避するために、寝返りをします。

●体温調整
発汗には体温調節の働きがあります。
寝具と接触していない部分は発汗により体温を下げることができますが、寝具と接触している部分は体温を下げることができないため、体温調整が困難になります。
熱帯夜には、寝返りが多いといわれますが、これは体温調整を行っているからです。
このように、寝返りで発汗部位を変え、体温調整をしています。

以上が睡眠時に寝返りをする理由です。

どんな敷布団又はマットレスがいいのかをみていきましょう。

寝返りをしやすい敷布団又はマットレスとは?

●足元で敷布団又はマットレスを蹴りやすい

寝返りをするには、足で蹴ることで横向きになる方法があります。
敷布団又はマットレスを蹴る場合、柔らかすぎると蹴りにくいため、スムーズに寝返りがうてなくなります。
つまり、寝返りのしやすさを考えると、”適度に硬さ”がよいことになります。

●上半身がねじりやすい

寝返りをする方法には、足で蹴る方法以外に上半身をねじりながら横を向く方法があります。
上半身をねじりながら横を向く方法では、首と肩周りが動きの軸になります。首や肩周りが動きやすい敷布団又はマットレスかが重要になります。
横を向く動きのみを考えると、適度な硬さがよいですが、横向いた後の姿勢を考えると、肩周りの素材はやや柔らかく沈んでくれる方が、楽な横向きをとることができます。

個人により、寝返りのしやすさ方法は違います。
足で蹴る方法が楽な方もいれば、上半身をねじりながらする方法が楽な方もいると思います。
自身がどちらが楽かを把握して、敷布団又はマットレスを選択するのが大切になります。

まとめ

・寝具はいろいろとありますが、睡眠を考えると敷布団又はマットレスが一番大切になります。
・寝具には、保温性、吸透湿性、放湿性などの役割があります。
・敷布団又はマットレスを選ぶには、①背骨のカーブに沿った寝姿勢になっているか、②寝返りがしやすいかがあります。

参考文献

・リラクゼーションと寝具
・温熱環境と睡眠
・寝具と睡眠


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