今のところ、食い逃げ
食券制の飲食店が好きだ。
というよりもこの世のあらゆる「後払いシステム」がちょっぴり苦手だ。
別に「店員さんと話すのが億劫だ」とかそういう理由ではない。
自分が対価を払う前に、自分が望むサービスが提供されることに緊張してしまうのだ。
なんとなくかっこいい言い方をしてしまったが、要は自分がお金を払う前に食事を提供されると「あれ、私お金ちゃんと持ってたっけ…」と突然不安になってしまうのだ。
食事をとりながらなんとなく気がそぞろになったり、思わずお財布の中を確かめてしまったりする。
食券制などの前払いシステムだと先にお金を払ってしまっているので、あとは食べるだけ。安心して食事を楽しむことができる。
もちろん、現金を持っていなくてもカードで支払ったり、万が一お財布がなかったとしてもスマホで支払うことだってできる便利な世の中なので心配することなどないはず。
幸い、今までに飲食店でお金を持っていなくて困ったためしがないので、いつも杞憂には終わるんだけど。
①入店
②注文
③料理が出てくる
④食べる
⑤支払い
⑥退店
この流れに対して④までは、食べながら「うわ…どうしよう、わたし、今のところ食い逃げだ…」と人知れず頭を抱えてしまうのだ。
逃げてないから食い逃げでもなんでもない。
百歩譲っても「タダ飯」くらいのものなのだけど。
誰かと食事するときには「最悪この人に借りよう…」と脳が勝手に判断するのか、そういったことを考えることはまず無いというのがちゃっかりしているというかなんというか。
どうやら、食べることが好きすぎるが故に、食事に関して執着や憧れがあるようで。
「え…私まだお金払ってないのにこんな…食べてしまっていいんですか…ほんとに…?」と恐縮してしまうってことかな。
そのうち私がどこかの飲食店のキッチンで皿洗いしてるのを見かけるかもしれません。
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