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「逃げの就活」のすゝめ

注:早い・易い・高いの三拍子とはかけ離れた就活の話です。効率よく進めるためのテクニックは全く出てきません。

お久しぶりです。就活もようやく終わりが見えてきました。就職活動の諸々が全部好きになれず、逃げ道を必死に探し、進んだり退いたり脇に逸れたりしてきました。なるべく忘れたくない体験なので、大まかな軌跡だけ残させてください。

~2021年3月 とりあえず出版じゃね?

「好きなことを仕事に」と言われ続け、自分は何が好きか考えた。一番身近かつお金になりそうなのが本だった(演劇はお金にならなそう)。経歴的にもどこかしらいけんじゃね?という期待もあった。

2021年4~5月 手書きESにキレた挙句、マッチングアプリに手を染める

出版のESは独特で分量が多い。「今までで一番つらかったこと」やら「ここ1~2年で頑張ったこと(コロナで公演つぶれとんじゃボケ)」やら、思い出したくない諸々を思い出すはめになった。しかも手書き。親に散々「字が汚い」と言われ続けてきたわたしには地獄でしかなかった(書き損じまくった挙句、大雨の中コンビニに半泣きで走ったのはまた別の話)。そして、少しずつ届き始めるお祈りメール。承認欲求が少しずつ行き場をなくし、気づいたらマッチングアプリを3つもダウンロードしていた。よく知らん男の下心スケスケの「かわいい」でさえ、当時のわたしにとっては救いだったのだと思う。

2021年6月半ば ガタがくる

ESは結構通ったのだが、面接をしてはかなり時間をおいてお祈りされることが続いた。そんなある日、かなり志望度が高い会社ふたつからお祈りメールを受け取り、ストッキングはすべて破れ、足の親指から小指まで全部に靴擦れができた。ぷっつりと動きたくなくなった。理由ははっきり言えないのに涙が止まらなくなった。

2021年6月下旬 本格的に逃げ始める

まず、「就活アウトロー採用」なるものに手を出した。

「就活 くだらない」で検索して最初に出てきたのがこれ。ビジュアルは強烈だけど、今までやってきた就活で一番まじめな形式だったと思う。抽象的なお題に沿って企業の人と学生とでとことん話す、哲学の授業に近い感じ。わたしの場合は内定に直結しなかったが、いろいろなひねくれ方の人に出会えて面白かった。
よくわからないところにひょいっと飛び込んで、いろいろと個性的な人たちを素直に好きだと思えたのは自信になった。それから、自己分析ツールで得た「アイデアと努力」という自己PRは捨てて、「すぐ人を好きになれるヤツ」というアイデンティティを手に入れた。
これが最強に発揮できるところを考えた結果、出版業界へのこだわりも失せた。「採用活動で志望動機を訊かない」「スーツなし」の条件で会社を探し、どの業界でも手当たり次第エントリーした。就活の苦しさに自覚的な会社はきっと人が好きだろう、という偏見だけでとりあえず動いた。

2021年7月 やわやわだった「就活の軸」とやらが見えてくる

こうやって就活から逃げまくるうちに、感覚的に好きな会社/苦手な会社がわかるようになってきた。好きな会社の共通点を考えていくと、「自分がした仕事が誰に・どんな影響を与えたかがわかる」「数や順位よりも目の前の人を大事にする」というところだと思った。そのうえで居心地の良いところを選んでいくと、福祉業界にたどり着いた。
そこから、あれほど忌み嫌っていた志望動機も面接もどうってことなくなった。面接していると「話が長い」は「誠実に向き合っている」、「頼りなさげ」は「笑顔が素敵」、と自分の短所を裏返してもらうような感覚があった。ここかもしれないな、とやんわり思っているうちに初めての内々定が出た。他にも選考中の会社がちらほらある。

今までの流れはざっとこんな感じです。効率もクソもなくここまで来て、まだ終わらせるかも決まらず、ここからは卒論に追われる日々です。休まりません。

まだ早期選考のメールはたくさん来るし、「いかに早く就活を終わらせるか」を考えさせられることが多かったから、どうしても話したくなりました。
結果的にだけど、わたしは効率悪く逃げまくってよかったです。逃げ道はちゃんとあるし、逃げた先で素敵な人に出会えることもあるし、たまたま居心地が良い場所が見つかることもあると思います。仕事についてからが大変かもしれないけど、それは未来のわたしがよろしくやってくれると信じています。

わたしの「逃げの就活」のポリシーは、「嫌なことと好きなことに正直であること」「正解を選べなくても、選んだ先を正解にできると信じること」でした。場当たり的なバカの発想かもしれないけど、それでも幸せに生きてる人はいるよって伝わったらハッピーです。

長々とすみません。就活テクは皆無でも「しくじり先生」的な話はできるので、逃げたいな〜って思ってる方がいましたらぜひ連絡ください。


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