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佳野
2022年2月28日 05:11
苦しい、悲しいと叫ぶ彼女の透明な声が僕の胸を刺した。無力なこの腕は、今はただ彼女が泡になってしまわないように抱きしめることしか出来なかった。代替品の僕では君を救えないだろう。心の中のもう一人の僕がそう言っている。もしかしたら僕の想いは君の負担にしかならないかもしれない。だから、これは傲慢なエゴで自己満だ。「それでも僕は要の事が好きだよ」「…駄目だよ、そんなの。」「駄目な
2022年2月9日 00:20
「茅尋。」ぎゅっと掴まれた右手が少しだけ痛い。「…」何も言わず離れた手。薄らと残った体温だけがそこにあった。「ちゃんと話すね、私のこと。」そう、ちゃんと話さなければいけない。きっと私はまた彼を置いて行ってしまうから。「もう気付いてると思うけど、私も同じ病気なの。」「…いつから」「茅尋に出会う前だから5年くらい前から、かな。」きっともう会うことは出来ないであろう幼馴