痛みを長引かせないために
本記事では、急性痛を慢性痛に移行させないための方法について書いていきます。
本記事は、1200文字程度です。
まずは、急性痛と慢性痛の整理をしていきましょう。
痛みの期間による分類
①急性痛
急性痛は、明らかな組織損傷がある場合がほとんどで、その治癒に必要な期間内に生じる痛み。つまり、急性痛は、生体の警告信号の役割がある。
痛みの多面性からみると、感覚的側面が色濃い痛みである。
②慢性痛
慢性痛は、組織損傷が明らかに治癒しているにもかかわらず残存する痛みや、組織損傷がない状況で通常痛みと感じない程度の弱い刺激で痛みと感じるもの。
痛みの持続期間が、3か月以上と定義されている。
痛みの多面性からみると、情動的側面、認知的側面がより色濃く反映した痛みである。
急性痛の時期に、痛みを長引かせないように努め、慢性痛の発生を予防することが重要になります。
痛みに対する考え方は、今と昔では変わってきています。
昔
→痛いときは安静
現在
→安静を最小限に留め、可能な範囲で身体活動を継続
安静によるデメリット
・関節角度の制限
・筋力の低下
・痛みの増強
・新たな痛みの発生
などがあります。
このように安静にはデメリットがあり、可能な範囲で身体活動を続けることが推奨されています。
では、身体活動を続けるためのポイントをみていきましょう。
身体活動を続けるためのポイント
・歩きなどの軽運動から開始し、徐々に負荷を増やしていく
必要に応じて、運動前に筋肉のマッサージを実施する。
・仕事や家事などの通常の活動を維持する
通常の活動は安静を回避するために重要
【注意点】
・初めから負担の大きい運動をしない
痛みの増強や新たな痛みの発生につながるため注意が必要
まずは、身体活動を維持することが大切ですが、患部(腰痛であれば腰)の運動も重要です。
しかし、患部は痛みが強くなかなか動かせないこともあります。
そこで、患部の痛みが強い場合は、どのように運動を進めていけばよいかみていきましょう。
患部の痛みが強い場合の対処方法
患部の痛みが強い場合は、
患部外の運動 → 徐々に患部の運動
がよいとされています。
運動には、痛みの抑制効果あるといわれています。
この効果は、運動を行う部位だけでなく、行っていない部位にも認められることが明らかになっています。
例
ぎっくり腰(患部) 腰を動かすと痛む
↓
下肢や上肢の運動から開始+歩ける範囲で歩く
(運動による疼痛抑制効果を期待)
↓
徐々に腰の運動も行う
(患部外の運動で患部の痛み軽減)
↓
腰痛軽減し、元の生活に戻れる
このように、患部外の運動から開始し、患部の運動につなげることが急性痛を慢性痛に移行しないために重要となります。
まとめ
・痛みには急性痛と慢性痛があります。
・安静は、関節角度の制限、筋力の低下、痛みの増強、新たな痛みの出現といったデメリットがあります。
・急性痛を慢性痛に移行しないためには、身体活動の継続、患部外の運動が重要になります。
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