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痛みに関する基礎知識
本記事は、痛みの基礎知識についてまとめています。
本記事は、1700文字程度です。
痛みとは?
組織の実質的あるいは潜在的障害にもとづいて起こる不快な感覚・情動体験であり、それには組織損傷を伴うものと、そのような損傷があるように表現されるものと定義されています。
要するに、痛みには多面性があり、傷による痛みはもちろんですが、傷がない痛みも含まれることを意味しています。
痛みの多面性
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①感覚的側面
痛みの部位、強度、持続性などといった痛みの種類を識別する身体的な痛みの感覚。
②情動的側面
情動とは、怒り、恐怖、喜び、悲しみなど急速に引き起こされた感情変化のことである。
痛みの情動的側面とは、痛みによって引き起こされる不安、抑うつ、恐怖などの不快感を指します。
③認知的側面
痛みの認知的側面は、過去に経験した痛みの記憶、注意、予測などを基に自身の痛みを定義し、認識することである。
つまり、痛みに対して注意が向いているか、または、予測しているかなどによって痛みの感じ方は変わる。
慢性痛を抱える人は、痛みの体験を過度に消極的にとらえることがあり、痛みへの不安や恐怖心が増し、結果、痛みの増強につながることもある。
痛みの期間による分類
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①急性痛
急性痛は、明らかな組織損傷がある場合がほとんどで、その治癒に必要な期間内に生じる痛み。つまり、急性痛は、生体の警告信号の役割がある。
痛みの多面性からみると、感覚的側面が色濃い痛みである。
②慢性痛
慢性痛は、組織損傷が明らかに治癒しているにもかかわらず残存する痛みや、組織損傷がない状況で通常痛みと感じない程度の弱い刺激で痛みと感じるもの。
痛みの持続期間が、3か月以上と定義されている。
痛みの多面性からみると、情動的側面、認知的側面がより色濃く反映した痛みである。
痛みの原因による分類
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①侵害受容性(炎症性)疼痛
侵害受容性(炎症性)疼痛とは、組織損傷を引き起こすような機械的刺激(例:外傷)や熱刺激(例:火傷)、さらには組織損傷やその後の炎症によって生じるさまざまな化学物質(例:プロスタグランジンやブラジキニンなどの発痛物質)などによって末梢の侵害受容器(皮膚にある痛みを感じる部位)が刺激を受けて生じる痛み。
②神経障害性疼痛
神経障害性疼痛は、中枢および末梢の体性感覚神経に変性や断裂、損傷、虚血などが生じたことで起こる痛み。
③非器質的疼痛
説明しうる器質的病変がないにもかかわらず生じる痛みや、器質的病変は存在するものの、それにより十分な説明ができない痛み。
非器質的疼痛の場合も侵害受容性疼痛や神経障害性疼痛といった器質的疼痛が発端となることも多く、これらの痛みが積み重なることで、痛みが慢性化・重篤化してしまう。
痛みの悪循環
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※用語説明
・破局的思考
→痛みの体験を過度に消極的に捉える思考
・過剰な行動回避
→恐怖や不安増大に伴い、さまざまな行動を過剰に回避すること
・不活動
→動く量が減ること
・抑うつ
→気分が落ち込み何もする気になれないなど
・身体機能障害
→筋力低下、関節角度の制限など
この悪循環のモデルには、自身の存在を否定するような思考(例:職場や家族の役に立っていないなど)や自己効力感の低下によっても修飾されるといわれています。
慢性痛を抱えている方は、この痛みの悪循環によく該当するといわれており、脱却する必要があります。
痛みの悪循環から抜け出すためには、
①痛み
②身体的要因(不活動や身体機能障害など)
③心理的要因(破局的思考など)
④社会的要因(社会的立場の喪失や生産性の低下など)
の4つの視点で考えていくことになります。
慢性痛から抜け出すためにできる具体的な行動
・運動をする
痛む部位以外から運動をしていき、できそうであれば痛む部位の運動もしていく。
・睡眠を取る
睡眠をしっかり取り、精神を安定させる。
もし、眠れないようでしたら、睡眠の改善方法も試していただきたいです。
・痛みに関する正確な知識を持つ
痛みを出す多くの組織は、”3か月以内で組織修復する”という正確な知識を持つ。すると、痛みは減るものという認識が持てるようになる。結果、痛みの認識が変わり、慢性痛に移行しにくくなる。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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