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就活の 自己分析に 殺される

(季語がない)

就活サイトによくある適性診断が死ぬほど嫌い。何回受けても微妙な点しか取れないからっていうのもあるけど、それは置いといて。

自分のもろもろが数字に還元されていく感じが恐い。たかが百とか二百の質問で「私」が数値化されて、類型化されていくのが気持ち悪い。結果には何かしらのヒトの類型が出てくるだけで、そこに私はいない。出てくる私の「強み」は、行動力とか傾聴力とか使い古されたものばっかり。あと、「伸ばしたほうがいい力」とか出てくるとちょっと黙っててくんない???と思う。私は御社のためにいい人間になりたいんじゃない。なんで私がそっちの都合に合わせなきゃならんのよ。部品じゃないんだわ。就活生以前に人間なんだわ。なめないでくれよマジで。

ネットの診断ごときでこんなにも食らってしまう自分が情けない。ネット診断はまがいものだって、パーソナルカラー診断で学んだだろうに。(個人差はあります)

私は三月に、メイクと髪をがっちり似合う色に一新しようと思い立った。そこで、「プロ監修」「AI解析」などと銘打ったネット上のパーソナルカラー診断を手当たり次第受けてみた。その結果、なんと春夏秋冬ぜんぶ出てきてしまった。完全に路頭に迷った私は、腹をくくってプロ診断を受けることを決めた。万単位の出費…ぴえん…

その結果。イエベ秋とブルべ夏のちょうど中間だった。肌はイエベ寄りのニュートラルで、四つの季節には当てはめづらいとのこと。くすみすぎず、きつすぎないソフトな色が似合うらしい(それまで赤リップにキラキラピンクのアイシャドウがデフォだったので、軽くショックだった)。
まあねえ。そりゃネット診断で正確に出ないよな。ネットだとイエベ/ブルべの二択、春夏秋冬の四択しかないもの。

結局、適性診断もネットのパーソナルカラー診断と大差ないと思いたい。所詮見ず知らずの人だから、最低限の質問で、限られた類型に乱暴に振り分けるしかないのだろう。
とはいえ、「能力」とか「性格」をその方法で語られることに私は強い違和感を感じる。テストの結果やそれを基にしたESは、「私に近い(?)人たちの平均」であって、「社会の歯車としての性能」であって、私じゃない。私の考えが数値化されるたびに、「このタイプの人間」とくくられるたびに、人としての尊厳が少しずつ削れて、やせ細っていく感じがする。

こんなことを乗り越えた人たちが社会を回してるというのか。社会人、ぱねえ。なれるかな。ならなきゃいけないとは思うんだけどね。もっと人間らしく社会に出れたらいいのにな。


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