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第5回ヨーロッパ周遊記②(2024.02.20)元高校歴史教員が感じるフランス🇫🇷ヴェルサイユ宮殿の魅力【380】

 オランダの2月のクロッカス休暇にオランダ周辺の国を周る旅行をしました。1日目は移動日、2日目は「モン・サン・ミシェル」を訪れ、3日目は「ヴェルサイユ宮殿」に来ました。公立高校で世界史を教えていた経験があったので、ぜひ内部を見てみたいと思っていました。今日はその記録をしておきたいと思います。

広大なヴェルサイユ

 ルイ13世は古い狩猟館として使っていたのを、ルイ14世は改築をして政府と裁判所をここに置いたとされています。
 フランスの絶対王政絶頂期を誇るヴェルサイユは広大な敷地があり、宮殿の周りには大きな運河や庭園があります。宮殿に入るには入場料€15が必要ですが、外の庭園や池、運河などは無料で見学できます。全部を周るにはかなり広いので時間的に余裕があった方が良いと思います。宮殿は1979年に世界遺産に登録されています。

宮廷
奥の方には大運河があります
宮廷から見た宮殿(これは裏側です)
ルイ14世の騎馬像

ヴェルサイユ宮殿のチケットは事前購入を

 2月下旬の休みに訪れたので観光シーズンではなかったと思いますが、昼頃に着いたら15時以降の入場チケットしかありませんでした。
事前に予約して買うことができるので早めに購入することをオススメします。現地ではインターネットになかなかつながらず、オンラインでのチケット購入ができませんでした。

いざ宮殿の中へ

フランス絶対王政絶頂期の象徴

太陽門
当時のものはフランス革命期に破壊されたそうです
ルイ14世の肖像画
太陽王と呼ばれた絶対王政期の王
「朕は国家なり」
ルイ15世
5歳で国王になり、フランスの財政は厳しくなっており
フランス革命の準備段階としての啓蒙思想が広がりつつありました
ルイ16世
フランス革命で処刑されました
ルイ=フィリップ
フランス革命後のフランス産業革命期の王

王位礼拝室

王室礼拝堂
国王や王女の結婚式が行われました
天井画や細かい装飾から何とも言えない美しさを感じます

the king’s state apartment

ヘラクレスの間の天井画
「ヘラクレスの神格化」と「パリサイ人シモン家の宴」
王妃の寝室
メルキュールの間
太陽王ルイ14世
マリ=アントワネット
オーストリアから嫁ぎルイ16世と結婚しました

1度実物を見てみたかった「鏡の間」

 装飾や部屋の規模がこれまで見た建物や部屋とは異なる圧倒的な雰囲気を感じました。ここで、パーティが開かれたりヴェルサイユ条約の調印などを経てきたと思うと歴史の重みを感じます。

鏡の間
ヴェルサイユ条約が調印され第一次世界大戦が終結しました
天井画が圧倒的でした
ルイ14世の騎馬像
鏡の間の両端には「戦争の間」と「平和の間」があります

戴冠の間

 ここではフランス革命以後に登場するナポレオン=ボナパルトに関する壁画や肖像画があります。

皇帝ナポレオン1世と皇后ジョゼフィーヌの戴冠式
パリのルーブル美術館のものと合わせて2枚あります
ナポレオン1世

フランス社会の改革を望んだ人物「ラ=ファイエット」

 軍人貴族として王朝に仕えていたラ=ファイエットは、フランス社会が代ことを望んでおり、アメリカ独立戦争にも協力した人物として有名です。その後、フランス革命でも貴族の立場でありながら改革に賛同し、人権宣言に起草にも携わっている、フランス社会が大きく変わることに影響した重要な人物の1人です。

ラ=ファイエット
フランスの国旗を採用した人物

贅沢の極みが市民の怒りに触れる

 ヴェルサイユ宮殿を周りながら、「これだけの豪華なものを建てたら、そりゃあ生活が苦しい市民は怒るだろうな」と、この宮殿の建設がフランス革命の原因の1つであることが分かります。
 内情をきちんと理解しないまま、外向けにいいところを見せようとばかりしていると大きなしっぺ返しを喰らってしまうのかもしれません。大きな歴史の転換点となった場所に訪れることができて本当によかったです。

<参考情報>
・ヴェルサイユ宮殿公式HP

・ヴェルサイユ宮殿ガイドマップ

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